ネクステージ Research Memo(1):中古車販売という成熟市場の中の高成長銘柄
[17/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ネクステージ<3186>は、愛知県名古屋市に本社を置く中古車販売の大手。2017年11月期に、売上高1,000億円突破を目指しており、2期連続して期初予想を上回る好業績を上げそうだ。2016年11月期までの3ヶ年CAGR(年平均成長率、連結ベース)は、売上高が29.9%、経常利益が25.3%であった。
1. 店舗戦略
中古車販売の最大の訴求力は販売価格であるため、低価格を実現するための効率経営、ローコスト・オペレーションを実現していた。ただし、価格競争に終始し体力を消耗する愚を避け、従来業務の車両と用品の販売、保険に整備・点検・車検及び買取を加えて、中古車ビジネスのバリューチェーンを網羅する水平展開で事業領域を拡大した。SUVに特化した、エッジの効いた「SUV LAND」は展示在庫が他店の3〜5倍と豊富で、圧倒的地域一番店の地位を築いた。「モノからコトへ」の消費者志向に適合した店舗づくりが、消費者の支持を得た。2015年8月にオープンした一号店の成功により、中型複合店の業態転換を前倒しで進めた。総合店は、「SUV LAND」同様、整備工場と買取店を併設する。1拠点当たりの機能を増やし顧客との生涯取引の頻度を上げ、カスタマーロイヤルティを高める店舗づくりに取り組んでいる。1拠点(面積)当たり事業機会を増やし、収益性と資産運用効率の両方を高めることで、ROAの改善に貢献している。2017年11月期は、総合店を倍増する。創業社長を始めとする経営陣の新業態を生み出す発想力と構想力、それを実現する若い現場力、一気呵成に展開する決断力と俊敏な実行力が、2016年11月期の好決算と2017年11月期の高伸長として結実している。
2. 2017年11月期第2四半期決算概況
2017年11月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比37.3%増、経常利益が同48.8%増と高伸長し過去最高益を達成した。期初予想比では、売上高で15.1%、経常利益で36.8%上回った。通期予想を据え置いた結果、今下期に業績が悪化することになるが、現時点で特段の悪材料があるわけではない。通期予想(前期比14.7%の増収、同15.0%の経常増益)は、早晩、上方修正される可能性が大きい。
3. 長期ビジョン
2017年11月期に売上高1,000億円突破が射程距離に入ったことから、次のステージでは2025年ビジョンで5,000億円、さらに2030年ビジョンで業界初の1兆円企業を目指す。同社の場合、高い目標を掲げることで、自己革新を行い、高成長を実現してきた。中古車市場は成熟しているため、他社のシェアを取って成長を図ることになる。同社の新しい店舗形態は、事業規模、資金力とマンパワー、店舗運営力が必要とされ、中小の同業他社が容易にまねることは難しい。
■Key Points
・2017年11月期第2四半期は、過去最高益を達成
・2017年11月期の通期予想は、期初予想を据え置いたため上方修正含みに
・自動車流通業界初の1兆円企業への挑戦
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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ネクステージ<3186>は、愛知県名古屋市に本社を置く中古車販売の大手。2017年11月期に、売上高1,000億円突破を目指しており、2期連続して期初予想を上回る好業績を上げそうだ。2016年11月期までの3ヶ年CAGR(年平均成長率、連結ベース)は、売上高が29.9%、経常利益が25.3%であった。
1. 店舗戦略
中古車販売の最大の訴求力は販売価格であるため、低価格を実現するための効率経営、ローコスト・オペレーションを実現していた。ただし、価格競争に終始し体力を消耗する愚を避け、従来業務の車両と用品の販売、保険に整備・点検・車検及び買取を加えて、中古車ビジネスのバリューチェーンを網羅する水平展開で事業領域を拡大した。SUVに特化した、エッジの効いた「SUV LAND」は展示在庫が他店の3〜5倍と豊富で、圧倒的地域一番店の地位を築いた。「モノからコトへ」の消費者志向に適合した店舗づくりが、消費者の支持を得た。2015年8月にオープンした一号店の成功により、中型複合店の業態転換を前倒しで進めた。総合店は、「SUV LAND」同様、整備工場と買取店を併設する。1拠点当たりの機能を増やし顧客との生涯取引の頻度を上げ、カスタマーロイヤルティを高める店舗づくりに取り組んでいる。1拠点(面積)当たり事業機会を増やし、収益性と資産運用効率の両方を高めることで、ROAの改善に貢献している。2017年11月期は、総合店を倍増する。創業社長を始めとする経営陣の新業態を生み出す発想力と構想力、それを実現する若い現場力、一気呵成に展開する決断力と俊敏な実行力が、2016年11月期の好決算と2017年11月期の高伸長として結実している。
2. 2017年11月期第2四半期決算概況
2017年11月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比37.3%増、経常利益が同48.8%増と高伸長し過去最高益を達成した。期初予想比では、売上高で15.1%、経常利益で36.8%上回った。通期予想を据え置いた結果、今下期に業績が悪化することになるが、現時点で特段の悪材料があるわけではない。通期予想(前期比14.7%の増収、同15.0%の経常増益)は、早晩、上方修正される可能性が大きい。
3. 長期ビジョン
2017年11月期に売上高1,000億円突破が射程距離に入ったことから、次のステージでは2025年ビジョンで5,000億円、さらに2030年ビジョンで業界初の1兆円企業を目指す。同社の場合、高い目標を掲げることで、自己革新を行い、高成長を実現してきた。中古車市場は成熟しているため、他社のシェアを取って成長を図ることになる。同社の新しい店舗形態は、事業規模、資金力とマンパワー、店舗運営力が必要とされ、中小の同業他社が容易にまねることは難しい。
■Key Points
・2017年11月期第2四半期は、過去最高益を達成
・2017年11月期の通期予想は、期初予想を据え置いたため上方修正含みに
・自動車流通業界初の1兆円企業への挑戦
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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