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タカショー Research Memo(8):新しい領域での市場創造により持続的成長を目指す

注目トピックス 日本株
■成長戦略

タカショー<7590>は、中長期的な高い成長性を実現するために過去5年間にわたって積極的な先行投資(総額45億円)を行ってきた。これからも積極投資を継続していく方針であるが、今後はこれまでの先行投資を成長に結び付けるステージに入っていくものとみられる。

また、「ガーデン&エクステリア ライフスタイル メーカー」として更なる成長を実現するため、1. 垂直ビジネス、2. グローバルビジネス、3. トータル化ビジネス、4. 近代化ビジネスの4つの方向性を掲げている。

1. 垂直ビジネス
同社の特徴である「企画から製造、販売、卸、サービス(メンテナンス)までの一貫したビジネスモデル」をさらに進化させ、現場視点による価値創造とコスト競争力を高めていく方針である。

2. グローバルビジネス
同社は、ガーデニング及びエクステリア分野における幅広いソリューションを世界規模で提供できるオンリーワンとして、海外展開にも注力する。中国での生産能力及び生産効率を高め、ホームユース向けを中心に、欧州、米国、オーストラリアのほか、韓国や中国現地への販路拡大を進めている。欧州では、英国子会社ベジトラグの開発商品である「ベジトラグアイテム」が好調であるが、2015年2月にはベジトラグUKを通じて米国ペンシルベニア州に販売子会社を設立し、市場の大きな米国での販路拡大を進めている。

同社はホームユース向けについては、ガーデニングの本場である英国で企画・ブランド化した定番商品を中国で大量生産し、日本を含めた世界各地に提供するグローバル展開を目指している。また、国内で生産しているプロユース向け(エクステリアやコントラクト分野)についても海外からの引き合いが増加しており、足元ではオーストラリアや韓国などへ展開している。海外売上高の中期的な目標として、海外販売比率20%を目指す。

3. トータル化ビジネス
同社は、ガーデン及びエクステリアの住宅領域に加え、市場規模の大きな非住宅領域であるコントラクト分野にも本格参入した。ソリューション領域の更なる拡大を図るとともに、そこから派生する様々なニーズに対して、業態にとらわれることなく、国内外のグループが一体となった価値提供を行っていく方針である。なお、コントラクト分野では、需要が拡大している景観建材として「エバーアートボード®」や「エバーバンブー®」などの提案を強化していく。また、同社のコンセプトである「5th Room」(庭をリビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームに次ぐ5 番目の部屋とする)に共感するメーカーや卸、設計事務所、施工業者との連携強化を図るとともに、現場に合ったものを必要な分だけ一括で供給できる体制など、現場の価値を高める仕組みを構築することで、他社との差別化を図っていく。

4. 近代化ビジネス
同社は、「庭からできる省エネ・節電」と銘打って「スマートリビングガーデン」を提唱している。その一環として、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルト®ライトなど、自然エネルギーの利用や省エネタイプの商品開発を通じて、庭でできる省エネ・節電をテーマに庭からのエコを提案している。最近では、ハウスメーカーが注力している健康住宅や、注目が集まっている庭園療法(ガーデンセラピー)などのライフサポート分野へも積極的に取り組んでいる。前述のとおり、2016年4月には新たに設立された日本ガーデンセラピー協会にも参画した。さらに、2017年8月には、2016年7月に発表した『GEMS®』(ガーデンエクステリアのIoTラインアップ)※1の第1弾として、『LEDIUS Cam(レディアスカム)』※2の販売を開始した。

※1 Garden Energy Management Systemの略。同社が展開するガーデンライフスタイルにIoTテクノロジーを融合することで、より快適で楽しい屋外空間を演出するものである。IT専門大学である会津大学、及び同大学認定のベンチャー企業である(株)会津ラボとの連携により取り組んでいる。
※2 従来からある、電気工事士資格がなくても施工ができるライティングシステムに接続が可能なカメラである。クラウド上に動画を記録することができ、またその動画をシェア機能で共有することが可能となっている。防犯対策となるカメラは訪問者や侵入者を通知機能で知らせ、より安心・安全な暮らしを提供する。また、双方向音声機能がついているため、外出先でもコミュニケーションをとることができる。


弊社では、中長期的な視点からは、ライフスタイルの変化に伴う需要の伸びに加えて、ガーデンセラピーなどの新しい領域への可能性も高まるなかで、同社自らが市場を創造・育成していく活動が成功のカギを握るとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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