オーハシテク Research Memo(1):今後の成長を見据えた生産体制の構築を日本と米国で進める
[17/08/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
オーハシテクニカ<7628>は独立系の自動車部品メーカーで、約400社の日系自動車・車載機器メーカーにエンジン及びトランスミッション周辺部品、内外装部品など約2万点にわたる精密加工部品を納入している。グループ内製造子会社で対応する「ファクトリー機能」と、協力企業と協働で行う「ファブレス機能」を併せ持ち、品質やコストなど顧客ニーズに対応して最適な提案ができるコンサルティング力と、グローバルな供給体制を構築していることを強みとしている。こうした付加価値提案型のビジネスモデルによって、営業利益率は約10%と自動車部品業界の中でトップクラスの収益性を誇っている。
1. 2017年3月期は円高の影響で減収減益に
2017年3月期の連結業績は売上高で前期比6.2%減の37,513百万円、営業利益で同15.5%減の3,807百万円となった。日系自動車メーカーの生産は前期比微増で推移したものの、円高の影響により売上高で2,806百万円、営業利益で501百万円の減収減益要因となったことや、本社移転に伴う賃借料及び関連費用等が増加したことが主因だ。
2. 2018年3月期は若干の増収増益に転じる見通し
2018年3月期は売上高で前期比1.3%増の38,000百万円、営業利益で同1.1%増の3,850百万円と増収増益に転じる見通し。日系自動車メーカーの生産台数は前期比微増を前提に、主な地域別では国内が横ばい、中国向けが17.4%増、米州向けが1.2%減で見込んでいる。為替前提レートは108.00円/米ドル、16.00円/中国元と現状の水準からは円高で設定しているため、為替だけで見ると計画に対して上振れすることになる。米国の自動車販売台数の落ち込みが懸念材料ではあるものの、円安効果で吸収可能な範囲であり会社計画は達成可能と弊社では見ている。
3. 新工場を日本、米国で立ち上げる
同社は中期的な成長を見据えて、日本及び米国で新たな生産体制を構築する。国内では電動パワーステアリング(以下、EPS)用部品を生産する新工場(三重県鈴鹿市)を2017年2月に新設し、2018年3月期下期から量産を開始する予定となっている。同工場の稼働により製造子会社のオーハシ技研工業(株)の売上高は2017年3月期の約32億円から2022年3月期は約50億円まで拡大する見通し。また、主要調達先である(株)ナカヒョウと米国に製造子会社を2017年4月に合弁で設立(出資比率90%)。2017年秋を目途に量産体制を整備し、5年後には10億円規模の生産体制を構築する。ナカヒョウに対しては関係強化を目的に、2017年秋に株式を20%取得し、持分法適用関連会社とする予定。年間の利益は数千万円程度と見られるため、連結業績に与える影響は軽微と思われる。同社は今後も主要調達先企業との戦略的パートナーシップの強化を推進していく方針としている。
4. 配当性向30%を視野に、安定的な配当成長を目指す方針
配当に関しては従来、配当性向で20%以上を目安としてきたが、今後は30%の水準を視野に入れ安定的な配当成長を目指していく方針としている。2018年3月期の1株当たり配当金は、前期比2.0円増配の42.0円(配当性向25.0%)と6期連続の増配を予定している。また、株主優待では3月末と9月末に100株以上保有の株主に対しておこめ券を贈呈している。その他、自己株式の取得についても適時検討していく方針としている。
■Key Points
・付加価値提案営業と「ファクトリー&ファブレス」体制を強みとした独立系自動車部品メーカー
・中国向けがけん引役となり、2018年3月期は2期ぶりに増収増益に
・中期的に業界平均を上回る成長が続く見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>
1. 2017年3月期は円高の影響で減収減益に
2017年3月期の連結業績は売上高で前期比6.2%減の37,513百万円、営業利益で同15.5%減の3,807百万円となった。日系自動車メーカーの生産は前期比微増で推移したものの、円高の影響により売上高で2,806百万円、営業利益で501百万円の減収減益要因となったことや、本社移転に伴う賃借料及び関連費用等が増加したことが主因だ。
2. 2018年3月期は若干の増収増益に転じる見通し
2018年3月期は売上高で前期比1.3%増の38,000百万円、営業利益で同1.1%増の3,850百万円と増収増益に転じる見通し。日系自動車メーカーの生産台数は前期比微増を前提に、主な地域別では国内が横ばい、中国向けが17.4%増、米州向けが1.2%減で見込んでいる。為替前提レートは108.00円/米ドル、16.00円/中国元と現状の水準からは円高で設定しているため、為替だけで見ると計画に対して上振れすることになる。米国の自動車販売台数の落ち込みが懸念材料ではあるものの、円安効果で吸収可能な範囲であり会社計画は達成可能と弊社では見ている。
3. 新工場を日本、米国で立ち上げる
同社は中期的な成長を見据えて、日本及び米国で新たな生産体制を構築する。国内では電動パワーステアリング(以下、EPS)用部品を生産する新工場(三重県鈴鹿市)を2017年2月に新設し、2018年3月期下期から量産を開始する予定となっている。同工場の稼働により製造子会社のオーハシ技研工業(株)の売上高は2017年3月期の約32億円から2022年3月期は約50億円まで拡大する見通し。また、主要調達先である(株)ナカヒョウと米国に製造子会社を2017年4月に合弁で設立(出資比率90%)。2017年秋を目途に量産体制を整備し、5年後には10億円規模の生産体制を構築する。ナカヒョウに対しては関係強化を目的に、2017年秋に株式を20%取得し、持分法適用関連会社とする予定。年間の利益は数千万円程度と見られるため、連結業績に与える影響は軽微と思われる。同社は今後も主要調達先企業との戦略的パートナーシップの強化を推進していく方針としている。
4. 配当性向30%を視野に、安定的な配当成長を目指す方針
配当に関しては従来、配当性向で20%以上を目安としてきたが、今後は30%の水準を視野に入れ安定的な配当成長を目指していく方針としている。2018年3月期の1株当たり配当金は、前期比2.0円増配の42.0円(配当性向25.0%)と6期連続の増配を予定している。また、株主優待では3月末と9月末に100株以上保有の株主に対しておこめ券を贈呈している。その他、自己株式の取得についても適時検討していく方針としている。
■Key Points
・付加価値提案営業と「ファクトリー&ファブレス」体制を強みとした独立系自動車部品メーカー
・中国向けがけん引役となり、2018年3月期は2期ぶりに増収増益に
・中期的に業界平均を上回る成長が続く見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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