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神戸物産 Research Memo(7):首都圏及び九州エリアでの店舗数増加が見込まれる

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

2. 事業セグメント別の見通し
(1) 業務スーパー事業
主力の業務スーパー事業では、店舗数を前期末比30店舗増の777店舗まで拡大する計画となっている。新規出店に関しては首都圏エリアを中心に今後も増やしていく方針だが、2017年4月より九州の一部を直轄エリアとしたことで同エリアでの出店が増えていく可能性がある。神戸物産<3038>は本部で物流コストを負担し、商品戦略の裁量権を持つエリアを直轄エリアとしており、従来は関西圏と関東圏(1都3県)、北海道を直轄エリアとしてきた。今回、関西物流拠点と九州を結ぶルートにおいて物流費用を低減できる見通しが立ったことから、同エリアも直轄エリアとした。FC企業側から見れば、物流費用対策を考える必要がなくなるため、新規出店を従来よりも容易に決断できることになる。店舗数は2017年10月期第2四半期までに763店舗を出店し、計画よりも若干上回る出店ペースとなっているが、下期も首都圏等を中心に新規出店が進む見通しであり、通期でも計画から若干の上積みが期待される。なお、既存店売上高は前期比で2%増、全店ベースでの売上高では同5〜6%の増収を見込んでいる。

また、生産子会社については人手不足が続くなかで、自動化ラインの導入による生産性向上に引き続き取り組んでいく。

なお、海外市場の取り組み状況として2016年4月にシンガポールにFC企業である(株)G-7スーパーマートのグループ会社が「業務スーパー」を初出店したほか、米国でもJPN Mart Inc.が運営する日系のスーパーマーケット「Seiwa Market」(カリフォルニア州2店舗、テキサス州1店舗)内で約500アイテムのPB商品を販売、2016年秋からは香港のスーパーマーケット向けにも間接的に卸販売を開始している。シンガポールの店舗への商品出荷額は横ばいとなっているが、その他は堅調に推移している模様で、今後の拡大が期待される。

(2) 神戸クック事業
神戸クック事業は、売上高が前期比横ばい、営業利益については滞留在庫の処分損などを計上する予定であることから若干の損失を見込んでいるが、損失額は縮小傾向が続く見通し。2016年10月期に黒字化を果した「神戸クックワールドビュッフェ」についてはFC募集を再開しており、年内に数店舗の出店を目指している。また、「Green's K」についても坪当たり売上単価で目標まであと一歩のところまできており、2018年10月期から新規出店を再開する予定だ。一方、「Green's K 鉄板ビュッフェ」については採算性が厳しいことから新規出店の予定はない。

(3) クックイノベンチャー事業
クックイノベンチャー事業は、ジー・コミュニケーショングループの見通しをそのまま業績計画に織り込んでいる。主要子会社であるジー・テイストの2018年3月期第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比2.0%減、営業利益で同1.9%増の見込みとなっている。このため、通期の事業セグメントについては若干の減収減益になると見られる。

(4) エコ再生エネルギー事業
エコ再生エネルギー事業は、メガソーラー発電事業において下期に大阪と徳島で発電所が完成する予定で、期末時点では2016年10月期末の9.3MWから15MW程度に回復する見通しとなっている。稼働時期にもよるが2017年10月期は発電能力が前期と比べて低下していることから、若干の減収減益になる見通しだ。

なお、メガソーラー発電事業については最終的に60MWまでの事業化を計画している。350MW超の事業化権を有していたが、電力会社との接続ルールが厳しくなったことなどから、事業化権利の売却交渉を進めている。今後、建設を予定しているメガソーラー発電所は、福島県や茨城県のプロジェクトに絞り、設備投資額としては120億円前後となる。60MWの能力が完成すれば年間売上高で24億円規模となる見通しだ。

(5) その他
「ホットラグーン大分」に関しては、前述したとおり夏休み期間に向けて集客施策に取り組むことで、来場客数を増やしていく方針となっている。インフラ設備の改修工事も終わり、今後の来場客数の増加が期待される。来場客数の当面の目標は損益分岐点となる年間10万人だが、最終的には15万人規模を目指している。同社では、1日中遊べる温浴リゾート施設としてさらにコンテンツを充実していくことで、目標を達成したい考えだ。当面は費用が先行し営業損失が続くと予想されるが金額的には軽微であり、全体の業績に影響を及ぼす可能性は低いと弊社では見ている。

一方、北海道の函館で進めている観光果樹園については開園に向けて屋外で苗木を育成するなど準備を進めている段階にある。開園時期は早くて2020年頃となる見通しだ。同果樹園の果物は地熱を活用した温水エコハウスで栽培されており、青パパイヤなど道内では珍しい作物の栽培を進めており、ファミリーで楽しめる観光果樹園を計画している。なお観光事業に関しては、地域の活性化や雇用創出など社会貢献を目的とした事業であり、業績面での寄与は織り込んでいない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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