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テクノスJPN Research Memo(1):「スマートファクトリー」分野の強化により成長加速を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

テクノスジャパン<3666>は、ERP(基幹業務システム)導入支援を主力とするほか、第2の柱としてビッグデータ事業にも注力する独立系のICTシステムサービス企業である。質の高いコンサルティング力や技術力、独自テンプレートの活用などに強みがあり、SAPを軸としたERP導入支援では、製造業を中心に100社以上の実績を誇る。また、市場が拡大傾向にあるビッグデータ分野に関しては、ERPと連動したソリューションを提供することで差別化を図り、グループとして顧客企業のビッグデータ経営をコンサルティングから対応できる体制を構築している。

同社は、変化する市場への対応やビッグデータ事業の強化を図るため、2017年6月28日より経営体制を刷新した。豊富な実績を誇るERP事業と順調に立ち上がってきたビッグデータ事業の融合により、新たな成長フェーズに入ってきたと言える。

2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比27.3%増の5,956百万円、経常利益が同22.9%増の735百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益となり、過去最高の売上高、経常利益を更新した。主力のERP事業が好調に推移したことに加え、ビッグデータ事業の伸びが大幅な増収に寄与した。利益面でも、新たなERP周辺分野へのチャレンジが先行投資的に売上原価率の上昇を招いたもの、増収による利益の押し上げや販管費の抑制により増益を実現し、経常利益率も12.3%と高い水準を維持している。

2018年3月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比11.0%増の6,614百万円、経常利益を同10.9%増の815百万円と、引き続き2ケタの増収増益を見込んでいる。弊社でも、海外進出支援を含め、企業のERPやその周辺分野への投資ニーズが旺盛であること、AI及びIoTビジネスを中心にビッグデータ市場も拡大していることなど、好調な外部環境に加えて、同社の強み(独自テンプレートの活用等)や取り組みの成果(周辺分野への積極的な投資等)を十分に発揮できる状況にあることなどから、同社の業績予想の達成は可能であると判断している。

同社は、これからの成長軸として、「ERPビジネス」と「ビッグデータ」、「グローバル」の3つを掲げている。グループ各社及び提携先の強みを生かしたビジネスモデル構築により成長を加速する戦略であり、2021年3月期の連結売上高100億円(4年間の年平均成長率13.8%)を目指している。特に、今後の注力分野として位置付けているのは、市場拡大が予想されている「スマートファクトリー」分野である。同社の培ってきた生産管理業務ノウハウとAI技術のシナジー効果により、同社ならではの新たな価値創出に狙いがある。弊社でも、「スマートファクトリー」は、潜在的な市場が大きい上、同社の強みが生かせる分野であることから、同社の中長期的な成長をけん引する可能性は高いと評価している。注目すべきは、事業拡大に向けた時間軸とその道筋であり、今後の動向を見守る必要があるだろう。また、デジタルマーケティングや金融を含め、「スマートファクトリー」以外の分野についても、どのような戦略で差別化を図っていくのか、さらには、新技術への対応を含め、外部環境の変化をいかにビジネスチャンスに結び付けていくのか、先見性や機動力の高さを生かした今後の動きにも期待したい。

■Key Points
・質の高いコンサルティング力や独自テンプレートを生かしたERP導入支援に強み
・2017年3月期は大幅な増収増益を実現し、過去最高の売上高、経常利益を更新
・今後は、同社の強みが生かせる「スマートファクトリー」を注力分野として推進する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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