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CDG Research Memo(6):自動車業界向けが引き続きけん引、デジタルプロモーションの新サービスの提供を開始

注目トピックス 日本株
■CDG<2487>の今後の見通し

2. 業種別売上見通しと新サービスについて
今期の業種別売上高では、主力の自動車業界向けで続伸が見込まれている。プロモーショングッズ制作の1次請け事業者となった主要顧客においてメイン車種のモデルチェンジが予定されており、地域主導案件も含めて取扱量の更なる拡大が予想されるためだ。また、今期は新規顧客開拓のため広島に事業拠点を開設する可能性もある。

また、薬品・医療用品についてはプロモーショングッズの販売がなくなったものの、リパック業務のほか調剤薬局における電子薬歴システムを使ったセールスプロモーションサービスの伸びが見込まれている。同サービスは電子薬歴システムの画面に、ポップアップで「服薬アドヒアランス※」情報を表示することで、患者に対して適正な服薬を継続させる仕組みとなっており、製薬メーカーの販促ツールの1つとなっている。

※アドヒアランス…治療方針の決定について患者自身が積極的に参加し、その決定に沿って治療を受けること。患者が主体的に治療の意味・意義を理解し、正しく服薬することで治療効果の向上が期待できる。


薬局向けにマーケティング支援事業を行う(株)サンクスネットと業務提携し、「服薬アドヒアランス」情報を表示するプログラムを開発、2013年4月より契約先の調剤薬局に「服薬アドヒアランス」の情報配信を開始、2016年3月時点で配信先薬局数は約8,000店舗まで拡大している。顧客は外資系製薬企業が中心で2017年3月期に1社増加し合計4社となっている。売上規模は年間2〜3億円規模となっているが、今後も導入店舗数が拡大していけば、マーケティングツールとしての重要性も高まり、顧客数の増加とともに売上高も増加するものと見ている。なお、同システムについてはサンクスネットを含めて大手3社で市場の約6割のシェアを押えていると見られる。

前期に大きく伸長したファッション・アクセサリー業界向けでは、ユニクロから5月の大型キャンペーンの受注を獲得しており、今期も年2回の大型キャンペーンの受注獲得を目指している。また、大型キャンペーンとは別に店舗ごとにスポット的にプロモーショングッズを使いたいというニーズもあり、こうしたニーズを一括して取り扱える受発注システムを構築することで、更なる受注拡大を狙っている。顧客側から見れば、従来は店舗ごとに小ロットでプロモーショングッズを発注していたため非効率となっていたが、同社のプラットフォームを利用することで、コストや納期などを含め効率的なプロモーション施策を行えるといったメリットが出てくる。

不動産・住宅業界向けでは、大東建託向けの特需がなくなるものの、リアルとデジタルを融合したプロモーション提案力が評価されており、既存顧客での売上深耕を図ることで特需のマイナス分をカバーしていく考えだ。同様に、情報通信業界向けでも大手携帯3社の販促費抑制施策が続いているものの、格安スマートフォン事業者向けの受注拡大で挽回する方針。前期に減収となった化粧品・トイレタリー業界向けについては大企業向けでの受注獲得競争が激しいことから、顧客ターゲットを中堅企業に切り替え受注獲得を進めていく。

また、食品や飲料業界向けではリアルのプロモーション施策だけでなく、2017年2月よりサービスを開始した「SPコネクト」の受注拡大が期待される。「SPコネクト」とは、LINEビジネスコネクトを使った販促キャンペーン運用システムのことで同社が開発したサービスとなる。新商品の販売キャンペーン等において応募から当落通知まですべてを、スマートフォンを使ってLINE上でQRコードを読み込むだけで完結できる仕組みとなっている。従来はハガキや一部オンラインを使用してキャンペーンに応募するため手続きに時間がかかっていたが、同システムを利用すれば瞬時に当落が判明するため高い応募率が期待できる。また、LINE内の顧客属性等の分析も行うことが可能となり、キャンペーンの効果測定も従来と比較して高精度で行えるようになり、次回のキャンペーン告知や商品提案などの個別配信も可能となるなど、顧客企業にとっては高い販促効果が期待できるサービスとなっている。既に、4月にネスレ日本(株)から初受注を獲得しており、今後も受注件数の増加が期待される。

そのほか、今期は新サービスとして販促キャンペーンの効果的な告知と集客を目的とした動画広告の制作及びSNSへの配信サービス「プロプラ」の提供を5月より開始している。オンライン広告において動画広告は訴求力が高く、ここ数年で企業の販促キャンペーンにおいても動画広告を利用したいと言うニーズが増えてきたことを受け、同サービスの提供を開始した。動画広告の制作はディレクション機能を除いて外注先に委託するが、キャンペーンの企画・運営とワンストップで提供し、トータルプロデュースすることで動画広告の実施を低コストかつ短納期でサポートすることを実現可能としている。既に第1号案件として、セブン銀行<8410>が「ニコニコ超会議2017」に出展した際の告知広告を受注し、Twitterを通じて配信された。今後も企業の動画広告を使った販促キャンペーンのニーズを取り込みながら受注を拡大していくことが期待される。

なお、同社では売上拡大を推進していくため2017年4月より営業組織体制を機能別に4つの組織体制に変更している。1つ目は、店舗での販促キャンペーンやSNSを使ったキャンペーンなど様々なサービスを複合的に組み合わせてソリューション提案を行っていく営業部隊、2つ目は、全国規模で多数の店舗を持つ顧客向けに店舗ごとの細かなプロモーショングッズの制作ニーズに対応するための受発注システムを構築・提案していく営業部隊、3つ目に業界特化型の営業部隊、4つ目に新規事業開発のための営業部隊となる。機能別に営業部隊を分けることで、顧客ニーズに合わせた営業提案が可能となり、1顧客当たりの売上拡大につなげていきたい考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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