シノケンG Research Memo(7):すべての事業セグメントで2ケタ増収を達成
[17/09/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■シノケングループ<8909>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) 不動産販売事業
不動産販売事業の業績は、売上高が前年同期比38.8%増の36,567百万円、セグメント利益が同22.5%増の5,599百万円となった。アパート販売については豊富な受注残を背景に、売上高は前年同期比61.4%増の27,191百万円の大幅増収となった。受注に関しては同7.3%増の33,380百万円と伸び率こそ鈍化したものの、業界全体に陰りが見え始めるなかで堅調を持続している。前述したとおり、同社は需要が見込める主要都市の人気エリアを販売対象として土地の仕込みを行っていることや、約27年間の実績により金融機関や保証会社との良好な関係を構築しているなかで、金融機関からの融資姿勢については従来と変わりないことなどが要因と考えられる。日銀が発表した2017年4-6月の個人による貸家業向け新規貸出額は前年同期比で14.5%減と落ち込んだが、同期間における同社の受注額は2.1%増と堅調に推移している。
地域別販売動向を見ると、注力地域としている東京の伸びが大きかったようで、販売棟数の構成比では前年同期の2割強から3割強に上昇した。東京については土地価格が高いため、利益率は販売構成比の変化により若干低下したと見られる。同社では今後も単身者の世帯数増加が見込まれる東京エリアでの販売を強化していく方針で、中期的には全体の5割以上まで引き上げていくことを目標としている。
一方、マンション販売の売上高は前年同期比1.1%減の9,375百万円となった。前年同期の水準が高かったこともあり若干減収となったが、首都圏において投資用のデザイナーズマンションの販売が順調に推移した。受注高に関しては前年同期比8.2%減の8,162百万円となったが、同社ではマンション販売事業についてはリスク許容範囲内で年間販売戸数を一定水準に保つ方針であり、会社計画どおりの進捗となっている。なお、受注残高が前年同期比49.2%減と大幅に減少しているのは、前年同期においては未完成物件にかかる契約残高が一時的に多額に含まれていた為である。
(2) 不動産管理関連事業
不動産管理関連事業の業績は、売上高が前年同期比22.9%増の5,009百万円、セグメント利益が同31.2%増の775百万円となった。アパート販売の大幅伸長による入居者数の増加を背景に、これらストックビジネスも2ケタ増収増益と好調に推移した。
主力の賃貸管理はアパート販売棟数の増加や管理物件の入居率維持・向上に努めたことにより、2017年12月期第2四半期末の管理戸数は前年同期末比21.6%増の24,417戸となった。また、分譲マンション管理についても管理物件の資産価値の維持・向上並びに管理組合向けのサービスレベル向上に取り組んだことにより、管理戸数で同10.1%増の4,911戸と着実に積み上がっている。
一方、家賃等の債務保証サービスについては、入居者向けの保証件数拡大に向けた保証プランの充実や新規顧客の獲得を図るとともに、保証債務の回収率向上に努め、また、少額短期保険についても保険商品の充実と新規契約の獲得に努めたことで、いずれも順調に拡大したと見られる。
(3) ゼネコン事業
ゼネコン事業の業績は、売上高が前年同期比30.1%増の6,530百万円、セグメント利益が同9.4%減の718百万円となった。対外顧客向け売上高は新規顧客を開拓してきたことが奏効し2ケタ増収となったが、内部取引売上高(グループのマンション建築請負等)が減少したことにより、総売上高は7.9%増の8,520百万円となった。セグメント利益が減益となっているが、これはセグメント間取引調整等の影響によるもので、小川建設の業績そのものは増収増益となっており、会社計画どおりに進捗している。
(4) エネルギー事業
