ホットリンク Research Memo(1):マーケティング支援サービスの拡大により業績は成長ステージに入る見通し
[17/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ホットリンク<3680>はTwitterやブログなどソーシャルメディアの投稿データを収集・分析し、企業のマーケティング戦略やリスクマネジメントに利活用するクラウドサービスを中心に展開している。2015年1月にソーシャル・ビッグデータの流通大手である米Effyis,Inc.(以下、Effyis)を子会社化したほか、中国大手ソーシャルメディアのクチコミデータを活用したマーケティング支援サービス事業を育成中。2015年12月期より国際会計基準(IFRS)に移行している。
1. 2017年12月期第2四半期累計はEffyisの収益増により計画を上回る
2017年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の1,196百万円、営業利益が31百万円(前年同期は582百万円の損失)となり、前年同期並びに社内計画をいずれも上回って推移した。Effyisの売上高が前年同期比12%増収と好調に推移し、利益も黒字転化するなど好調に推移したことが主因だ。また、中国向けのマーケティング支援サービス「トレンドPR※」も順調な立ち上がりを見せている。利益面では前年同期比計上したEffyisにかかる減損損失593百万円がなくなったこともあり大幅な改善となった。減損損失や減価償却費の影響を除いたEBITDA(営業利益+減価償却費+減損損失)ベースで見ると、前年同期比11.8%増の215百万円となっている。なお、計画比ではEffyisの収益が為替の影響(前提レート100円/ドルに対して平均レート112円/ドル)に加えて、2017年5月より新たに世界有数のソーシャルメディアサイト「reddit」へのデータアクセス権を獲得し、ソーシャル・ビッグデータの販売量が増加したことが主因となっている。
※「トレンドPR」とは中国人消費者をターゲットに自社商品の販売拡大を目指す企業に対して、SNS上の口コミデータ分析をもとに、最適なプロモーション施策を立案し実行するサービスとなる。中国大手SNSのデータを利用できる強みを生かしたサービスで、マーケティングにかかる費用対効果を可視化できるだけでなく、費用対効果も高いことから注目度が高まっている。
2. 下期も業績は順調で、2017年12月期業績は会社計画を上回る公算
2017年12月期の連結業績は、下期の為替レート100円/ドルを前提に売上高が前期比11.7%増の2,443百万円、営業利益が29百万円と期初計画を据え置いている。ただし、為替レートが110円/ドル前後で推移すれば、計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。Effyisにおいては「reddit」のデータアクセス権販売が下期についても上乗せ要因となるほか、「トレンドPR」の引き合いも旺盛なこと、さらには、2017年6月にリリースしたinstagramを活用したソーシャルメディア運用支援ツール「BuzzSpreader(バズスプレッダー)」についても会社計画には織り込んでおらず、上乗せ要因となるためだ。「トレンドPR」の活発な引き合いに対応するための人員増強を進めていくため、費用が増加する可能性はあるが、増収効果で十分吸収できる見通しだ。
3. ソーシャル・ビッグデータの販売とマーケティング支援サービスが成長ドライバーに
2018年12月期以降、業績は本格的な成長ステージに入るものと予想される。ソーシャル・ビッグデータを活用した様々なITソリューションサービスが世界中で普及するなか、そのビッグデータのアクセス権を販売するEffyisの収益成長が見込まれること、また、「トレンドPR」についても2018年12月期以降は本格的に収益貢献してくると見られるためだ。「トレンドPR」に関しては、中国での販売を拡大したい中小企業向けの引き合いが旺盛だが、今後は大手企業からの受注獲得が期待できるほか、中国以外のアジア各国にもサービスを横展開していくこと、また、顧客対象を海外企業にも広げていくことなどを視野に入れ、M&Aなども活用しながら推進していく戦略となっている。リスク要因として、中国大手SNSのデータ流通が政策によって規制された場合は収益にマイナスの影響を与える可能性があり、留意していく必要がある。
■Key Points
・ソーシャル・ビッグデータを活用したマーケティング支援ツールの提供から、ソリューションサービスへと展開
・Effyisの好調持続や新サービスの貢献により2017年12月期業績は会社計画から上振れする可能性
