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フジコー Research Memo(8):「建設系リサイクル」の回復や電力小売りの拡大により増収増益を見込む

注目トピックス 日本株
■決算動向

3. 2018年6月期の業績予想
2018年6月期の業績予想についてフジコー<2405>は、売上高を前期比7.0%増の3,600百万円、営業利益を同48.6%増の340百万円、経常利益を同66.2%増の300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同139.8%増の200百万円と増収増益を見込んでいる。

売上高は、「建設系リサイクル事業」の回復と「森林発電事業」における電力小売りの拡大が増収に寄与する見通しである。一方、「食品系リサイクル事業」は、「鉾田ファーム」の事業譲渡による影響等から減収となり、「白蟻解体工事」は横ばいで推移する想定である。

一方、利益面でも、「建設系リサイクル事業」の回復に伴う損益改善が増益に大きく寄与する想定であり、営業利益率も9.4%(前期は6.8%)の水準にまで改善する見通しだ。

事業別の業績予想及び主な取り組みは以下のとおりである。

(1) 建設系リサイクル事業
売上高を前期比14.4%増の1,665百万円、売上総利益を同76.3%増の282百万円と増収増益を見込んでいる。事業停止による影響からの回復を見込んでいるが、2016年6月期の売上高と比較すると約80%の水準にとどまっている。これは、前述のとおり、事業停止期間中に他社へ流れた顧客の一部においては取引復活までに(もしくは新規開拓でカバーするために)時間を要することや、許可品目のうち2品目を自主返上した影響を慎重にみていることが理由と考えられる。弊社では、完全に元の水準に戻るまでには2年程度かかるものとみている。一方、利益面での増益幅が大きいのは、前述したとおり、増収に伴うレバレッジ(売上高の増減に伴う利益のぶれが大きい収益構造)がプラスに働くことによるものである。

また、今期の取り組みとして、信頼の回復に努めることはもちろんのこと、自主返上を余儀なくされた2品目(がれき類等)の新規許可取得に関する手続きを進めるほか、受入数量の減少分を収集運搬事業の拡大などでカバーしていく方針である。

(2) 食品系リサイクル事業
売上高を前期比16.1%減の182百万円、売上総利益を前期比横ばいの26百万円と見込んでいる。「鉾田ファーム」の事業譲渡の影響等により減収となるものの、利益面では堅調に推移する想定である。また、注力してきた液状飼料の販売事業については、事業環境等を踏まえてやや慎重にみているようだ。

(3) 白蟻解体工事
売上高を前期比横ばいの187百万円、売上総利益を同57.1%増の11百万円と見込んでいる。解体工事の受注拡大を図る方針である。

(4) 森林発電事業
売上高を前期比4.3%増の1,566百万円、売上総利益を同2.3%減の256百万円と見込んでいる。バイオマス発電事業の安定稼働と電力小売りの拡大が増収に寄与する想定である。一方、利益面で減益となっているのは、前期が想定以上に発電効率が高かったことから、その反動を保守的に見積もっていることが要因とみられる。また、今期の取り組みとして、木材資源の安定調達と新規貯木場の設置検討を進めるとともに、事業者及び一般家庭向け電力小売りの拡大に向けて営業体制の強化を図る方針である。

弊社では、「建設系リサイクル事業」が既にある程度の水準(前期の80%程度)まで戻ってきていることや、低圧電力(一般家庭等)の小売販売についても体制面(営業体制の強化や決済システムの構築など)の整備が進んでいることから、同社業績予想の達成は可能であるとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)


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