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夢展望 Research Memo(9):既存セグメントの収益拡大と負ののれん発生益で、大幅な営業黒字の見通し

注目トピックス 日本株
■業績の動向

3. 2018年3月期の見通し
2018年3月期について夢展望<3185>は、売上収益5,283百万円、営業利益780百万円、税引前利益757百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益750百万円を予想している。

同社は2018年3月期決算から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用することを決定し、この予想はそれに基づいている。したがって、前期比較はない。同社の業態では売上高と売上収益、及び営業利益以下の各利益項目において、本来的には差は小さいと考えられ、グラフ等を用いて長期的なトレンドを見ることは充分意味があると弊社では考えている。

詳細は後述するが、同社は中長期の成長を目指した成長戦略のもと、各種施策に取り組んでいる。成長戦略の骨子として4項目を掲げているが、この2018年3月期の営業利益回復の内訳をこの4つの成長戦略に基づいて分析すると以下のようになる。

既存セグメントの利益増加額は338百万円が見込まれている。2017年3月期同様、販売、仕入、商品企画、生産など一連のプロセスのすべてをブラッシュアップして衣料品4ブランド売上増により548百万円、SPAの深耕による商品企画とタイムリーな商品調達の効果として88百万円が増益要因として期待される一方、ECモールでの売上増加に伴う支払手数料の増加が販管費を押し上げ、298百万円の減益要因が見込まれている。

新規事業からの35百万円の増益要因は、2017年3月期同様、グループ各社に対するECコンサルティングやEC支援、物流支援などのサービスからの収入だ。M&Aに伴う負ののれん発生益は、トレセンテの子会社化に際して発生する利益。

弊社では、2018年3月期における営業黒字の可能性は極めて高いと考えている。前述の各増益要因のうち、新規事業の35百万円と負ののれん発生益の569百万円があるが、新規事業収益はともかく、負ののれん発生益のような増益要因は毎年発生するわけではない。既存セグメントの収益拡大トレンドの継続こそが最も基本的な成長戦略であるのは言うまでもない。2018年3月期において、前年下期から始まった本業の回復・成長の流れをさらに強固なものに発展させていくことができるか、その進捗に注目していきたい。

また、東京証券取引所は2017年6月30日、2017年3月期決算においての債務超過となったことを理由に同社を上場廃止に係わる猶予期間入り銘柄とすることを発表(猶予期間は17年4月1日から18年3月31日まで)しているが、同社側は、前期17年3月期の下半期から営業黒字に転じており、今期18年3月期第1四半期時点で債務超過解消の見通しと親会社RIZAPグループ<2928>から経営指導と役務提供を受け、業績の向上を図る主旨の契約締結をあわせて発表している。

上記の要因と第2四半期に突入している本日時点で、すでに債務超過は解消されている模様で、上場廃止に対する懸念はないものと思われる。むしろ、通期業績予想の上方修正の可能性について注目したい。

今期18年3月期の通期計画では、営業損益で7.8億円の黒字(前期は1.54億円の赤字、今期よりIFRSを任意適用)を見込んでいるが、第1四半期において7.56億円(通期計画進捗率96.9%)の営業利益を計上している。つまりは、第1四半期からサプライズともいえる高進捗での利益着地を実現しており、上方修正の公算が極めて高いといえる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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