・世界中のソーシャル・ビッグデータを収集・分析し、AI技術を付加することで高品質なマーケティング支援サービスを国内外で提供していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ホットリンク<3680>はTwitterやブログなどソーシャルメディアの投稿データを収集・分析し、企業のマーケティング戦略やリスクマネジメントに利活用するクラウドサービスを中心に展開している。2015年1月にソーシャル・ビッグデータの流通大手である米Effyis,Inc.(以下、Effyis)を子会社化したほか、中国大手ソーシャルメディアのクチコミデータを活用したマーケティング支援サービス事業を育成中。2015年12月期より国際会計基準(IFRS)に移行している。
1. 2017年12月期第2四半期累計はEffyisの収益増により計画を上回る
2017年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の1,196百万円、営業利益が31百万円(前年同期は582百万円の損失)となり、前年同期並びに社内計画をいずれも上回って推移した。Effyisの売上高が前年同期比12%増収と好調に推移し、利益も黒字転化するなど好調に推移したことが主因だ。また、中国向けのマーケティング支援サービス「トレンドPR※」も順調な立ち上がりを見せている。利益面では前年同期比計上したEffyisにかかる減損損失593百万円がなくなったこともあり大幅な改善となった。減損損失や減価償却費の影響を除いたEBITDA(営業利益+減価償却費+減損損失)ベースで見ると、前年同期比11.8%増の215百万円となっている。なお、計画比ではEffyisの収益が為替の影響(前提レート100円/ドルに対して平均レート112円/ドル)に加えて、2017年5月より新たに世界有数のソーシャルメディアサイト「reddit」へのデータアクセス権を獲得し、ソーシャル・ビッグデータの販売量が増加したことが主因となっている。
※「トレンドPR」とは中国人消費者をターゲットに自社商品の販売拡大を目指す企業に対して、SNS上の口コミデータ分析をもとに、最適なプロモーション施策を立案し実行するサービスとなる。中国大手SNSのデータを利用できる強みを生かしたサービスで、マーケティングにかかる費用対効果を可視化できるだけでなく、費用対効果も高いことから注目度が高まっている。
2. 下期も業績は順調で、2017年12月期業績は会社計画を上回る公算
2017年12月期の連結業績は、下期の為替レート100円/ドルを前提に売上高が前期比11.7%増の2,443百万円、営業利益が29百万円と期初計画を据え置いている。ただし、為替レートが110円/ドル前後で推移すれば、計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。Effyisにおいては「reddit」のデータアクセス権販売が下期についても上乗せ要因となるほか、「トレンドPR」の引き合いも旺盛なこと、さらには、2017年6月にリリースしたinstagramを活用したソーシャルメディア運用支援ツール「BuzzSpreader(バズスプレッダー)」についても会社計画には織り込んでおらず、上乗せ要因となるためだ。「トレンドPR」の活発な引き合いに対応するための人員増強を進めていくため、費用が増加する可能性はあるが、増収効果で十分吸収できる見通しだ。
3. ソーシャル・ビッグデータの販売とマーケティング支援サービスが成長ドライバーに
2018年12月期以降、業績は本格的な成長ステージに入るものと予想される。ソーシャル・ビッグデータを活用した様々なITソリューションサービスが世界中で普及するなか、そのビッグデータのアクセス権を販売するEffyisの収益成長が見込まれること、また、「トレンドPR」についても2018年12月期以降は本格的に収益貢献してくると見られるためだ。「トレンドPR」に関しては、中国での販売を拡大したい中小企業向けの引き合いが旺盛だが、今後は大手企業からの受注獲得が期待できるほか、中国以外のアジア各国にもサービスを横展開していくこと、また、顧客対象を海外企業にも広げていくことなどを視野に入れ、M&Aなども活用しながら推進していく戦略となっている。リスク要因として、中国大手SNSのデータ流通が政策によって規制された場合は収益にマイナスの影響を与える可能性があり、留意していく必要がある。
■Key Points
・ソーシャル・ビッグデータを活用したマーケティング支援ツールの提供から、ソリューションサービスへと展開
・Effyisの好調持続や新サービスの貢献により2017年12月期業績は会社計画から上振れする可能性
・世界中のソーシャル・ビッグデータを収集・分析し、AI技術を付加することで高品質なマーケティング支援サービスを国内外で提供していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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