毎コムネット Research Memo(3):主力の学生向けマンションは、首都圏中心から全国展開へ
[17/09/21]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業は、学生マンションを開発し、オーナーから一括して借り上げてサブリース(転貸)するサービスが主体となる。首都圏を中心に大学周辺のマンション190棟、8,788戸(2017年5月期)を管理しており、そのうち6,887戸(78.4%)がサブリース方式で借り上げる。市場全体に目を向けると、18歳人口は減少傾向だが、首都圏に限れば大学生・大学院生の数は安定的に推移しており、女子大学生に限定すれば増加傾向にある。一方、学生マンションの供給量は少なく需給ギャップは解消されていない。
学生マンションは主に地方の学生が居住し、女子学生の比率が高く、学生本人ではなく親が契約者の場合が多いという特徴がある。親としてはセキュリティが完備した利便性の高い物件を希望する。毎日コムネット<8908>の管理物件は、セキュリティを完備し、駅までの平均徒歩時間は7.3分、食事付きタイプもあり、利便性が良く人気が高い。入居率が高く、2017年4月時点の入居率は12年連続で100%であり、13年連続100%を目指す。これは学生居住者の退去時期が予測でき、募集に十分な時間をかけることができるためでもあるが、同社の総合的なノウハウの結晶とみることもできる。開発から募集、管理までを一気通貫で行うことにより、強靭なビジネスモデルが構築されている。
首都圏に集中して学生マンションを展開してきた同社だが、地方の国公立大学向けにも展開を開始している。2017年5月期の開発物件7物件のうち3物件(「カレッジコート京都下鴨東(63戸)」、「カレッジコート広島大学前(127戸)」、「カレッジコート京都鴨川(76戸)」)は地方物件であり、全国展開は加速している。同3物件は4月時点で満室スタートしており、滑り出しは順調である。
2. 学生生活ソリューション事業(人材ソリューション部門)
ワークス・ジャパンは、2010年に設立し、2015年に同社の連結子会社となった。大企業の人事部門向けに人材採用広報サービスや人材採用システム提供を行っている。具体的には、企業が学生を採用する際に活用するWebサイトやパンフレットの制作、説明会やイベントの開催、応募した学生とのやりとりを管理するシステムの提供などが業務となる。
また、(株)日本経済新聞社が行う「日経カレッジカフェ・アカデミー」の運営事務局を担っており、企業としての信用は格段に向上している。この取り組みは、学生を対象に、様々な分野で活躍する社会人講師により仕事の魅力を伝え、受講者の職業観を育成することを目指したものであり、イベント運営能力や学生集客能力が評価されて抜擢されたものだ。
このほか、企業と学生の出会いの場として活用されている本社セミナールーム(神田)及び大阪セミナールーム(心斎橋)は高稼働が続いており、サービスメニューも充実する。
人材ソリューション部門の業績は伸び盛りであり、2017年5月期の売上高は2,331百万円(前期比13.8%増)、売上総利益も1,112百万円(前期比19.2%増)だった。2018年5月期も売上高は2,500百万円(前期比7.2%増)と成長が予想される。現在の顧客は1部上場クラスの大企業がほとんどであるが、将来的には中堅企業への拡大も可能と考えられ、第2新卒や外国人の雇用などまだ開拓の余地があり、伸びしろは大きい。
人材ソリューション部門の子会社ワークス・ジャパンの事業は、企業や学生の採用・就職活動に密接に関わるため、季節変動が大きい。2017年の就職プロセスも昨年同様に3月企業説明会解禁、6月選考開始(経団連加盟企業)となるため、これらの時期の前に需要が高まる。結果として、同子会社の第2四半期まで(6月−11月)は閑散期、第3四半期以降(12月−5月)は繁忙期となる。四半期業績を評価する際には留意したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<HN>
1. 不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業は、学生マンションを開発し、オーナーから一括して借り上げてサブリース(転貸)するサービスが主体となる。首都圏を中心に大学周辺のマンション190棟、8,788戸(2017年5月期)を管理しており、そのうち6,887戸(78.4%)がサブリース方式で借り上げる。市場全体に目を向けると、18歳人口は減少傾向だが、首都圏に限れば大学生・大学院生の数は安定的に推移しており、女子大学生に限定すれば増加傾向にある。一方、学生マンションの供給量は少なく需給ギャップは解消されていない。
学生マンションは主に地方の学生が居住し、女子学生の比率が高く、学生本人ではなく親が契約者の場合が多いという特徴がある。親としてはセキュリティが完備した利便性の高い物件を希望する。毎日コムネット<8908>の管理物件は、セキュリティを完備し、駅までの平均徒歩時間は7.3分、食事付きタイプもあり、利便性が良く人気が高い。入居率が高く、2017年4月時点の入居率は12年連続で100%であり、13年連続100%を目指す。これは学生居住者の退去時期が予測でき、募集に十分な時間をかけることができるためでもあるが、同社の総合的なノウハウの結晶とみることもできる。開発から募集、管理までを一気通貫で行うことにより、強靭なビジネスモデルが構築されている。
首都圏に集中して学生マンションを展開してきた同社だが、地方の国公立大学向けにも展開を開始している。2017年5月期の開発物件7物件のうち3物件(「カレッジコート京都下鴨東(63戸)」、「カレッジコート広島大学前(127戸)」、「カレッジコート京都鴨川(76戸)」)は地方物件であり、全国展開は加速している。同3物件は4月時点で満室スタートしており、滑り出しは順調である。
2. 学生生活ソリューション事業(人材ソリューション部門)
ワークス・ジャパンは、2010年に設立し、2015年に同社の連結子会社となった。大企業の人事部門向けに人材採用広報サービスや人材採用システム提供を行っている。具体的には、企業が学生を採用する際に活用するWebサイトやパンフレットの制作、説明会やイベントの開催、応募した学生とのやりとりを管理するシステムの提供などが業務となる。
また、(株)日本経済新聞社が行う「日経カレッジカフェ・アカデミー」の運営事務局を担っており、企業としての信用は格段に向上している。この取り組みは、学生を対象に、様々な分野で活躍する社会人講師により仕事の魅力を伝え、受講者の職業観を育成することを目指したものであり、イベント運営能力や学生集客能力が評価されて抜擢されたものだ。
このほか、企業と学生の出会いの場として活用されている本社セミナールーム(神田)及び大阪セミナールーム(心斎橋)は高稼働が続いており、サービスメニューも充実する。
人材ソリューション部門の業績は伸び盛りであり、2017年5月期の売上高は2,331百万円(前期比13.8%増)、売上総利益も1,112百万円(前期比19.2%増)だった。2018年5月期も売上高は2,500百万円(前期比7.2%増)と成長が予想される。現在の顧客は1部上場クラスの大企業がほとんどであるが、将来的には中堅企業への拡大も可能と考えられ、第2新卒や外国人の雇用などまだ開拓の余地があり、伸びしろは大きい。
人材ソリューション部門の子会社ワークス・ジャパンの事業は、企業や学生の採用・就職活動に密接に関わるため、季節変動が大きい。2017年の就職プロセスも昨年同様に3月企業説明会解禁、6月選考開始(経団連加盟企業)となるため、これらの時期の前に需要が高まる。結果として、同子会社の第2四半期まで(6月−11月)は閑散期、第3四半期以降(12月−5月)は繁忙期となる。四半期業績を評価する際には留意したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<HN>