エネルギー事業の業績は、売上高が前年同期比38.7%増の617百万円、セグメント利益が同10.5%増の127百万円となった。LPガスの2017年12月期第2四半期末における供給世帯数は、アパート販売棟数の増加により前年同期末比34.0%増の22,658世帯に拡大した。また、4月より新たに電力の小売販売を開始し、2017年12月期第2四半期末で約3千世帯の契約を獲得したこと等も増収要因となった。利益率が若干低下したが、これは電力小売販売の開始に伴い販売費用が増加したこと等が要因と見られる。
(5) 介護事業
介護事業の業績は、売上高が前年同期比18.2%増の586百万円、セグメント利益が同63.5%減の24百万円となった。既存の施設やサービスについては堅調に推移したが、2017年6月に福岡エリアで認知症対応型グループホーム及び小規模多機能型居宅介護施設「フレンド香住ヶ丘」を開設したことによる先行費用の計上が減益要因となった。ただ、同グループホームについては開設からすぐに募集定員に達するなど、順調な立ち上がりを見せており、早晩収益貢献してくるものと見られる。なお、利益率が4.2%と同社の事業セグメントのなかでは唯一10%を下回っているが、これはのれん償却費用52百万円を計上しているためで、のれん償却前利益ベースで見ると13.3%とほぼ全社平均並みの水準となっている。
(6) その他
その他の事業は、売上高が前年同期比33.5%増の74百万円、セグメント利益が同69.0%増の95百万円となった。海外事業についてはインドネシアのジャカルタで「桜テラス」ブランドによる投資用アパート事業を本格的に展開していく予定にしており、第1号案件が2018年夏頃に完成予定のほか、土地についても4〜5ヶ所の仕入を実施し、受注が決まり次第、着工していく予定となっている。このため、海外事業の売上高が本格的に増えてくるのは2018年以降となる見通しだ。インドネシアでは小川建設が駐在員事務所を開設しており、現地建設会社に対するコンサルティングやサポートを行っているため、こうしたネットワークも活用しながら積極的に事業展開を進めていく計画となっている。
一方、国内では新規事業として「リノベ×民泊」事業を開始している。まずは自社保有物件における空室の活用からスタートし、2017年下期に第1号案件が完成する予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
2. 事業セグメント別の動向
(1) 不動産販売事業
不動産販売事業の業績は、売上高が前年同期比38.8%増の36,567百万円、セグメント利益が同22.5%増の5,599百万円となった。アパート販売については豊富な受注残を背景に、売上高は前年同期比61.4%増の27,191百万円の大幅増収となった。受注に関しては同7.3%増の33,380百万円と伸び率こそ鈍化したものの、業界全体に陰りが見え始めるなかで堅調を持続している。前述したとおり、同社は需要が見込める主要都市の人気エリアを販売対象として土地の仕込みを行っていることや、約27年間の実績により金融機関や保証会社との良好な関係を構築しているなかで、金融機関からの融資姿勢については従来と変わりないことなどが要因と考えられる。日銀が発表した2017年4-6月の個人による貸家業向け新規貸出額は前年同期比で14.5%減と落ち込んだが、同期間における同社の受注額は2.1%増と堅調に推移している。
地域別販売動向を見ると、注力地域としている東京の伸びが大きかったようで、販売棟数の構成比では前年同期の2割強から3割強に上昇した。東京については土地価格が高いため、利益率は販売構成比の変化により若干低下したと見られる。同社では今後も単身者の世帯数増加が見込まれる東京エリアでの販売を強化していく方針で、中期的には全体の5割以上まで引き上げていくことを目標としている。
一方、マンション販売の売上高は前年同期比1.1%減の9,375百万円となった。前年同期の水準が高かったこともあり若干減収となったが、首都圏において投資用のデザイナーズマンションの販売が順調に推移した。受注高に関しては前年同期比8.2%減の8,162百万円となったが、同社ではマンション販売事業についてはリスク許容範囲内で年間販売戸数を一定水準に保つ方針であり、会社計画どおりの進捗となっている。なお、受注残高が前年同期比49.2%減と大幅に減少しているのは、前年同期においては未完成物件にかかる契約残高が一時的に多額に含まれていた為である。
