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ワイヤレスG Research Memo(3):産業用IoT市場への展開により、BtoB事業が今後の収益けん引役となる

注目トピックス 日本株
■中期経営計画について

1. 中期経営計画の概要
ワイヤレスゲート<9419>は、2017年2月に中期経営計画「ワイヤレスゲート2020年ビジョン 中期経営計画」を発表した。安定収益事業であるBtoC事業(ワイヤレス・ブロードバンド事業)を堅持しつつ、今後は成長事業であるBtoB事業(ワイヤレス・ビジネスドメイン事業)に経営資源を集中投資していく方針を打ち出した。2020年12月期の経営数値目標としては売上高150〜200億円規模(2016年12月期実績比約23〜63%成長)、営業利益20〜30億円規模(同約60〜140%成長)、営業利益率13〜15%程度(2016年12月期実績10.2%)を掲げている。

2. 事業戦略
(1) BtoC事業
現在の主力事業であるBtoC事業に関しては、市場規模の拡大とともに競争も一段と激化し、同社においては2016年後半に携帯電話事業者の料金プラン変更の影響もあり契約獲得件数が一時的に前年を下回る状況となったが、今後も収益水準は堅持していく方針となっている。

今後の取り組み施策としては、Wi-Fiインフラ強化による利便性向上や顧客ニーズに合わせた通信サービスプランの提供、通信サービスと親和性の高い周辺商材のセット販売などに注力していく。モバイル通信サービスは動画コンテンツの普及に伴いデータ送受信量が拡大傾向にあり、月額20GBを超えるヘビーユーザーの数も増加している。同社ではこうしたヘビーユーザー向けを中心に割安感の出る通信サービスプランを提供し、契約件数の維持向上に努めていく。

(2) BtoB事業
BtoB事業については、訪日外国人の増加によるフリーWi-Fi環境の構築について今後も、企業や地方公共団体等と協業して取り組んでいくほか、新たに成長産業として関心が高まっているIoT領域への展開を進めていく方針となっている。インターネットを介して様々なモノをつなぐことで、様々な機器やサービスの利便性が向上するほか、エネルギー消費効率の向上にも寄与すると言われており、ここ1〜2年で大企業からベンチャー企業までこぞってIoTソリューション領域へ参入してきている。こうしたなかで、同社は「LTE over Wi-Fi」技術を用いて産業用IoT領域において、低コストかつセキュアで高速大容量な無線通信サービスを子会社のLTE-Xを通じて提供していく計画となっている。

2017年4月から、導入を検討する企業やSler、事業提携を希望する企業向けに検証用キットの販売を開始している。検証にはさほど時間は要しないため、早ければ2017年内にも具体的な成果が出始めるものと期待される。既に、パートナー契約を結んだ企業としては、SlerのNECネッツエスアイ<1973>、(株)ハタプロ、レンジャーシステムズ(株)の3社となっている。また、プラットフォームとしてはMicrosoftの「Azure IoT Suite」やIBMの「Watson IoT」を利用していくことになる。なお、顧客ターゲットとしてはセキュリティ対策が重要視される社会インフラ関連施設のほか病院やセキュリティ、物流分野などを想定している。ビジネスモデルとしてはプラットフォーム構築に伴う機器販売収入、及び月額のサービス利用料を獲得していくことになる。同社では将来的に関連ビジネスで売上高1,000億円、営業利益で100億円程度の成長ポテンシャルがあると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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