テクノスJPN Research Memo(10):「スマートファクトリー」分野の強化により成長加速を目指す
[17/08/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
テクノスジャパン<3666>は、これからの成長軸として、「ERPビジネス」と「ビッグデータ」、「グローバル」の3つを掲げている。新技術への対応や新たな価値創出を図りつつ、グループ各社及び提携先(協業企業や政府、大学、外部団体を含む)の強みを生かしたビジネスモデル構築により成長を加速する戦略であり、2021年3月期の連結売上高100億円(4年間の年平均成長率13.8%)を目指している。特に、今後の注力分野として位置付けているのは、IoT技術の普及によって市場拡大が予想されている「スマートファクトリー」分野である。同社の製造業向けERP導入実績と新たに立ち上がってきたビッグデータ事業との融合により、同社の強みが発揮できる分野として、大きなポテンシャルを秘めていることが理由である。
同社は、変化する市場への対応やビッグデータ分野の推進を図るため、2017年6月28日より経営体制を刷新した。同社の創業者の1人であり、これまで同社の代表取締役(兼グループCEO)を務めていた城谷直彦氏はTDSEの代表取締役として、ビッグデータ分野の推進に集中する。まさに、新たな成長フェーズを見据えた動きと捉えることができる。
各成長軸の方向性は以下のとおりである。
1. ERPビジネス
引き続き、大手企業を中心としたERP導入支援を強化するとともに、その周辺システムを含む需要の拡大も取り込む戦略である。また、クラウド化の流れに対応して、クラウドサービスと連携したSaas型ソリューション(ストック型事業モデル)を展開するなど、ERP導入のシンプル化も推進する。さらに、需要拡大が予想されているSAPの次世代型ERP「S/4HANA」については、マイグレーション(入れ替え)案件を含め、「Factシリーズ」の強化(独自テンプレートの「S/4HANA」化)などにより積極的に対応していく方針である。
2. ビッグデータ
TDSE独自製品「Scorobo」(人工知能エンジン)をベースとしたサービスモデルの構築を図る。既に、デジタルマーケティングから金融業界(Fintech)、製造業、社会インフラへと着実に実績を積み上げてきたが、今後さらに様々な分野への活用を拡げていく方針である。また、「スマートファクトリー」を注力分野と位置付け、同社の培ってきた生産管理業務ノウハウとAI技術のシナジー効果により、同社ならではの新たな価値創出を目指す。
3. グローバル
国際拠点の司令塔であるTGC及びその傘下となったTRAにより、米国(シリコンバレー)発のベンチャー企業の発掘及び投資を加速する。また、TDSE独自製品「Scorobo」だけでなく、同社が一部出資しているZenmu Tech社のセキュリティ製品などをグローバルに展開する。
弊社でも、外部要因及び内部要因の両面において、同社の中長期的な成長が加速される可能性が高いとみている。特に、注力する「スマートファクトリー」は、潜在的な市場が大きい上、同社の強みが生かせる分野であることから、そのポテンシャルの大きさに疑う余地はない。注目すべきは、事業拡大に向けた時間軸とその道筋であり、今後の動向を見守る必要がある。いずれにしても、新しい経営体制やグループ戦略のもと、同社が新たな成長フェーズに入っていく可能性は高く、同社ならではの価値創造をどのような形で具現化していくのかに注目している。また、マーケティングや金融を含め、「スマートファクトリー」以外の分野についても、どのような戦略で差別化を図っていくのか、さらには、新技術への対応など、外部環境の変化をいかにビジネスチャンスに結び付けていくのか、先見性や機動力の高さを生かした今後の動きにも期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
テクノスジャパン<3666>は、これからの成長軸として、「ERPビジネス」と「ビッグデータ」、「グローバル」の3つを掲げている。新技術への対応や新たな価値創出を図りつつ、グループ各社及び提携先(協業企業や政府、大学、外部団体を含む)の強みを生かしたビジネスモデル構築により成長を加速する戦略であり、2021年3月期の連結売上高100億円(4年間の年平均成長率13.8%)を目指している。特に、今後の注力分野として位置付けているのは、IoT技術の普及によって市場拡大が予想されている「スマートファクトリー」分野である。同社の製造業向けERP導入実績と新たに立ち上がってきたビッグデータ事業との融合により、同社の強みが発揮できる分野として、大きなポテンシャルを秘めていることが理由である。
同社は、変化する市場への対応やビッグデータ分野の推進を図るため、2017年6月28日より経営体制を刷新した。同社の創業者の1人であり、これまで同社の代表取締役(兼グループCEO)を務めていた城谷直彦氏はTDSEの代表取締役として、ビッグデータ分野の推進に集中する。まさに、新たな成長フェーズを見据えた動きと捉えることができる。
各成長軸の方向性は以下のとおりである。
1. ERPビジネス
引き続き、大手企業を中心としたERP導入支援を強化するとともに、その周辺システムを含む需要の拡大も取り込む戦略である。また、クラウド化の流れに対応して、クラウドサービスと連携したSaas型ソリューション(ストック型事業モデル)を展開するなど、ERP導入のシンプル化も推進する。さらに、需要拡大が予想されているSAPの次世代型ERP「S/4HANA」については、マイグレーション(入れ替え)案件を含め、「Factシリーズ」の強化(独自テンプレートの「S/4HANA」化)などにより積極的に対応していく方針である。
2. ビッグデータ
TDSE独自製品「Scorobo」(人工知能エンジン)をベースとしたサービスモデルの構築を図る。既に、デジタルマーケティングから金融業界(Fintech)、製造業、社会インフラへと着実に実績を積み上げてきたが、今後さらに様々な分野への活用を拡げていく方針である。また、「スマートファクトリー」を注力分野と位置付け、同社の培ってきた生産管理業務ノウハウとAI技術のシナジー効果により、同社ならではの新たな価値創出を目指す。
3. グローバル
国際拠点の司令塔であるTGC及びその傘下となったTRAにより、米国(シリコンバレー)発のベンチャー企業の発掘及び投資を加速する。また、TDSE独自製品「Scorobo」だけでなく、同社が一部出資しているZenmu Tech社のセキュリティ製品などをグローバルに展開する。
弊社でも、外部要因及び内部要因の両面において、同社の中長期的な成長が加速される可能性が高いとみている。特に、注力する「スマートファクトリー」は、潜在的な市場が大きい上、同社の強みが生かせる分野であることから、そのポテンシャルの大きさに疑う余地はない。注目すべきは、事業拡大に向けた時間軸とその道筋であり、今後の動向を見守る必要がある。いずれにしても、新しい経営体制やグループ戦略のもと、同社が新たな成長フェーズに入っていく可能性は高く、同社ならではの価値創造をどのような形で具現化していくのかに注目している。また、マーケティングや金融を含め、「スマートファクトリー」以外の分野についても、どのような戦略で差別化を図っていくのか、さらには、新技術への対応など、外部環境の変化をいかにビジネスチャンスに結び付けていくのか、先見性や機動力の高さを生かした今後の動きにも期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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