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日本再生可能エネルギーインフラ投資法人 Research Memo(7):分配金利回りの安定的な高さが魅力

注目トピックス 日本株
■ベンチマーキング

日本再生可能エネルギーインフラ投資法人<9283>は投資主還元策として年2回、半年毎に高水準の分配金の支払いを予定している。予想分配金は2017年7月期(第1期)が356円(2017年7月7日の終値85,600円に基づく分配金利回りは年換算で0.83%)、2018年1月期(第2期)が3,095円(同7.23%)、2018年7月期(第3期)が3,046円(同7.12%)である。第1期は上場費用の負担から当期純利益が抑えられるものの、第2期からは特殊要因がなくなることから当期純利益が大幅に増え、分配金が増加する見通しだ。

同投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払い等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、同投資法人が妥当と考える現預金を留保した残額を、原則として全額、毎計算期間分配する方針とし、このうち、利益の額を超える額は、利益を超えた金銭の分配(利益超過分配金、すなわち出資の払戻し)として分配する予定である。

今後の再生可能エネルギー発電設備等の取得もしくは売却、インフラ市場等の推移、金利の変動、実際に決定される新投資口の発行数、今後の更なる新投資口の発行、または同投資法人を取り巻くその他の状況の変化等により、実際の分配金は変動する可能性がある。ただ、同投資法人では、1)FITにより将来にわたり電力買取価格が固定化されていること、2)スポンサーとの倒産隔離を行っていること、3)日照不足のため予想より発電量が少なく、収益が予想を下回る事態に備えて十分な積立を行っていること(分配金準備制度)等から、長期的に安定的な分配金を産み出す仕組みを確立していると言える。

同投資法人では、オペレーターSPCがオペレーター兼スポンサー(リニューアブル・ジャパン)から倒産隔離されており、スポンサーが万一の場合にも発電や分配金支払い等に影響がない仕組みにしている。一方、タカラレーベン・インフラ投資法人<9281>では2017年7月7日現在、2017年11月期予想分配金利回りは年換算で6.84%であるが、倒産隔離の仕組みがない。同じく、いちごグリーンインフラ投資法人<9282>も2018年6月期予想利回り7.48%であるが、一部発電所について倒産隔離がない。先行上場した2投資法人の場合は、スポンサーが倒産した場合に投資家に予想どおりの分配金が支払えないリスクを抱えている。

また、同投資法人では、分配金の原資はオペレーターが電力会社から受け取る売電料である。極度の日照不足により想定どおりの売電料が得られない場合、同投資法人が受け取る賃料が滞るのではとの懸念があるが、同投資法人ではオペレーターに賃料準備金として、3ヶ月分を超える賃料相当額を積み立てさせている。この積立金によって、仮に100年に1度という極度な日照不足が25ヶ月続いても、投資法人に対する賃料支払いが滞らない仕組みになっており、同投資法人は将来にわたり安定的に分配金を支払うことが可能である。

以上から、今後も低金利環境が続くと予想されるなかで、現在2%弱の上場株式の配当利回り(2017年5月末の東証1部加重平均利回り1.92%)、3%台後半のJ-REIT、7%程度の新興国ハイ・イールド債などの他の金融商品の利回りに比べても、同投資法人は魅力的な水準の分配金利回りを提供できると弊社では考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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