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エイジア Research Memo(4):主力の「WEBCAS e-mail」を中心に好調続く

注目トピックス 日本株
■エイジア<2352>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) アプリケーション事業
アプリケーション事業の売上高は前期比16.8%増の1,125百万円、セグメント利益は同16.0%増の524百万円となった。EC市場の拡大を背景に、インターネットを活用した販促・マーケティング活動の重要性が増すなかで、主力の「WEBCAS e-mail」を中心に需要が拡大した。売上高の内訳を見ると、クラウドサービスが前期比16.8%増の769百万円と順調に拡大したほか、ライセンス販売も同30.4%増の180百万円と増加した。下期に大型案件の受注を獲得したことが増収要因となった。また、ライセンス保守・その他は同5.5%増の174百万円と堅調な推移となった。セグメント利益率が前期の46.9%から46.6%と若干低下したが、これはライセンス販売の売上構成比が上昇したことやクラウド版でも開発工数がかかるSaaS型の受注が増加したことが要因となっている。

また、2017年3月期は10本の新製品をリリースする目標を立てていたが、結果的には「WEBCAS AR Ver.1」(2016年6月)「WEBCAS Sense Analyzer」(同年6月)「WEBCAS e-mail API拡張版」(2017年1月)、「WEBCAS AR Ver.2(簡易版)」(同年3月)の4本のリリースにとどまった。大型のカスタム案件が集中し、開発エンジニアの多くがその対応に振り向けられたことが要因となっている。なお、期待の新製品「WEBCAS AR Ver.1」については、引き合いは多かったものの、当初の販売計画には至っていない。当初はシステム導入が簡単に進むというコンセプトで開発したが、想定以上に導入にかかる工程数が多くなることが判明し、受注活動を控えめに製品改良する方針に転換したためだ。このため同製品に関わるソフトウェア資産についても減損処理を実施した。現在は、簡易版となるVer.2の受注活動を行っているほか、Ver.1の改良版となるVer.3を2018年3月にリリースすべく、開発を進めている段階にある。

新製品として順調だったのは「WEBCAS e-mail API拡張版」で、1月のリリース以降、既存のAPIユーザーからの切り替えがあるほか、新規顧客の獲得も数件獲得している。新規顧客の中では自社で導入しているCRMシステムの中でe-mail配信システムの性能を上げたいというニーズが強く、同機能だけを同社製に切り替えるケースが多い。2017年1月発売のため業績寄与は2018年3月期になる。

(2) コンサルティング事業
主に子会社のFUCAが担うコンサルティング事業の売上高は前期比22.9%増の182百万円、セグメント損失は1.9百万円(前期は4.7百万円の利益)となった。のれん費用2.5百万円が控除されているため損失となっているが、実質的には若干ながら黒字を維持している。

売上高の増収要因は、FUCAにて大型Web制作案件を受注したことでデザイン業務の売上高が前期比35百万円増加したことが寄与した。コンサルティング業務については前期比1百万円減となった。利益面では、コンサルティング業務を含めた営業体制の強化による人件費増が減益要因となった。

(3) オーダーメイド開発事業
オーダーメイド開発事業の売上高は前期比33.3%減の22百万円と減少したものの、セグメント利益は同306.3%増の8百万円と増益となった。売上高については社内の開発リソースを自社製品の開発に充てるため、新規受注を積極的に行わなかったことで減収となったが、従来の利益率の高い案件を継続して行ったことが増益要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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