アーバネット Research Memo(7):2017年6月期は1棟一括販売等により大幅な増益を実現
[17/09/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2. 2017年6月期決算の概要
アーバネットコーポレーション<3242>の2017年6月期の業績は、売上高が前期比0.5%増の17,788百万円、営業利益が同20.6%増の2,419百万円、経常利益が同25.5%増の2,158百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.6%増の1,465百万円と微増収ながら大幅な増益を実現した。期初予想に対しても、売上高がほぼ計画どおりとなる一方、利益面では大きく上回る着地となっている。
主力の「不動産開発販売事業」が順調に拡大した。自社開発による投資用マンションの販売戸数が12棟587戸(前期比71戸減)と減少したものの、依然として高い水準を維持したことに加えて、そのうち4棟232戸が1棟一括直接販売であったことが販売単価を押し上げた(前期の1棟一括直接販売は3棟108戸)。すなわち、投資家への直接販売は、通常の販売会社経由に比べて同社は高く販売することができ、投資家は安く購入することができるという点で双方にメリットが生じるため、その効果を享受する格好となった。また、大型の用地転売があったことも増収に寄与したようだ(10億円超と推定)。もっとも、売上高全体の伸び率が緩やかな水準にとどまったのは、前期における特殊要因※がはく落した「不動産仕入販売事業」の反動減(常態化)によるものであり、想定内である。また、「その他事業」が小規模ながら伸びているのは、不動産収入の増加と仲介手数料によるものである。特に、不動産収入については、2016年6月期に取得した2物件が通年寄与したほか、前期に取得した1物件が上乗せされたことにより約240百万円(前期比約85%増)に拡大したようだ。
※2016年6月期においては、他社物件の1棟販売(30戸)を手掛けた(イレギュラーな事例)。
利益面では、1棟一括直接販売の増加に伴う販売単価の上昇により売上総利益率が大きく改善した一方、販管費は1棟一括直接販売に係る仲介手数料等により増加したものの、売上総利益の増加により吸収することで営業増益となり、営業利益率も13.6%(前期は11.3%)に改善している。
財政状態については、自己資本が内部留保の積み増しにより6,913百万円(前期末比18.0%増)に増加した一方、総資産は「現金及び預金」や「仕掛販売用不動産」、「有形固定資産」の増加等により23,560百万円(前期末比24.3%増)に大きく拡大したことから、自己資本比率は29.3%(前期末は30.9%)とわずかに低下した。それに伴い、有利子負債も長短併せて14,869百万円(前期末比39.1%増)に増えている。なお、「有形固定資産」の増加(前期末比796百万円増)は、自社保有の賃貸収益物件1棟を追加取得したことによるものである。
キャッシュフローの状況については、営業キャッシュフローが今後の成長に向けた「仕掛販売用不動産」の増加(積極的な用地仕入を含む)によりマイナスとなったほか、投資キャッシュフローも賃貸収益物件の取得によりマイナスとなった。一方、財務キャッシュフローは長期借入金による収入により大きくプラスとなったことから、その結果として「現金及び預金」は大きく増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2. 2017年6月期決算の概要
アーバネットコーポレーション<3242>の2017年6月期の業績は、売上高が前期比0.5%増の17,788百万円、営業利益が同20.6%増の2,419百万円、経常利益が同25.5%増の2,158百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.6%増の1,465百万円と微増収ながら大幅な増益を実現した。期初予想に対しても、売上高がほぼ計画どおりとなる一方、利益面では大きく上回る着地となっている。
主力の「不動産開発販売事業」が順調に拡大した。自社開発による投資用マンションの販売戸数が12棟587戸(前期比71戸減)と減少したものの、依然として高い水準を維持したことに加えて、そのうち4棟232戸が1棟一括直接販売であったことが販売単価を押し上げた(前期の1棟一括直接販売は3棟108戸)。すなわち、投資家への直接販売は、通常の販売会社経由に比べて同社は高く販売することができ、投資家は安く購入することができるという点で双方にメリットが生じるため、その効果を享受する格好となった。また、大型の用地転売があったことも増収に寄与したようだ(10億円超と推定)。もっとも、売上高全体の伸び率が緩やかな水準にとどまったのは、前期における特殊要因※がはく落した「不動産仕入販売事業」の反動減(常態化)によるものであり、想定内である。また、「その他事業」が小規模ながら伸びているのは、不動産収入の増加と仲介手数料によるものである。特に、不動産収入については、2016年6月期に取得した2物件が通年寄与したほか、前期に取得した1物件が上乗せされたことにより約240百万円(前期比約85%増)に拡大したようだ。
※2016年6月期においては、他社物件の1棟販売(30戸)を手掛けた(イレギュラーな事例)。
利益面では、1棟一括直接販売の増加に伴う販売単価の上昇により売上総利益率が大きく改善した一方、販管費は1棟一括直接販売に係る仲介手数料等により増加したものの、売上総利益の増加により吸収することで営業増益となり、営業利益率も13.6%(前期は11.3%)に改善している。
財政状態については、自己資本が内部留保の積み増しにより6,913百万円(前期末比18.0%増)に増加した一方、総資産は「現金及び預金」や「仕掛販売用不動産」、「有形固定資産」の増加等により23,560百万円(前期末比24.3%増)に大きく拡大したことから、自己資本比率は29.3%(前期末は30.9%)とわずかに低下した。それに伴い、有利子負債も長短併せて14,869百万円(前期末比39.1%増)に増えている。なお、「有形固定資産」の増加(前期末比796百万円増)は、自社保有の賃貸収益物件1棟を追加取得したことによるものである。
キャッシュフローの状況については、営業キャッシュフローが今後の成長に向けた「仕掛販売用不動産」の増加(積極的な用地仕入を含む)によりマイナスとなったほか、投資キャッシュフローも賃貸収益物件の取得によりマイナスとなった。一方、財務キャッシュフローは長期借入金による収入により大きくプラスとなったことから、その結果として「現金及び預金」は大きく増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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