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スターティア Research Memo(1):フリーミアム導入などの施策で過渡期を突破し、成長路線回帰を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

スターティア<3393>は、大手SI企業やネットワーク機器ディーラーなどが入って来ず、一方でIT担当者を専任で配置できない従業員数300人以下の中小企業に対し、デジタルマーケティング関連のソフトウェアや、IT関連サービスのワンストップソリューションを提供している。

1. 2017年3月期は2つの事業セグメントがともに過渡期にあり、課題が露呈
同社の2017年3月期決算は、売上高10,282百万円(前期比1.1%増)、営業利益265百万円(同47.3%減)と増収減益で着地した。期中に下方修正を余儀なくされたが、原因は明確だ。デジタルマーケティング関連事業では顧客層変化への対応が、ITインフラ関連事業では“カスタマー1st”に向けた新営業体制の習熟が、それぞれ課題として浮かび上がり、業績の足を引っ張る結果となった。同社は現状、両事業ともにビジネスモデル変革の過渡期にあり、これらの課題は一時的なものだというのが弊社の理解だ。

2. 持株会社への移行やフリーミアムの導入で業績回復・成長路線回帰を目指す
同社は現在の取り組みを加速させるべく、経営スピード向上を目指した持株会社への移行を検討(平成30年度を目途)、価格センシティブな顧客開拓のためのフリーミアムの導入、ストック収入底上げによる収益基盤強化のための『リカーリングモデル』の推進、などの諸施策を新たに打ち出した。前述した過渡期の課題を早期に解決し、同社を業績回復及び成長路線への回帰へと導くものとして今後の進捗が注目される。

3. 2018年3月期は次の飛躍に向けた先行投資期という位置付け。その後の回復に期待
2018年3月期通期について同社は、売上高10,500百万円(前期比2.1%増)、営業利益100百万円(同62.3%減)と増収減益を予想している。デジタルマーケティング関連事業においてフリーミアム・モデルを導入して一気に顧客ベースを広げる方針だが、短期的には業績悪化を招く可能性が高い。これを“カスタマー1st”2年目に入って習熟度が増したITインフラ関連事業の業績拡大でカバーして黒字を確保する構図とみられる。弊社ではフリーミアム・モデル導入によるデジタル商材拡大シナリオには十分説得力があると考えており、今後の進捗を見守りたい。

■Key Points
・権限移譲で経営のスピードアップを目指して持株会社体制の移行を検討中
・デジタル商材では、フリーミアムの導入で顧客ベースを一気に増大させ、将来の従量課金で収益拡大につなげる
・デジタルマーケティング関連事業は先行投資の時期。ITインフラ関連事業の収益回復で補い黒字確保へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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