ダイコク電 Research Memo(8):2020年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進、組織変更を実施
[17/07/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
ダイコク電機<6430>は、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Next50第一章」を推進している。中計2年目となる2018年3月期は、激変する環境変化へ対応するため、社長交代を含む新体制へ移行するとともに、収益構造の強化に向けた組織変更を行った。ただ、計数目標や大きな方向性に変更はない。中期的には市場環境が緩やかに回復に向かうとの想定のもと、市場変化への対応(よりゲーム性を重視したファンの獲得)やパチンコホール経営の変革(データ分析に基づく戦略的な経営判断)に貢献するための事業基盤の強化に取り組む内容となっている。特に、これまで積極的な開発を行ってきた次世代ホールコンピュータ(周辺機器を含む)によるシェア拡大のほか、データ分析力や企画開発力を生かした新たな価値の創出により、成長力及び収益力の向上を実現する方針である。
最終年度である2020年3月期の目標として、売上高570億円、営業利益40億円(営業利益率7%)、ROE7%以上を掲げるとともに、投資計画も研究開発費100億円(累計)、設備投資40億円(累計)、減価償却費50億円(累計)と高い水準を維持する計画であり、更なる成長に向けた先行費用をこなしながら利益率の向上を目指すシナリオとなっている。
弊社では、パチンコ・パチスロ業界について、「回収・撤去」の影響がどこまで続くのか、新たな課題となっている「依存症(のめり込み)対策」がどの程度の影響を及ぼすのかなど、先行き不透明感が残るものの、周辺機器を含めた次世代ホールコンピュータに積極的な開発を行ってきた同社には大きなアドバンテージがあるものとみている。開発の目玉となってきた次世代ホールコンピュータについては、「依存症(のめり込み)対策」への対応や市場環境の動向を見極めながら市場投入のタイミングを探る展開となりそうであるが、それに先立って周辺機器を順次リリースする方針であり、たとえ、市場が縮小傾向をたどったとしても、付加価値の高い次世代製品群の本格稼働により既存店向けの入替需要を取り込みながら、持続的な成長を実現することは可能であると評価している。また、パチンコホールも資本力のあるところを中心に勝ち残り、2極化がさらに進む可能性が高く、そうなってくれば次世代ホールコンピュータによる囲い込みや市場シェアの向上を目指す同社にとってプラスに働くものとみている。
また、自社開発パチスロ遊技機についても、既存メーカーと比べて1機種に十分な開発費用や時間をかけることができることや、データ分析力を活かした魅力あるゲーム性の追求という点において、同社の優位性が発揮される余地は十分にある。ただ、既存市場のシェアを奪うというよりは、同社ならではの独自の価値創造により、アニメファンなどの新しいターゲット層を取り込むことで、市場全体を活性化させるところにこそ成功のカギがあると判断している。
外部環境の影響を受けやすい売上高の伸びについては、しばらくは慎重に判断する必要があると捉えているが、次世代製品群の本格稼働やMGサービスの拡大などによる収益性の向上に注目している。また、中長期的な目線で言えば、今の厳しい状況は、よりゲーム性を重視した遊び方への変化やパチンコホールの再編を促進することによって、同社の優位性をさらに発揮できるステージへと近づくためのプロセスとも言える。今後も、中長期的視点から、圧倒的なポジショニングを活かした同社自身の成長期待に加えて、業界全体の活性化に向けた取り組みに注目していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<MW>
ダイコク電機<6430>は、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Next50第一章」を推進している。中計2年目となる2018年3月期は、激変する環境変化へ対応するため、社長交代を含む新体制へ移行するとともに、収益構造の強化に向けた組織変更を行った。ただ、計数目標や大きな方向性に変更はない。中期的には市場環境が緩やかに回復に向かうとの想定のもと、市場変化への対応(よりゲーム性を重視したファンの獲得)やパチンコホール経営の変革(データ分析に基づく戦略的な経営判断)に貢献するための事業基盤の強化に取り組む内容となっている。特に、これまで積極的な開発を行ってきた次世代ホールコンピュータ(周辺機器を含む)によるシェア拡大のほか、データ分析力や企画開発力を生かした新たな価値の創出により、成長力及び収益力の向上を実現する方針である。
最終年度である2020年3月期の目標として、売上高570億円、営業利益40億円(営業利益率7%)、ROE7%以上を掲げるとともに、投資計画も研究開発費100億円(累計)、設備投資40億円(累計)、減価償却費50億円(累計)と高い水準を維持する計画であり、更なる成長に向けた先行費用をこなしながら利益率の向上を目指すシナリオとなっている。
弊社では、パチンコ・パチスロ業界について、「回収・撤去」の影響がどこまで続くのか、新たな課題となっている「依存症(のめり込み)対策」がどの程度の影響を及ぼすのかなど、先行き不透明感が残るものの、周辺機器を含めた次世代ホールコンピュータに積極的な開発を行ってきた同社には大きなアドバンテージがあるものとみている。開発の目玉となってきた次世代ホールコンピュータについては、「依存症(のめり込み)対策」への対応や市場環境の動向を見極めながら市場投入のタイミングを探る展開となりそうであるが、それに先立って周辺機器を順次リリースする方針であり、たとえ、市場が縮小傾向をたどったとしても、付加価値の高い次世代製品群の本格稼働により既存店向けの入替需要を取り込みながら、持続的な成長を実現することは可能であると評価している。また、パチンコホールも資本力のあるところを中心に勝ち残り、2極化がさらに進む可能性が高く、そうなってくれば次世代ホールコンピュータによる囲い込みや市場シェアの向上を目指す同社にとってプラスに働くものとみている。
また、自社開発パチスロ遊技機についても、既存メーカーと比べて1機種に十分な開発費用や時間をかけることができることや、データ分析力を活かした魅力あるゲーム性の追求という点において、同社の優位性が発揮される余地は十分にある。ただ、既存市場のシェアを奪うというよりは、同社ならではの独自の価値創造により、アニメファンなどの新しいターゲット層を取り込むことで、市場全体を活性化させるところにこそ成功のカギがあると判断している。
外部環境の影響を受けやすい売上高の伸びについては、しばらくは慎重に判断する必要があると捉えているが、次世代製品群の本格稼働やMGサービスの拡大などによる収益性の向上に注目している。また、中長期的な目線で言えば、今の厳しい状況は、よりゲーム性を重視した遊び方への変化やパチンコホールの再編を促進することによって、同社の優位性をさらに発揮できるステージへと近づくためのプロセスとも言える。今後も、中長期的視点から、圧倒的なポジショニングを活かした同社自身の成長期待に加えて、業界全体の活性化に向けた取り組みに注目していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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