イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営事業とリサーチ・ECソリューション事業が両輪
[17/09/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディアやコンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業である。(株)インターネット総合研究所の100%子会社として設立された旧(株)アイ・アール・アイ コマースアンドテクノロジー(以下、IRI-CT)が、自動車業界向けのマーケティングリサーチ会社であった旧(株)イードを2007年に吸収合併、商号を株式会社イードと改称し現在に至っている。また、M&Aにも積極的で、2017年8月末時点で連結子会社は6社となっている。同社では各子会社の自主性を重んじ、領域に特化した各社の遠心力によってグループ全体の成長を促す「連邦経営」を行っている。
2. 事業内容
2017年6月期の事業セグメント別構成比を見ると、売上高ではCMP事業が81.4%と大半を占めているが、セグメント利益で見ると逆にCMS事業が79.3%を占める格好となっている。CMP事業の収益が一時的に落ち込んだことが要因となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。
(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業に対してインターネット広告やデータ・コンテンツを提供する事業となる。同社の売上げとしては、Webメディア上に掲載するインターネット広告やニュース記事等のデータ・コンテンツ販売が主なものとなる。同社が運営するWebメディアは2017年6月期末時点で19ジャンル47サイトとなっており、自動車やIT、エンターテイメント、暮らし、EC分野など幅広い業種のWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「レスポンス」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、大手自動車メーカーの経営トップのインタビュー記事を取れるWebメディアとして知られており、運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供している。リサーチソリューションに関しては、旧イードが日産自動車<7201>のデザインセンターから1990年に独立した会社であったこともあり、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで提供しており、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえている。実際のリサーチには、高度なネットリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。一方、ECソリューションでは、BtoC向けのEC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社は、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを運営しているが、効率的な運用を可能とするためのシステムとして「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発している。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現している。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上げUPの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・ニュース写真投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。
(2) M&Aによる取得とその効果
同社はM&AによりWebメディア等の取得を積極的に行っており、これまで資本出資も含めて合計、39サイトを取得している(うち、8サイトは撤退)。経営陣のこれまでの人的ネットワークが主な情報入手ルートで、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。なお、これまで手掛けたWebサイトはほとんどすべて目標を達成している(撤退サイトはビジネス相手先都合がほとんど)。39サイトの取得総額は11億1,239万円(内訳は、事業取得総額4億2,159万円、出資総額6億9,080万円、撤退サイト含む)で、1サイト平均2,781万円で取得した計算となる。39サイトの平均年間売上高は7,765万円、営業利益は672万円(2017年6月期までの3年間の実績平均)となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディアやコンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業である。(株)インターネット総合研究所の100%子会社として設立された旧(株)アイ・アール・アイ コマースアンドテクノロジー(以下、IRI-CT)が、自動車業界向けのマーケティングリサーチ会社であった旧(株)イードを2007年に吸収合併、商号を株式会社イードと改称し現在に至っている。また、M&Aにも積極的で、2017年8月末時点で連結子会社は6社となっている。同社では各子会社の自主性を重んじ、領域に特化した各社の遠心力によってグループ全体の成長を促す「連邦経営」を行っている。
2. 事業内容
2017年6月期の事業セグメント別構成比を見ると、売上高ではCMP事業が81.4%と大半を占めているが、セグメント利益で見ると逆にCMS事業が79.3%を占める格好となっている。CMP事業の収益が一時的に落ち込んだことが要因となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。
(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業に対してインターネット広告やデータ・コンテンツを提供する事業となる。同社の売上げとしては、Webメディア上に掲載するインターネット広告やニュース記事等のデータ・コンテンツ販売が主なものとなる。同社が運営するWebメディアは2017年6月期末時点で19ジャンル47サイトとなっており、自動車やIT、エンターテイメント、暮らし、EC分野など幅広い業種のWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「レスポンス」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、大手自動車メーカーの経営トップのインタビュー記事を取れるWebメディアとして知られており、運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供している。リサーチソリューションに関しては、旧イードが日産自動車<7201>のデザインセンターから1990年に独立した会社であったこともあり、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで提供しており、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえている。実際のリサーチには、高度なネットリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。一方、ECソリューションでは、BtoC向けのEC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社は、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを運営しているが、効率的な運用を可能とするためのシステムとして「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発している。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現している。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上げUPの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・ニュース写真投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。
(2) M&Aによる取得とその効果
同社はM&AによりWebメディア等の取得を積極的に行っており、これまで資本出資も含めて合計、39サイトを取得している(うち、8サイトは撤退)。経営陣のこれまでの人的ネットワークが主な情報入手ルートで、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。なお、これまで手掛けたWebサイトはほとんどすべて目標を達成している(撤退サイトはビジネス相手先都合がほとんど)。39サイトの取得総額は11億1,239万円(内訳は、事業取得総額4億2,159万円、出資総額6億9,080万円、撤退サイト含む)で、1サイト平均2,781万円で取得した計算となる。39サイトの平均年間売上高は7,765万円、営業利益は672万円(2017年6月期までの3年間の実績平均)となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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