シャノン Research Memo(7):パートナー戦略の推進により、顧客獲得ペースが加速化する見通し
[17/07/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 新パートナープログラムと新機能の追加について
(1) 新パートナープログラム
シャノン<3976>ではMAサービスの更なる成長に向けた販売体制を整えるため、2017年6月に新パートナープログラムを発表した。「シャノンマーケティングプラットフォーム」の販売について、現在は直接販売が8割、間接販売が2割となっているが、間接販売の大半はEMサービスを取扱う広告代理店で占められており、MAサービスに関しては殆どが直接販売となっていた。新規顧客の早期獲得を進めていくために同社では、販売代理店の拡充を進めていく方針で、当面の間接販売比率としては3割を目標としている。6月末時点で10社の販売パートナーと契約しているが、現在も有力企業とパートナー契約の交渉を行っている段階にあり、今期中にあと数社とパートナー契約を締結する可能性がある。キャノンマーケティングジャパンのような大企業が大手代理店として加わることで、顧客開拓のスピードは今後、一気に加速することが期待される。
また、今回は新たに導入コンサルティングパートナー制度を創設した。従来は、自社で導入支援やコンサルティング、運用サポートなどを行ってきたが、繁忙期の人的リソースに柔軟性を持たせ、受注への対応力を向上させるために、これらの業務をパートナー企業に振り分けることで全体の収益率向上が期待できることなどが、同パートナー制度創設の背景にある。現在、6社とパートナー契約を結んでいるが、こうしたパートナーを活用することで、繁忙期においても受注を積極的に取りに行くことが可能となる。
コネクトパートナーとは、「シャノンマーケティングプラットフォーム」と連携可能な製品・サービスを持つ企業とのパートナー制度となる。既に12件の製品・サービスと連携しているが、今後も積極的にコネクトパートナーを増やして行く方針となっている。現在、連携している主な製品・サービスとしてはBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールのグローバルリーダーであるTableauのデータ分析ソリューション「Tableau」(2015年11月連携)や、営業支援ツール大手のソフトブレーン<4779>の「eセールスマネージャー」(同2016年9月)、グループウェアソフトの大手であるサイボウズ<4776>の業務アプリ作成ツール「kintone」(同2016年12月)などが挙げられる。このうち、「eセールスマネージャー」の顧客数は累計で4,000社を超え、「kintone」も6,000社を超えるなど、同社よりも顧客数が格段に多く顧客獲得機会の増大につながる取り組みとして注目される。
今回の新パートナープログラム導入の効果をまとめると、販売パートナーの増加に伴う販売チャネル・販売地域の拡大によって顧客数の増加ペースが加速化すること、導入コンサルティングパートナーとの連携によって、売上原価率の改善や人的リソースを気にせず営業活動を行えること、などが挙げられる。また、パートナー戦略によって人件費率の低減が見込まれるほか、当期のように人材の採用遅れによる契約件数の未達といった事業リスクも低減することになる。
(2) 新機能追加について
同社はMAツール開発の先駆者として、技術開発面で日本市場向けでは業界トップを走っており、常に新機能の開発・改良に取り組んでいる。毎年、大きなバージョンアップは3回程度実施しているが、今下期も、対競合における機能面での弱点補強、差別化要素の強化のため、新機能や既存機能のバージョンアップを予定している。
これらの追加機能によってサービス料金は若干上昇するものの、使い勝手が良くなることで既存顧客の平均売上単価の上昇と同時に新規顧客の獲得が期待される。なお、同社の開発費は年間で1.5〜2億円程度で推移しており、今後も横ばい水準を予定している。このため、2018年10月期以降の売上高に占める開発費率は低下し、営業利益率の上昇要因となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>
2. 新パートナープログラムと新機能の追加について
(1) 新パートナープログラム
シャノン<3976>ではMAサービスの更なる成長に向けた販売体制を整えるため、2017年6月に新パートナープログラムを発表した。「シャノンマーケティングプラットフォーム」の販売について、現在は直接販売が8割、間接販売が2割となっているが、間接販売の大半はEMサービスを取扱う広告代理店で占められており、MAサービスに関しては殆どが直接販売となっていた。新規顧客の早期獲得を進めていくために同社では、販売代理店の拡充を進めていく方針で、当面の間接販売比率としては3割を目標としている。6月末時点で10社の販売パートナーと契約しているが、現在も有力企業とパートナー契約の交渉を行っている段階にあり、今期中にあと数社とパートナー契約を締結する可能性がある。キャノンマーケティングジャパンのような大企業が大手代理店として加わることで、顧客開拓のスピードは今後、一気に加速することが期待される。
また、今回は新たに導入コンサルティングパートナー制度を創設した。従来は、自社で導入支援やコンサルティング、運用サポートなどを行ってきたが、繁忙期の人的リソースに柔軟性を持たせ、受注への対応力を向上させるために、これらの業務をパートナー企業に振り分けることで全体の収益率向上が期待できることなどが、同パートナー制度創設の背景にある。現在、6社とパートナー契約を結んでいるが、こうしたパートナーを活用することで、繁忙期においても受注を積極的に取りに行くことが可能となる。
コネクトパートナーとは、「シャノンマーケティングプラットフォーム」と連携可能な製品・サービスを持つ企業とのパートナー制度となる。既に12件の製品・サービスと連携しているが、今後も積極的にコネクトパートナーを増やして行く方針となっている。現在、連携している主な製品・サービスとしてはBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールのグローバルリーダーであるTableauのデータ分析ソリューション「Tableau」(2015年11月連携)や、営業支援ツール大手のソフトブレーン<4779>の「eセールスマネージャー」(同2016年9月)、グループウェアソフトの大手であるサイボウズ<4776>の業務アプリ作成ツール「kintone」(同2016年12月)などが挙げられる。このうち、「eセールスマネージャー」の顧客数は累計で4,000社を超え、「kintone」も6,000社を超えるなど、同社よりも顧客数が格段に多く顧客獲得機会の増大につながる取り組みとして注目される。
今回の新パートナープログラム導入の効果をまとめると、販売パートナーの増加に伴う販売チャネル・販売地域の拡大によって顧客数の増加ペースが加速化すること、導入コンサルティングパートナーとの連携によって、売上原価率の改善や人的リソースを気にせず営業活動を行えること、などが挙げられる。また、パートナー戦略によって人件費率の低減が見込まれるほか、当期のように人材の採用遅れによる契約件数の未達といった事業リスクも低減することになる。
(2) 新機能追加について
同社はMAツール開発の先駆者として、技術開発面で日本市場向けでは業界トップを走っており、常に新機能の開発・改良に取り組んでいる。毎年、大きなバージョンアップは3回程度実施しているが、今下期も、対競合における機能面での弱点補強、差別化要素の強化のため、新機能や既存機能のバージョンアップを予定している。
これらの追加機能によってサービス料金は若干上昇するものの、使い勝手が良くなることで既存顧客の平均売上単価の上昇と同時に新規顧客の獲得が期待される。なお、同社の開発費は年間で1.5〜2億円程度で推移しており、今後も横ばい水準を予定している。このため、2018年10月期以降の売上高に占める開発費率は低下し、営業利益率の上昇要因となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>