夢展望 Research Memo(8):MD改革や本格的SPAの開始などが奏功して、下半期において黒字転換を実現
[17/09/06]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
2. 2017年3月期決算の概要
夢展望<3185>の2017年3月期通期の連結業績は、売上高3,107百万円(前期比15.3%減)、営業損失154百万円(前期は324百万円の損失)、経常損失165百万円(前期は348百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失169百万円(前期は548百万円の損失)となった。
期初予想では営業利益以下の黒字転換を計画していたが、中間決算に際して通期見通しを下方修正した。下方修正の理由は、上半期にあっては自社サイトへの集客に苦戦し売上げが伸び悩んだことや玩具・雑貨販売事業の売上げが取引先の事情で伸び悩んだことだ。また通期については、上半期の動向を踏まえブランド再構築を進めている最中であることに鑑みて、収益見通しを引き下げた。最終的に、2017年3月期決算はほぼ修正予想の線での着地となった。
前述のように、同社は2017年3月期においてMD改革や衣料品のブランド再編に取り組み、幅広い顧客層の獲得を実現できた。原価面では、商品の仕入に関して直接輸入の比率を増やして原価率改善と商品単価低減の両立に成功した。また、本格的なSPAの開始や商品性向上の数々の施策が奏功し、商品の消化率、粗利益率、在庫回転率等の指標が改善した。前述のようにこれらの施策は2016年秋冬ものをターゲットとするタイミングで本格的にスタートしたため、秋冬の販売時期に当たる下半期において業績が顕著に改善した。通期ベースでの黒字化はならなかったものの、下半期においては営業利益以下の黒字転換を達成した。
下半期だけに絞ると、売上高は前年同期比79百万円の増収となった。一方、商品仕入れの変更の結果売上原価は低下し、売上総利益は同162百万円の増益となった。販管費においても、ECモール支店の売上増加に伴う支払手数料の増加というマイナス要因があったものの、これを吸収して、同110百万円の減少となった。その結果、営業利益は同271百万円増加して245百万円の営業損失から25百万円の営業利益へと黒字転換した。
上半期に売上げが伸び悩んで下方修正の一因となった自社サイトについては、Web広告の効果が下半期になって顕在化したことに加え、2017年1月に自社サイトのECシステムを刷新したことで、2017年3月に、48ヶ月ぶりに前年同月比で100%越えを実現した(前年同月比137.1%)。
EC特化型アパレル企業としての強みを有する同社は、RIZAPグループがアパレル企業を多数抱えるようになった現状において、ECに関するリーダー的な役割が期待されている。詳細は成長戦略の項で後述するが、2017年3月期おいてもグループ・シナジー追求に向けて人材交流や物流管理に関するコンサルティング、EC支援業務等、グループ各社との間で協業活動を進めた。これらは将来的に同社の収益事業に成長していくことが期待されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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2. 2017年3月期決算の概要
夢展望<3185>の2017年3月期通期の連結業績は、売上高3,107百万円(前期比15.3%減)、営業損失154百万円(前期は324百万円の損失)、経常損失165百万円(前期は348百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失169百万円(前期は548百万円の損失)となった。
期初予想では営業利益以下の黒字転換を計画していたが、中間決算に際して通期見通しを下方修正した。下方修正の理由は、上半期にあっては自社サイトへの集客に苦戦し売上げが伸び悩んだことや玩具・雑貨販売事業の売上げが取引先の事情で伸び悩んだことだ。また通期については、上半期の動向を踏まえブランド再構築を進めている最中であることに鑑みて、収益見通しを引き下げた。最終的に、2017年3月期決算はほぼ修正予想の線での着地となった。
前述のように、同社は2017年3月期においてMD改革や衣料品のブランド再編に取り組み、幅広い顧客層の獲得を実現できた。原価面では、商品の仕入に関して直接輸入の比率を増やして原価率改善と商品単価低減の両立に成功した。また、本格的なSPAの開始や商品性向上の数々の施策が奏功し、商品の消化率、粗利益率、在庫回転率等の指標が改善した。前述のようにこれらの施策は2016年秋冬ものをターゲットとするタイミングで本格的にスタートしたため、秋冬の販売時期に当たる下半期において業績が顕著に改善した。通期ベースでの黒字化はならなかったものの、下半期においては営業利益以下の黒字転換を達成した。
下半期だけに絞ると、売上高は前年同期比79百万円の増収となった。一方、商品仕入れの変更の結果売上原価は低下し、売上総利益は同162百万円の増益となった。販管費においても、ECモール支店の売上増加に伴う支払手数料の増加というマイナス要因があったものの、これを吸収して、同110百万円の減少となった。その結果、営業利益は同271百万円増加して245百万円の営業損失から25百万円の営業利益へと黒字転換した。
上半期に売上げが伸び悩んで下方修正の一因となった自社サイトについては、Web広告の効果が下半期になって顕在化したことに加え、2017年1月に自社サイトのECシステムを刷新したことで、2017年3月に、48ヶ月ぶりに前年同月比で100%越えを実現した(前年同月比137.1%)。
EC特化型アパレル企業としての強みを有する同社は、RIZAPグループがアパレル企業を多数抱えるようになった現状において、ECに関するリーダー的な役割が期待されている。詳細は成長戦略の項で後述するが、2017年3月期おいてもグループ・シナジー追求に向けて人材交流や物流管理に関するコンサルティング、EC支援業務等、グループ各社との間で協業活動を進めた。これらは将来的に同社の収益事業に成長していくことが期待されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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