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テクマト Research Memo(1):情報インフラの構築とアプリケーション・サービスを展開

注目トピックス 日本株
■要約

1. 情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業の2事業領域
テクマトリックス<3762>は、ニチメン(株)(現・双日<2768>)の営業部門の戦略子会社として設立されたニチメンデータシステム株式会社が前身である。そして、商社のノウハウである“目利き力”及び“マーケティング力”、レベルの高い“ビジネスオペレーション力”を生かして事業展開を行ってきている。現在の事業領域は、「情報基盤事業」と「アプリケーション・サービス事業」の2つのセグメントで構成される。

2. 2017年3月期連結決算
同社は2017年5月9日、2017年3月期の連結決算を発表した。売上高は21,996百万円で前期比5.1%増、営業利益は1,643百万円で同19.0%増、経常利益は1,626百万円で同14.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益は1,018百万円で同22.8%増であった。いずれの指標も期初計画値からはわずかに下回ったが、過去最高値を更新した。2016年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画「TMX3.0」の目標に対して、初年度の2016年3月期に上振れ達成したのに続き、2年目もおおむね順調な決算となった。

情報インフラ構築の情報基盤事業は負荷分散装置の販売が頭打ちになるも、サイバー攻撃対策などのセキュリティ需要の旺盛な伸びによってセキュリティ対策製品やセキュリティ監視サービス、ストレージ製品の好調などで売上高は前期比6.5%増、営業利益は同21.0%増であった。大手システム・インテグレーターとの協業で開拓してきた大型案件の需要は落ち着きつつあるが、中規模案件の需要は継続している。また、官公庁、自治体、民間での在宅勤務の拡がりにより、個人認証システムの販売が好調である。

アプリケーション・サービス事業は、おおむね各分野とも売上高は前期並み以上を確保し、前期比2.5%増であった。特に医療分野では、医療情報クラウド「NOBORI」の第1四半期での受注遅れで売上タイミングがずれたことなどが影響して苦戦したが、第3四半期以降は単月ベースで黒字化、通期でも黒字化を達成した。インターネットサービス分野で、既存顧客から受託開発案件が一部減少したこと、新規クラウドサービスへの投資がかさみ採算面でやや苦戦したことなどもあるが、アプリケーション・サービス事業全体では、営業利益でも同9.9%増となった。

2018年3月期通期連結業績予想は、売上高が前期比9.1%増の24,000百万円、営業利益が同21.7%増の2,000 百万円、経常利益が同35.2%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.5%増の1,400百万円としている。2017年3月期に続き、売上高、利益各指標とも、さらに過去最高を更新する予想である。情報セキュリティ関連で大型案件受注が続けば中期経営計画最終年度目標値の達成もあり得る。

3. 中期経営計画
同社が2015年3月期に発表した中期経営計画「TMX3.0」では、3ヶ年計画の基本方針として「従来のIT産業の労働集約的なビジネスから脱却し、自らITサービスを創造し、ITサービスを提供する『次世代のITサービスクリエーター』、『次世代のITサービスプロバイダー』への変貌を継続する」としている。2018年度3月期がその最終年度となる。数値目標としては、1)年率売上高成長率10%、2)事業規模(売上高)を250億円〜300億円、3)ストック比率50%超の実現、4)売上高営業利益率10%への挑戦、の4指標を掲げている。事業戦略、オペレーション戦略の個々の施策はおおむね順調に進捗しており、最終年度での結果、さらには次の3ヶ年の中期経営計画への発展が期待される。

■Key Points
・2017年3月期実績は、期初計画値は若干未達も、売上高・利益ともに過去最高値を更新
・情報セキュリティ関連の旺盛な市場需要が追い風、医療分野は黒字化達成
・18年3月期は中期経営計画最終年度、AIを活用した新規サービス開発などに注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



<NB>

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