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ベルシス24 Research Memo(7):社会保険料加入対象の拡大等で減益も、売上収益は着実に拡大

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2017年2月期連結決算
ベルシステム24ホールディングス<6183>の2017年2月期の連結業績は、売上収益が前期比6.2%増の108,916百万円、営業利益が同8.0%減の8,172百万円、税引前利益が同8.6%減の7,196百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同14.5%減の4,304百万円と増収減益決算となった。売上収益の前期比増減要因を見ると、コア事業の成長により既存業務と新規業務等で80.5億円の増、旧BBコールへの発注量の減少影響が5.9億円の減、大型案件の減少に伴いスポット業務が9.6億円の減、その他が1.2億円の減となり、コア事業の著しい成長により増収となったことが分かる。年間の売上収益5億円超のクライアント数が36社(前期は30社)、その売上収益は382億円(同301億円)、伊藤忠シナジーは約72億円(同約24億円)と売上収益が拡大を続けたことも増収の背景にあった。営業利益段階の前期比増減要因には、前期発生の上場関連費用や今期発生の子会社再編に伴う調整項目等一時費用の減少が10.6億円の増、コア事業における売上収益増が5.2億円の増、人件費の増加が12.0億円の減、正社員化や新拠点等でCRM事業への先行投資が5.8億円の減、旧BBコールが1.3億円の減、スポット業務が0.4億円の減、外形標準課税や上場維持コスト等のその他の影響3.4億円の減があった。人件費の増加には、2016年10月から社会保険料の加入対象が拡大された影響や、大型案件の立ち上げなどによる委託外注費の増、勤務年数増加等に伴う時給の増があった。

(1)セグメント別の状況
セグメント別では、CRM事業の売上収益が前期比6.8%増の101,526百万円となった。うち、継続事業の既存事業と新規事業等が同11.5%増の77,781百万円、継続事業のうち旧BBコールが同3.8%減の15,034百万円となり、継続事業の旧BBコール以外は堅調に拡大し、旧BBコールでは下げ止まりが見られた。スポット業務は同9.9%減の8,711百万円であった。その他は、同1.6%減の7,390百万円。営業利益では、CRM事業が同6.3%減の7,878百万円、その他が同38.3%減の294百万円となり、営業利益率はそれぞれ、同1.0ポイント低下の7.8%、同2.3ポイント低下の4.0%となった。

(2)財務及びキャッシュ・フローの状況
2017年2月末時点の資産合計は前期比1,624百万円増となる139,471百万円で、流動資産は同1,543百万円減の25,809百万円、非流動資産は同3,167百万円増の113,662百万円となった。流動資産の減少は主に現金及び現金同等物に減少によるもので、非流動資産においては有形固定資産が同783百万円増の6,280百万円、のれんが同136百万円減の96,947百万円、無形資産が同1,030百万円増の3,364百万円となった。負債合計は同2,032百万円減の98,138百万円。流動負債は同453百万円増の27,076百万円、非流動負債は同2,485百万円減の71,062百万円。有利子負債残高は、同2,244百万円減の78,214百万円。資本合計は、最終利益の積み上がり等に伴い同3,656百万円増の41,333百万円となった。自己資本比率は前期から1.6ポイント改善の28.9%と上場平均の3割に近い水準となっているほか、ネットD/Eレシオは1.76倍と改善が進んでいる。流動比率は95.3%と、やや低い水準にある。

キャッシュ・フロー計算書によると、2017年2月期末時点の現金及び現金同等物の期末残高は5,618百万円で、前期末から1,716百万円減少した。営業キャッシュ・フローは6,791百万円の収入で、法人所得税の支払額4,689百万円、営業債権の増加額1,533百万円等の支出があったが、税引前利益7,196百万円、法人所得税の還付額2,863百万円、有形固定資産の減価償却費1,216百万円、無形資産の償却費910百万円等の収入が上回った。投資キャッシュ・フローは3,114百万円の支出で、有形固定資産の取得による支出1,613百万円、無形固定資産の取得による支出877百万円、敷金及び保証金の差入による支出700百万円等があった。財務キャッシュ・フローでは、長期借入金の返済による支出2,750百万円や配当金の支払額2,613百万円等があり、5,396百万円の支出となった。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)


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