テクマト Research Memo(6):2018年3月期通期予想も増収増益、過去最高値の更新を計画
[17/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
● 2018年3月期の通期業績見通し
テクマトリックス<3762>の2018年3月期通期連結業績予想は、売上高が前期比9.1%増の24,000百万円、営業利益が同21.7%増の2,000百万円、経常利益が同35.2%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.5%増の1,400百万円としている。2017年3月期に続き、売上高、利益各指標とも、さらに過去最高を更新する予想である。中期経営計画「TMX3.0」の当初目標と比較すると、売上高は95.6%、営業利益は85.1%の達成率となるが、同社では、全体的なトレンドとして数値目標についてのギャップはあるものの、当面の世界経済の不透明感もあり、足元の事業状況からみた現実的な予算値であるとしている。
同社は今後の展望として、標的型攻撃による大規模な情報漏えい事故が契機となった2016 年4 月のサイバーセキュリティ基本法改正等により、官公庁・自治体のセキュリティ対策の強化が推進されており、政府・自治体が進める情報セキュリティ強靭化対策は今年秋頃まで継続するとしている。また、自治体向けに提供しているインターネット接続系ネットワークなどの外部から入手したファイルを自動的に無害化し、LGWAN 接続系ネットワークに無害化ファイルの受け渡しを可能とするソリューション(ファイル無害化自動連係ツール「Votiro Auto Suite for FileZen」)が文教系や金融機関からの引き合いが多く、今後この分野にも注力していく方針としている。一方、民間でも、経済産業省から2015 年12 月にサイバーセキュリティ経営ガイドラインが出され、セキュリティ対策は企業経営の重要事項となっており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃の増加も受けて、セキュリティ対策需要は当面続くとしている。また、民間・官公庁を問わず在宅勤務の要請が高まり、これに伴う個人認証システムの売上が伸びており、この傾向も当面続くと同社は見ている。
民間調査機関の調べでは、国内クラウドサービス市場規模は、2015年度1兆108億円から2020年度には3兆3,882億円と約3倍に急拡大するとの予想もある。また、セキュリティサービス・製品の国内市場規模は、2015年度の3,865億円から2020年度には4,871億円に拡大するとの予想もある。TMX3.0は現場からの数字の積み重ねで策定されており、堅実な内容と言える。さらに、主力事業における市場規模の高い伸びも加味した場合、TMX3.0の業績を達成するのは決して高すぎるハードルとは言えない。2018年3月期の業績は、TMX3.0に掲げられた数字を達成することも十分に可能だろう。
一方で、楽天<4755>から取得した金庫株の用途は将来のM&Aに活用することを基本方針としており、仮にTMX3.0の期間中にM&Aが実現すれば、最終年度となる2018年3月期の売上高は計画の251億円よりも増加し、300億円程度になる可能性もあるとしている。
また、配当に関しては、期末に1株当たり18円と、前期比3円の増配を実施する予定となっている。業績向上への自信の表れとも見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)
<NB>
● 2018年3月期の通期業績見通し
テクマトリックス<3762>の2018年3月期通期連結業績予想は、売上高が前期比9.1%増の24,000百万円、営業利益が同21.7%増の2,000百万円、経常利益が同35.2%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.5%増の1,400百万円としている。2017年3月期に続き、売上高、利益各指標とも、さらに過去最高を更新する予想である。中期経営計画「TMX3.0」の当初目標と比較すると、売上高は95.6%、営業利益は85.1%の達成率となるが、同社では、全体的なトレンドとして数値目標についてのギャップはあるものの、当面の世界経済の不透明感もあり、足元の事業状況からみた現実的な予算値であるとしている。
同社は今後の展望として、標的型攻撃による大規模な情報漏えい事故が契機となった2016 年4 月のサイバーセキュリティ基本法改正等により、官公庁・自治体のセキュリティ対策の強化が推進されており、政府・自治体が進める情報セキュリティ強靭化対策は今年秋頃まで継続するとしている。また、自治体向けに提供しているインターネット接続系ネットワークなどの外部から入手したファイルを自動的に無害化し、LGWAN 接続系ネットワークに無害化ファイルの受け渡しを可能とするソリューション(ファイル無害化自動連係ツール「Votiro Auto Suite for FileZen」)が文教系や金融機関からの引き合いが多く、今後この分野にも注力していく方針としている。一方、民間でも、経済産業省から2015 年12 月にサイバーセキュリティ経営ガイドラインが出され、セキュリティ対策は企業経営の重要事項となっており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃の増加も受けて、セキュリティ対策需要は当面続くとしている。また、民間・官公庁を問わず在宅勤務の要請が高まり、これに伴う個人認証システムの売上が伸びており、この傾向も当面続くと同社は見ている。
民間調査機関の調べでは、国内クラウドサービス市場規模は、2015年度1兆108億円から2020年度には3兆3,882億円と約3倍に急拡大するとの予想もある。また、セキュリティサービス・製品の国内市場規模は、2015年度の3,865億円から2020年度には4,871億円に拡大するとの予想もある。TMX3.0は現場からの数字の積み重ねで策定されており、堅実な内容と言える。さらに、主力事業における市場規模の高い伸びも加味した場合、TMX3.0の業績を達成するのは決して高すぎるハードルとは言えない。2018年3月期の業績は、TMX3.0に掲げられた数字を達成することも十分に可能だろう。
一方で、楽天<4755>から取得した金庫株の用途は将来のM&Aに活用することを基本方針としており、仮にTMX3.0の期間中にM&Aが実現すれば、最終年度となる2018年3月期の売上高は計画の251億円よりも増加し、300億円程度になる可能性もあるとしている。
また、配当に関しては、期末に1株当たり18円と、前期比3円の増配を実施する予定となっている。業績向上への自信の表れとも見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)
<NB>