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ネットイヤー Research Memo(5):不採算プロジェクトの影響が一巡し、2018年3月期の収益は増収増益に

注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2018年3月期の業績見通し
ネットイヤーグループ<3622>の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.0%増の6,200百万円、営業利益が110百万円(前期は206百万円の損失)、経常利益が107百万円(同209百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が97百万円(同297百万円の損失)と2期ぶりの黒字転換を見込んでいる。売上高についてはトラブルプロジェクトが上期中に収束し、営業活動が正常化することでプロジェクト案件の増加が見込まれるほか、子会社のトライバルメディアハウスも15%増収と引き続き好調に推移する見通しとなっている。一方、利益面では前期に計上した受注損失引当金69百万円が無くなるほか、前下期から取り組んできた収益改善施策等の効果により増益を見込んでいる。

収益改善施策では、営業プロセスの見直しに取り組んでいるほか、ここ2年続いたトラブルプロジェクトの発生を防止するため、品質管理チームを新設した。また、ネットイヤークラフトの吸収合併に伴い、製販一体体制にしたことによるプラスの効果も期待できる。ただ、課題もないわけではない。プロジェクトの規模が大型化するにつれ、よりスキルの高いエンジニアを増員する必要があるが、IT業界ではエンジニアが慢性的な人手不足の状況となっており、採用難の状況が続いている。同社もネットイヤークラフトを合併したので単体では59名増であるが、実質は連結で8名減少している。ここ最近は、受注するプロジェクトの規模も大型化し、また、難易度も上がってきている。同社はシステムの上流工程(企画・設計)を得意としてきたが、今後事業を拡大していくためにはシステム開発力を強化していく必要があり、スキルの高いエンジニアの確保が課題と言える。2017年4月には新卒10名程度を採用し、社内教育により育成していく方針だが、引き続き必要な人材は中途採用で獲得していくことになる。

足元の受注状況については計画どおりに進んでいるが、上半期については季節要因もあって営業損失となる可能性が高く、収益の回復が鮮明化するのは今下期以降になると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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