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エイジア Research Memo(8):「WEBCAS AR」は2020年3月期以降の本格成長を見込む

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

3. 「WEBCAS AR」の見通しについて
「WEBCAS AR」についてはVer.3を2018年3月頃にリリースする予定で、今回、製品改良を余儀なくされたことから、AI機能を実装したVer.4についてはリリース時期が2019年3月期と、当初計画よりも1年遅れることとなった。エイジア<2352>ではAI機能を実装した製品で本格的な売上拡大を期待していたため、2020年3月期までの売上計画を今回見直している。2018年3月期については簡易版となるVer.2の販売のみとなる。当初よりも開発スケジュールが遅れたことで競合他社から出遅れる格好となったが、同社は今後、AI技術を実装し製品の競争力を強化することで、挽回することは可能と見ている。

資本業務提携先であるメタデータ(株)のテキストマイニング技術を搭載し、チャットボットとして活用するだけでなく、ディープラーニング技術の搭載による商品レコメンド機能、画像解析技術の搭載による店舗における来店客の導線分析・属性分析機能などを加えることで、製品の競争力を一段と強化していく予定となっている。なお、こうした先進技術については、そのノウハウを持つ企業と提携を進めながら取り入れていく方針となっている。現状「WEBCAS AR」の顧客ターゲットはEC事業者のみとなっているが、これらAI技術を取り入れることでリアル店舗を持つ流通企業までターゲットが拡大していく可能性があり、2021年3月期以降の本格成長が期待される。

マーケティングオートメーションシステムとは、企業が行うデジタルマーケティング戦略の中で、顧客(見込み客含む)の属性や行動データなどを一元管理し、多様なコミュニケーションチャネル(DM、メール、LINE等)の中から最適なコミュニケーションツールを使って、個々の顧客に対して行うプロモーション活動を自動化するツールのことを指す。従来は、マーケティング担当者が属人的にデジタルプロモーションを行ってきたため、業務が煩雑となり生産性の向上が課題となっていたが、マーケティングオートメーションツールを導入することで、生産性を大幅に向上することが可能となる。米国では2010年以降市場が立ち上がり、日本でも2014年に入って日本オラクル<4716>や(株)セールスフォース・ドットコム、IBM(日本アイ・ビー・エム(株))などがサービスの提供を開始し、市場が立ち上がり始めている。市場調査会社の予測によれば、同市場は2015年(見込)の272億円から2020年には559億円まで拡大する見通しとなっている。

ここ数年、参入企業も増加し競争が激化してきてはいるものの、同社では電子メール配信ベンダー大手としての強みを生かすことでシェアを拡大していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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