EMシステムズ Research Memo(5):2017年3月期は医科システム事業黒字化で過去最高業績達成
[17/07/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2017年3月期の業績概要
EMシステムズ<4820>の2017年3月期の業績は、売上高13,676百万円(前期比3.6%増)、営業利益2,597百万円(同39.5%増)、経常利益3,163百万円(同29.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,116百万円(同30.5%増)と、いずれも過去最高額を達成した。
大幅増益となったのは、調剤システム事業でのWindows Vistaのサポート切れに伴うハードウェアの入替や、医科システム事業においてMRNの販売増に加え課金売上が増加し、利益確保できたことで初の黒字化を達成したこと、全社における原価及び経費の継続的なコストダウンにより利益が増えたこと、等が大きな要因と考えられる。
2. 事業別概要
(1) 調剤システム事業及びその関連事業
サービス別に売上高を見ると、システム及びネットワークの売上高は、初期売上高4,812百万円(前期比4.7%増)及び課金売上高3,714百万円(同5.5%増)とともに堅調に推移したことにより、8,526百万円(同5.1%増)となった。それに伴い、サプライや保守サービスの売上高もそれぞれ順調に拡大したことで、調剤システム事業の売上高は11,122百万円(同5.2%増)、営業利益は2,644百万円(同30.6%増)と増収及び大幅増益を記録した。
増収となったのは、システム販売件数は計画に届かなかったものの、課金売上がユーザー数の増加に応じて増加したこと、ハードウェア入替や追加発注により初期売上が増加したこと、2017年1月に基本利用料を値下げしたが長期利用が促進され課金売上が増加したこと、サプライ販売も引き続き堅調だったこと、等が要因と考えられる。大幅増益については、継続的な原価及び経費の圧縮、事業部制導入による効果と考えられる。
(2) 医科システム事業及びその関連事業
売上高は1,670百万円(前期比0.8%減)、営業利益は17百万円(前期は222百万円の損失)となり、減収ではあるが大幅増益により黒字転換を果たした。減収の原因は「MRN (Medical Recepty NEXT)」に関しては昨年実績を上回ったが、「ユニメディカル」のリプレース対象案件が減少したためである。増益となったのは、課金売上高がユーザー数の増加により順調に推移したこと、調剤システム事業と同様に原価及び経費削減を継続的に行った効果が顕在化したことに加えて、事業部制導入による効果が挙げられる。サービス別の売上高の状況は、システム及びネットワーク売上高は、1,171百万円(同2.9%減)となり、サプライ、保守サービスの売上高もそれぞれ減少した。なお、システム及びネットワーク売上高のうち、ストック型の課金売上高は301百万円(同36.2%増)と順調に積み上がっている。
(3) その他の事業
その他の事業は、売上高982百万円(前期比8.4%減)、営業損失32百万円(前期は117百万円の利益)と減収減益となった。減収になったのは、子会社(株)ラソンテの事業再編※の影響に加えて、2016年4月の調剤報酬及び薬価改定によるマイナス影響を(株)ブリック薬局が受けたこと、介護システム事業の本格的な事業展開が遅れたことなどが要因である。一方、減益となったのは、介護システム事業参入に絡んだ投資コスト負担に加えて、調剤報酬及び薬価の改定の影響からブリック薬局が減益となったことや、(株)ラソンテも事業再編により減益を余儀なくされたことなどが要因である。
※本社ビルである新大阪ブリックビルにおけるヘルスケア産業事業の更なる展開(クリニックモールの医療情報連携モデル化)を図るため、(株)ラソンテが行っていた管理事業を同社本体へ移管した再編。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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1. 2017年3月期の業績概要
EMシステムズ<4820>の2017年3月期の業績は、売上高13,676百万円(前期比3.6%増)、営業利益2,597百万円(同39.5%増)、経常利益3,163百万円(同29.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,116百万円(同30.5%増)と、いずれも過去最高額を達成した。
大幅増益となったのは、調剤システム事業でのWindows Vistaのサポート切れに伴うハードウェアの入替や、医科システム事業においてMRNの販売増に加え課金売上が増加し、利益確保できたことで初の黒字化を達成したこと、全社における原価及び経費の継続的なコストダウンにより利益が増えたこと、等が大きな要因と考えられる。
2. 事業別概要
(1) 調剤システム事業及びその関連事業
サービス別に売上高を見ると、システム及びネットワークの売上高は、初期売上高4,812百万円(前期比4.7%増)及び課金売上高3,714百万円(同5.5%増)とともに堅調に推移したことにより、8,526百万円(同5.1%増)となった。それに伴い、サプライや保守サービスの売上高もそれぞれ順調に拡大したことで、調剤システム事業の売上高は11,122百万円(同5.2%増)、営業利益は2,644百万円(同30.6%増)と増収及び大幅増益を記録した。
増収となったのは、システム販売件数は計画に届かなかったものの、課金売上がユーザー数の増加に応じて増加したこと、ハードウェア入替や追加発注により初期売上が増加したこと、2017年1月に基本利用料を値下げしたが長期利用が促進され課金売上が増加したこと、サプライ販売も引き続き堅調だったこと、等が要因と考えられる。大幅増益については、継続的な原価及び経費の圧縮、事業部制導入による効果と考えられる。
(2) 医科システム事業及びその関連事業
売上高は1,670百万円(前期比0.8%減)、営業利益は17百万円(前期は222百万円の損失)となり、減収ではあるが大幅増益により黒字転換を果たした。減収の原因は「MRN (Medical Recepty NEXT)」に関しては昨年実績を上回ったが、「ユニメディカル」のリプレース対象案件が減少したためである。増益となったのは、課金売上高がユーザー数の増加により順調に推移したこと、調剤システム事業と同様に原価及び経費削減を継続的に行った効果が顕在化したことに加えて、事業部制導入による効果が挙げられる。サービス別の売上高の状況は、システム及びネットワーク売上高は、1,171百万円(同2.9%減)となり、サプライ、保守サービスの売上高もそれぞれ減少した。なお、システム及びネットワーク売上高のうち、ストック型の課金売上高は301百万円(同36.2%増)と順調に積み上がっている。
(3) その他の事業
その他の事業は、売上高982百万円(前期比8.4%減)、営業損失32百万円(前期は117百万円の利益)と減収減益となった。減収になったのは、子会社(株)ラソンテの事業再編※の影響に加えて、2016年4月の調剤報酬及び薬価改定によるマイナス影響を(株)ブリック薬局が受けたこと、介護システム事業の本格的な事業展開が遅れたことなどが要因である。一方、減益となったのは、介護システム事業参入に絡んだ投資コスト負担に加えて、調剤報酬及び薬価の改定の影響からブリック薬局が減益となったことや、(株)ラソンテも事業再編により減益を余儀なくされたことなどが要因である。
※本社ビルである新大阪ブリックビルにおけるヘルスケア産業事業の更なる展開(クリニックモールの医療情報連携モデル化)を図るため、(株)ラソンテが行っていた管理事業を同社本体へ移管した再編。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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