アンジェス Research Memo(1):2017年秋に重症虚血肢向けHGF遺伝子治療薬の承認申請を目指す
[17/09/11]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況等によって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。2017年7月より会社名をアンジェスMG株式会社からアンジェス株式会社に変更している。
1. 重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の承認申請を2017年秋に目指す
2017年8月1日付で国内における重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の医師主導型臨床研究において目標としていた6例目の観察期間が終了したと発表した。6症例のデータの取りまとめが行われ、結果が良ければ、承認申請を2017年秋頃に提出し、2018年中の条件及び期限付承認制度による承認獲得を目指していく。今回の医師主導型臨床研究は、2004〜2007年に実施した第3相臨床試験の結果(40症例実施、有効性で統計的有意差が認められた)の再現性を求められたものであることから、承認申請の可能性は高いと同社では見ている。この承認が得られれば契約先である田辺三菱製薬<4508>からマイルストーン収入が得られるものと弊社では見ている。
2. 海外で複数プロジェクトの治験を開始予定
海外では、2017年後半から複数のプロジェクトにおいて治験が開始される予定となっている。米国では椎間板性腰痛症を対象としたNF-κB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)デコイオリゴDNAの第1b相臨床試験、オーストラリアでは高血圧DNAワクチンの第1/2相臨床試験が開始される。いずれも2019年に終了する見込みで、結果が良好であればライセンスアウトすることも検討している。特に、高血圧DNAワクチンは市場規模が大きいだけに注目される。また、重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療薬についても、米国で現在治験計画を策定中、2017年末までには詳細を決定したいという。
3.米国での新たな臨床試験実施に向けた新株予約権発行による資金調達を発表
2017年12月期第2四半期累計(2017年1月-6月)の連結業績は、事業収益で前年同期比0.3%減の169百万円、営業損失で1,702百万円(前年同期は2,796百万円の営業損失)となった。治験費用の減少により損失額は縮小したものの、開発費用が先行する状況に変わりはない。通期業績についても事業収益は前期比30.0%減の360百万円、営業損失は3,400百万円(同4,763百万円の損失)と損失が続く見込みとなっている。2018年12月期も治験費用等の研究開発費負担が重く、営業損失が続く見通しだ。このため、同社は2017年8月28日付で第三者割当による新株予約権の発行を発表した。当初行使価額の671円(下限行使価額336円)で全て行使されたとすれば、8,066百万円を調達できることになる(株式の希薄化率は約15%)。調達した資金は主に米国でのHGF遺伝子治療薬の新たな臨床試験の実施等に充当する予定となっている。
■Key Points
・大阪大学発のバイオベンチャーで、遺伝子医薬に特化した開発を進める
・HGF遺伝子治療薬の国内承認申請に向けた準備が進む
・遺伝子医薬のグローバルリーダーとなり、売上高500億円以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況等によって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。2017年7月より会社名をアンジェスMG株式会社からアンジェス株式会社に変更している。
1. 重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の承認申請を2017年秋に目指す
2017年8月1日付で国内における重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の医師主導型臨床研究において目標としていた6例目の観察期間が終了したと発表した。6症例のデータの取りまとめが行われ、結果が良ければ、承認申請を2017年秋頃に提出し、2018年中の条件及び期限付承認制度による承認獲得を目指していく。今回の医師主導型臨床研究は、2004〜2007年に実施した第3相臨床試験の結果(40症例実施、有効性で統計的有意差が認められた)の再現性を求められたものであることから、承認申請の可能性は高いと同社では見ている。この承認が得られれば契約先である田辺三菱製薬<4508>からマイルストーン収入が得られるものと弊社では見ている。
2. 海外で複数プロジェクトの治験を開始予定
海外では、2017年後半から複数のプロジェクトにおいて治験が開始される予定となっている。米国では椎間板性腰痛症を対象としたNF-κB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)デコイオリゴDNAの第1b相臨床試験、オーストラリアでは高血圧DNAワクチンの第1/2相臨床試験が開始される。いずれも2019年に終了する見込みで、結果が良好であればライセンスアウトすることも検討している。特に、高血圧DNAワクチンは市場規模が大きいだけに注目される。また、重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療薬についても、米国で現在治験計画を策定中、2017年末までには詳細を決定したいという。
3.米国での新たな臨床試験実施に向けた新株予約権発行による資金調達を発表
2017年12月期第2四半期累計(2017年1月-6月)の連結業績は、事業収益で前年同期比0.3%減の169百万円、営業損失で1,702百万円(前年同期は2,796百万円の営業損失)となった。治験費用の減少により損失額は縮小したものの、開発費用が先行する状況に変わりはない。通期業績についても事業収益は前期比30.0%減の360百万円、営業損失は3,400百万円(同4,763百万円の損失)と損失が続く見込みとなっている。2018年12月期も治験費用等の研究開発費負担が重く、営業損失が続く見通しだ。このため、同社は2017年8月28日付で第三者割当による新株予約権の発行を発表した。当初行使価額の671円(下限行使価額336円)で全て行使されたとすれば、8,066百万円を調達できることになる(株式の希薄化率は約15%)。調達した資金は主に米国でのHGF遺伝子治療薬の新たな臨床試験の実施等に充当する予定となっている。
■Key Points
・大阪大学発のバイオベンチャーで、遺伝子医薬に特化した開発を進める
・HGF遺伝子治療薬の国内承認申請に向けた準備が進む
・遺伝子医薬のグローバルリーダーとなり、売上高500億円以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>