ホットリンク Research Memo(3):Effyisの収益回復により業績は増収増益に
[17/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2017年12月期第2四半期累計の業績概要
ホットリンク<3680>の2017年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の1,196百万円、営業利益が31百万円(前年同期は582百万円の損失)、税引前利益が9百万円(同616百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が7百万円(同603百万円の損失)といずれも前年同期を上回った。利益面では、前年同期に計上したEffyisの減損損失593百万円がなくなったことが大きいが、この影響を除いても増益となっており、EBITDA(営業利益+減価償却費+減損損失)でも、同11.8%増の215百万円となった。第2四半期累計の会社計画は発表していないものの、売上高、営業利益ともに1億円程度上回ったものと見られる。為替前提レートを110円/ドルとしていたが、第2四半期累計の平均レートが112円/ドルとなり、Effyisの業績が計画を上回ったことが主因となっている。
(1) 事業別売上高の状況
売上高の動向を事業別で見ると、SaaSサービスは前年同期比1.4%減の400百万円となった。「e-mining」サービスが横ばいで推移した一方で、「クチコミ係長」が若干減収となった。これは、サービス品質の維持向上を目的にサーバーを自社サーバーからクラウドサーバーに切り替えたことや、2017年6月から新たにリリースした「BuzzSpreader」とのセット販売を企図していたため、5月まで新規顧客の開拓を手控えていたことが要因であり、一時的な落ち込みと考えられる。なお、「BuzzSpreader」についてはリリース開始以降、問い合わせも多く入っており、アパレルや食品関連の企業との契約実績も出始めている。
ソリューションサービスについては、前年同期比6.5%増の713百万円となった。このうち、海外売上についてはEffyisのソーシャル・ビッグデータ販売が好調に推移したことで、前年同期比68百万円の増収となった。一方、国内売上については前年同期に計上した大型案件がなくなったこともあり同25百万円の減収となった。なお、Effyisの業績については売上高で前年同期比12%増の650百万円、営業利益で50百万円(前年同期は約30百万円の損失)だったと見られる。主要顧客であるグローバルIT企業向けにソーシャル・ビッグデータ販売が増加したほか、2017年5月に新たにデータ使用権契約を締結した米Redditのソーシャルニュースウェブサイト「reddit」上のソーシャルメディアデータを販売できることになったことも増収要因となった。「reddit」は月間2.7億人を超えるユーザーが利用する世界有数のニュースWebサイトで口コミ数も多く、ソーシャルメディアデータの使用権を獲得できたことは、同社サービスの価値並びに競争力向上に寄与するものと考えられる。
クロスバウンドサービスは前年同期比46.5%増の82百万円となった。ソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費動向分析レポート「トレンドExpress」が堅調に推移したことに加えて、新たにサービスを開始した「トレンドPR」を含めたマーケティング支援サービスが順調に立ち上り、増収要因となった。「トレンドPR」については主に化粧品や日用品等の中小企業10数社から受注を獲得しており、いずれも高い評価を受けリピート契約につながっている。
(2) 利益の増減要因
営業力の増減要因について見ると、増益要因としてはEffyisの減損損失593百万円がなくなったことに加えて、増収に伴う売上総利益の増加や販管費等の削減効果が挙げられる。販管費は前年同期比で16百万円減少したが、この内訳を見るとクロスバウンドサービスの営業体制強化に伴い人件費が23百万円増加した一方で、販売権償却費が19百万円、貸倒引当金が16百万円、研究開発費が7百万円それぞれ減少した。
なお、売上原価率が前年同期比で2.3ポイント上昇したが、これはEffyisにおける仕入額の増加や、一部ソーシャルメディアデータで値上げが実施されたこと、サーバーの切り替えに伴う費用が発生したことなどが挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2017年12月期第2四半期累計の業績概要
ホットリンク<3680>の2017年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の1,196百万円、営業利益が31百万円(前年同期は582百万円の損失)、税引前利益が9百万円(同616百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が7百万円(同603百万円の損失)といずれも前年同期を上回った。利益面では、前年同期に計上したEffyisの減損損失593百万円がなくなったことが大きいが、この影響を除いても増益となっており、EBITDA(営業利益+減価償却費+減損損失)でも、同11.8%増の215百万円となった。第2四半期累計の会社計画は発表していないものの、売上高、営業利益ともに1億円程度上回ったものと見られる。為替前提レートを110円/ドルとしていたが、第2四半期累計の平均レートが112円/ドルとなり、Effyisの業績が計画を上回ったことが主因となっている。
(1) 事業別売上高の状況
売上高の動向を事業別で見ると、SaaSサービスは前年同期比1.4%減の400百万円となった。「e-mining」サービスが横ばいで推移した一方で、「クチコミ係長」が若干減収となった。これは、サービス品質の維持向上を目的にサーバーを自社サーバーからクラウドサーバーに切り替えたことや、2017年6月から新たにリリースした「BuzzSpreader」とのセット販売を企図していたため、5月まで新規顧客の開拓を手控えていたことが要因であり、一時的な落ち込みと考えられる。なお、「BuzzSpreader」についてはリリース開始以降、問い合わせも多く入っており、アパレルや食品関連の企業との契約実績も出始めている。
ソリューションサービスについては、前年同期比6.5%増の713百万円となった。このうち、海外売上についてはEffyisのソーシャル・ビッグデータ販売が好調に推移したことで、前年同期比68百万円の増収となった。一方、国内売上については前年同期に計上した大型案件がなくなったこともあり同25百万円の減収となった。なお、Effyisの業績については売上高で前年同期比12%増の650百万円、営業利益で50百万円(前年同期は約30百万円の損失)だったと見られる。主要顧客であるグローバルIT企業向けにソーシャル・ビッグデータ販売が増加したほか、2017年5月に新たにデータ使用権契約を締結した米Redditのソーシャルニュースウェブサイト「reddit」上のソーシャルメディアデータを販売できることになったことも増収要因となった。「reddit」は月間2.7億人を超えるユーザーが利用する世界有数のニュースWebサイトで口コミ数も多く、ソーシャルメディアデータの使用権を獲得できたことは、同社サービスの価値並びに競争力向上に寄与するものと考えられる。
クロスバウンドサービスは前年同期比46.5%増の82百万円となった。ソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費動向分析レポート「トレンドExpress」が堅調に推移したことに加えて、新たにサービスを開始した「トレンドPR」を含めたマーケティング支援サービスが順調に立ち上り、増収要因となった。「トレンドPR」については主に化粧品や日用品等の中小企業10数社から受注を獲得しており、いずれも高い評価を受けリピート契約につながっている。
(2) 利益の増減要因
営業力の増減要因について見ると、増益要因としてはEffyisの減損損失593百万円がなくなったことに加えて、増収に伴う売上総利益の増加や販管費等の削減効果が挙げられる。販管費は前年同期比で16百万円減少したが、この内訳を見るとクロスバウンドサービスの営業体制強化に伴い人件費が23百万円増加した一方で、販売権償却費が19百万円、貸倒引当金が16百万円、研究開発費が7百万円それぞれ減少した。
なお、売上原価率が前年同期比で2.3ポイント上昇したが、これはEffyisにおける仕入額の増加や、一部ソーシャルメディアデータで値上げが実施されたこと、サーバーの切り替えに伴う費用が発生したことなどが挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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