(2) 不動産管理関連事業
不動産管理関連事業の業績は、売上高が前年同期比22.9%増の5,009百万円、セグメント利益が同31.2%増の775百万円となった。アパート販売の大幅伸長による入居者数の増加を背景に、これらストックビジネスも2ケタ増収増益と好調に推移した。
主力の賃貸管理はアパート販売棟数の増加や管理物件の入居率維持・向上に努めたことにより、2017年12月期第2四半期末の管理戸数は前年同期末比21.6%増の24,417戸となった。また、分譲マンション管理についても管理物件の資産価値の維持・向上並びに管理組合向けのサービスレベル向上に取り組んだことにより、管理戸数で同10.1%増の4,911戸と着実に積み上がっている。
一方、家賃等の債務保証サービスについては、入居者向けの保証件数拡大に向けた保証プランの充実や新規顧客の獲得を図るとともに、保証債務の回収率向上に努め、また、少額短期保険についても保険商品の充実と新規契約の獲得に努めたことで、いずれも順調に拡大したと見られる。
(3) ゼネコン事業
ゼネコン事業の業績は、売上高が前年同期比30.1%増の6,530百万円、セグメント利益が同9.4%減の718百万円となった。対外顧客向け売上高は新規顧客を開拓してきたことが奏効し2ケタ増収となったが、内部取引売上高(グループのマンション建築請負等)が減少したことにより、総売上高は7.9%増の8,520百万円となった。セグメント利益が減益となっているが、これはセグメント間取引調整等の影響によるもので、小川建設の業績そのものは増収増益となっており、会社計画どおりに進捗している。
(4) エネルギー事業
エネルギー事業の業績は、売上高が前年同期比38.7%増の617百万円、セグメント利益が同10.5%増の127百万円となった。LPガスの2017年12月期第2四半期末における供給世帯数は、アパート販売棟数の増加により前年同期末比34.0%増の22,658世帯に拡大した。また、4月より新たに電力の小売販売を開始し、2017年12月期第2四半期末で約3千世帯の契約を獲得したこと等も増収要因となった。利益率が若干低下したが、これは電力小売販売の開始に伴い販売費用が増加したこと等が要因と見られる。
(5) 介護事業
介護事業の業績は、売上高が前年同期比18.2%増の586百万円、セグメント利益が同63.5%減の24百万円となった。既存の施設やサービスについては堅調に推移したが、2017年6月に福岡エリアで認知症対応型グループホーム及び小規模多機能型居宅介護施設「フレンド香住ヶ丘」を開設したことによる先行費用の計上が減益要因となった。ただ、同グループホームについては開設からすぐに募集定員に達するなど、順調な立ち上がりを見せており、早晩収益貢献してくるものと見られる。なお、利益率が4.2%と同社の事業セグメントのなかでは唯一10%を下回っているが、これはのれん償却費用52百万円を計上しているためで、のれん償却前利益ベースで見ると13.3%とほぼ全社平均並みの水準となっている。
(6) その他
その他の事業は、売上高が前年同期比33.5%増の74百万円、セグメント利益が同69.0%増の95百万円となった。海外事業についてはインドネシアのジャカルタで「桜テラス」ブランドによる投資用アパート事業を本格的に展開していく予定にしており、第1号案件が2018年夏頃に完成予定のほか、土地についても4〜5ヶ所の仕入を実施し、受注が決まり次第、着工していく予定となっている。このため、海外事業の売上高が本格的に増えてくるのは2018年以降となる見通しだ。インドネシアでは小川建設が駐在員事務所を開設しており、現地建設会社に対するコンサルティングやサポートを行っているため、こうしたネットワークも活用しながら積極的に事業展開を進めていく計画となっている。
一方、国内では新規事業として「リノベ×民泊」事業を開始している。まずは自社保有物件における空室の活用からスタートし、2017年下期に第1号案件が完成する予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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