ラクオリア創薬 Research Memo(1):動物薬に続きヒト領域でも順調に開発が進捗。19/12期に黒字化の見通し
[17/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ラクオリア創薬<4579>はファイザー日本法人のファイザー(株)から中央研究所が独立してできた創薬研究開発型バイオベンチャー。一般的な医薬品メーカーとは異なり、新薬の種となる開発化合物を創出し、その技術・特許を医薬品メーカーにライセンスアウト(導出)することで収益を上げるというビジネスモデルだ。消化器領域、疼痛領域を得意としており、参入障壁が高いイオンチャネル創薬において優位性を有している点に強みを持つ。
1. すべての開発プログラムが順調に進捗中
2017年12月期第2四半期は、同社が導出した動物薬が米国で上市され、創業以来初のロイヤルティ収入を計上するに至った。これに続く別の動物薬や、ヒト領域医薬品の各種開発プログラムも順調に進捗中で、2017年12月期下期以降も同社の業績拡大に直結する重要なイベントが目白押しの状況にある。
2. 動物薬では2017年秋に第2弾の新薬販売開始。欧州での販売も2018年に開始予定
2017年1月に米国でGalliprant®が発売されたのに続き、2017年秋にはEntyce®が米国で発売される見通しだ。ともに、米国でのピーク年商は50億円規模が期待され、同社の収入のベースを形成する存在として注目される。これら2剤は欧州での販売に向けて準備が進められており、Galliprant®は2018年に、Entyce®は2019年にそれぞれ欧州での販売が見込まれる。
3. ヒト領域ではP-CABが韓国で2017年秋に新薬承認申請。国内向け導出に期待が高まる
ヒト領域では韓国CJヘルスケアがカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)について2017年秋に承認申請を計画している。順調にいけば2018年中に新薬が上市されることになる。P-CABはプロトンポンプ阻害薬(PPI)を置き換える存在として期待が高い新薬だが、日本及びグローバル(アジアを除く)では未導出となっている。CJヘルスケアの承認申請をきっかけに導出活動の進展が期待される。
4. ロイヤルティ収入の計上で事業収益の安定性が向上。2019年12月期に黒字化の見通し
これまで同社の収入はマイルストンや研究協力金、契約一時金など不定期のもので構成されていたが、動物薬の上市によりロイヤルティという安定収入が加わった。また前述のように、ヒト領域でも2018年以降P-CABやジプラシドンなど複数の医薬品の上市が予定されている。同社の事業収益は今後、厚みと安定性を年々増していくことになり、2019年12月期の黒字化は完全に視野に入ってきたと弊社では考えている。
■Key Points
・動物薬の販売がスタート。販売に伴うロイヤルティ収入を初めて計上
・Galliprant®に続き、犬用食欲不振改善薬Entyce®が2017年秋に米国で上市へ
・CJヘルスケアがP-CABを2017年秋に承認申請、2018年に新薬上市へ。中国での開発にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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ラクオリア創薬<4579>はファイザー日本法人のファイザー(株)から中央研究所が独立してできた創薬研究開発型バイオベンチャー。一般的な医薬品メーカーとは異なり、新薬の種となる開発化合物を創出し、その技術・特許を医薬品メーカーにライセンスアウト(導出)することで収益を上げるというビジネスモデルだ。消化器領域、疼痛領域を得意としており、参入障壁が高いイオンチャネル創薬において優位性を有している点に強みを持つ。
1. すべての開発プログラムが順調に進捗中
2017年12月期第2四半期は、同社が導出した動物薬が米国で上市され、創業以来初のロイヤルティ収入を計上するに至った。これに続く別の動物薬や、ヒト領域医薬品の各種開発プログラムも順調に進捗中で、2017年12月期下期以降も同社の業績拡大に直結する重要なイベントが目白押しの状況にある。
2. 動物薬では2017年秋に第2弾の新薬販売開始。欧州での販売も2018年に開始予定
2017年1月に米国でGalliprant®が発売されたのに続き、2017年秋にはEntyce®が米国で発売される見通しだ。ともに、米国でのピーク年商は50億円規模が期待され、同社の収入のベースを形成する存在として注目される。これら2剤は欧州での販売に向けて準備が進められており、Galliprant®は2018年に、Entyce®は2019年にそれぞれ欧州での販売が見込まれる。
3. ヒト領域ではP-CABが韓国で2017年秋に新薬承認申請。国内向け導出に期待が高まる
ヒト領域では韓国CJヘルスケアがカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)について2017年秋に承認申請を計画している。順調にいけば2018年中に新薬が上市されることになる。P-CABはプロトンポンプ阻害薬(PPI)を置き換える存在として期待が高い新薬だが、日本及びグローバル(アジアを除く)では未導出となっている。CJヘルスケアの承認申請をきっかけに導出活動の進展が期待される。
4. ロイヤルティ収入の計上で事業収益の安定性が向上。2019年12月期に黒字化の見通し
これまで同社の収入はマイルストンや研究協力金、契約一時金など不定期のもので構成されていたが、動物薬の上市によりロイヤルティという安定収入が加わった。また前述のように、ヒト領域でも2018年以降P-CABやジプラシドンなど複数の医薬品の上市が予定されている。同社の事業収益は今後、厚みと安定性を年々増していくことになり、2019年12月期の黒字化は完全に視野に入ってきたと弊社では考えている。
■Key Points
・動物薬の販売がスタート。販売に伴うロイヤルティ収入を初めて計上
・Galliprant®に続き、犬用食欲不振改善薬Entyce®が2017年秋に米国で上市へ
・CJヘルスケアがP-CABを2017年秋に承認申請、2018年に新薬上市へ。中国での開発にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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