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enish Research Memo(1):「欅のキセキ」の投入で業績は急回復へ

注目トピックス 日本株
enish<3667>は、モバイルゲームの企画・開発・運営会社。ブラウザゲームからネイティブアプリに軸足をシフトしている。大型IP「欅のキセキ」の開発を軸にゲーム事業を強化するとともに、非ゲーム事業を育成することで安定した収益基盤を構築し、中長期的な成長を目指す戦略である。

1. 欅坂46の公式ゲームアプリ「欅のキセキ」が2017年秋配信予定
2015年12月期以降、損失計上が続いてきた同社の業績も、2017年秋配信予定の大型IP「欅のキセキ」の寄与により2018年12月期以降は黒字化する見通しだ。「欅のキセキ」は人気アイドルグループ欅坂46初の公式ゲームアプリとなる。欅坂46が歩んだキセキ(軌跡/奇跡)とメンバーの成長をたどるドキュメンタリーライブパズルゲームで、メンバーの撮り下ろし写真やムービー等の豊富なコンテンツも用意している。9月19日に事前登録が開始され、開始からわずか2日間で事前登録者数15万人を突破し、現在も好調に事前登録者数が推移している。収益へのインパクトとしては、月間で数億円程度の売上が期待できると見られる。同じアイドルグループの乃木坂46のゲームアプリ「乃木恋」の売上高が同程度で推移しているためだ。同タイトルのみで2018年12月期の業績は大幅増収、利益も4期ぶりに黒字化するものと弊社では予想している。

2. その他ゲーム事業は選択と集中を進める
その他のゲーム事業については、ネイティブアプリにリソースを集約していく戦略で、主要タイトルである「12オーディンズ」の大規模アップデートを2017年内に予定しているほか、海外配信も中国、香港、台湾、マカオに続いてタイでも決定し、今後の配信に伴うレベニューシェアの貢献が期待される。ネイティブアプリについては今後も年間1〜2本ペースで新規タイトルを投入していく計画だ。一方で、ブラウザゲームについては「ぼくのレストラン2」「ガルショ☆」の既存2タイトルに集中する。

3. 非ゲーム事業を育成
同社は収益の安定性を高めるため非ゲーム事業の育成に取り組んでいる。2016年1月よりスタートした女性向けファッションレンタルサービス「EDIST. CLOSET」は着実に会員数を伸ばしており、2017年内に単月ベースでの黒字化が見えてきており、2019年には会員数(無料会員含む)で10万人を目標としている。その他、恋活・婚活アプリ「metune」の配信を2017年4月より開始したほか、ゲーム周辺事業として2017年6月よりヤフー株式会社が運営する「Yahoo!ゲーム」のスマートフォン向け人気ゲームアプリをWindows®パソコンで楽しむことができるPC用アプリケーション「Yahoo!ゲーム プレイヤー」が提供開始され、その開発を担当している。

※スマートフォン向けゲームアプリをWindowsパソコンで利用するためのPC用アプリケーションのこと。専用のランチャーソフトをインストール・起動することで、スマートフォンとWindowsパソコンの両方でプレイすることが可能となる。2017年7月末時点で5タイトルが利用可能となっている。


4. 2017年12月期第2四半期累計業績の概要
2017年12月期第2四半期累計業績は売上高で前年同期比22.8%減の1,937百万円、営業損失で432百万円(前年同期は158百万円の損失)となった。一部のゲームタイトルの譲渡やクローズをした影響で売上高が大きく落ち込んだことや、新規IPタイトルの開発費用計上、非ゲーム事業への投資等もあって営業損失が拡大した。2017年12月期通期の会社側業績見通しについては、現時点で予想が困難なため非開示となっている。

■Key Points
・モバイルゲームの企画・開発・運営会社で、ブラウザゲームからネイティブアプリ、非ゲーム事業へと展開
・2017年秋配信予定の「欅のキセキ」効果で業績急回復を見込む
・ファッションレンタルサービスは2017年内の単月黒字化が射程圏内に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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