ワールドHD Research Memo(7):人材・教育ビジネスが下期も好調を持続
[17/10/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 事業セグメント別見通し
(1) ファクトリー事業
ワールドホールディングス<2429>のファクトリー事業の売上高は前期比13.9%増の34,299百万円、セグメント利益は同7.8%増の2,242百万円となる見通し。ただ、第2四半期までの進捗率が売上高で54.3%、セグメント利益で62.5%と過半を超えており、下期も物流向けが主要顧客との取引拡大により一段と拡大が見込めること、エレクトロニクスや自動車、機械向けも好調を持続すると見られることから、通期業績は上振れする可能性が高い。特に、物流向けに関しては大手EC事業者の物流量が拡大しており、物流センターの増設が予想されていることから2018年も高成長が見込まれる。なお、セグメント利益率については人材育成・組織強化に向けての投資を実施する予定となっているため、上期の7.5%からは若干低下する見通しだ。
(2) テクノ事業
テクノ事業の売上高は前期比14.4%増の11,818百万円、セグメント利益は同7.4%減の940百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で50.7%、セグメント利益で68.3%と計画を上回るペースで推移している。下期も半導体、情報通信サービス向けを中心に需要は旺盛で、売上高は2ケタ成長が見込まれるが、利益面では、期初段階で人材採用・育成費用の増加を要因に減益を見込んでいる。下期はデザインセンターを横浜に新設したこともあり、未経験者の採用を一段と積極的に増やし、育成していく方針となっている。このため、こうした人材をどの程度採用できるかで、下期の利益水準も変わってくるものと予想される。それでも足下の状況からすれば、通期でも増益となる可能性が高いと弊社では見ている。なお、日研テクノについては売上規模で約8億円の水準で、利益ベースは若干の損失が続いていたが、今期は経営管理手法の見直しや顧客企業との取引関係見直し、一眼レフカメラなど高採算分野での修理対象品種の拡大が進み、通期で黒字化の達成が見えてきている。
(3) R&D事業
R&D事業の売上高は前期比15.7%増の6,400百万円、セグメント利益は同1.9%増の582百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で48.2%、セグメント利益で46.5%とほぼ会社計画どおりの進捗となっている。医薬品メーカーや化学メーカーにおける研究開発分野のアウトソーシング需要を取り込みながら、収益を拡大していく見通しだ。同事業においても下期は人材採用・育成の取組みを強化していく方針で、利益率は若干低下することが予想される。
なお、CRO事業についても増収増益を見込む。モニター人員の採用・育成に取り組みながら収益拡大を目指す。同事業については案件が大型化する傾向にあり、一定規模の人員体制でないと受注を獲得するのが困難になってきている。このため、複数の同業他社と共同受注に向けた取り組みを進めており、2018年にも受注を獲得できる可能性がある。こうした成功事例が増えてくれば、同事業の収益も一段と拡大していくことが予想される。
(4) セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の売上高は前期比15.0%増の6,500百万円、セグメント利益は同33.9%増の397百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で46.7%、セグメント利益で34.8%と低くなっているが、同事業は年末商戦の第4四半期が繁忙期となるため、計画対比では上回るペースで推移している。販売員派遣、オペレーター及び軽作業派遣ともに順調に拡大する見通しで、稼働スタッフの稼働効率向上もあり、セグメント利益率も前期の5.3%から上昇する見込み。
(5) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比47.0%増の50,685百万円、セグメント利益は同28.4%減の3,702百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で40.6%、セグメント利益で34.8%と計画を若干下回るものの、下期の挽回は十分可能と見られる。
売上高の内訳としては、デベロップメント関連で280〜290億円(前期223億円)、リノベーション関連で100億円弱(同82億円)、ユニットハウス及びレンタル関連で30億円弱(同18億円)といずれも増収を見込んでおり、これに新規連結した戸建住宅関連(豊栄建設)の80億円と販売受託等その他売上が加わる。利益面では、デベロップメント関連で減益を見込んでいるほか、リノベーションやユニットハウス関連でも保守的に見て減益計画となっている。ただ、リノベーションやユニットハウス関連については上期が増収増益で推移しており、通期でもこの基調に変わりないと見られる。
デベロップメントのうち、マンション分譲販売戸数は143戸(前期147戸)を見込んでいる。野村不動産(株)との共同事業となる大規模マンション「ONE PARK RESIDENTIAL TOWER(全345戸※1)」(仙台市太白区)が3月より販売開始となっており売上増に寄与する。また、リノベーションでは地域に密着した営業活動により仕入物件を獲得し、事業規模を拡大していく。仕入れに関してはデベロップメントを展開するグループ会社が仙台、東京、大阪、福岡にあり、これら会社については創業からの歴史も古く、地元の不動産情報に関して幅広いネットワークを有している。こうしたネットワークを活用することで、仕入物件の拡大を進めていく戦略で、将来的に戸建リノベーションで業界トップ※2を目指している。
ユニットハウス関連では、新製品トイレハウスが好評なほか、ここ最近需要が拡大しているレンタル倉庫なども手掛けていく計画で大手2社※3を追撃する。また、戸建住宅関連では豊栄建設で北海道エリア拡大のため苫小牧にモデルハウスを新規オープンしたほか、今後は東北エリアにも展開していく計画で、デベロップメント関連を展開するグループ会社との連携を進めながら事業を拡大していく戦略となっている。
※1 共同事業比率に応じて、販売戸数を按分してカウントする。同物件は事業比率50%となり、全戸引渡完了した場合、同社での販売戸数は172戸(小数点以下切捨て)としてカウントする。
※2 業界トップは(株)カチタスで年間の販売戸数で約3,000戸の規模となっている(同社の2016年販売実績は410戸)。
※3 ユニットハウスの市場規模は年間1,100億円程度で、このうち上位2社(ナガワ<9663>、三協フロンテア<9639>)で約40%のシェアを握っている。
(6) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比31.7%増の10,198百万円、セグメント利益は同0.3%増の245百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で41.4%、セグメント利益で61.4%となっており、利益ベースで計画を上回る進捗となっている。売上高は携帯電話ショップのM&Aを進めていくことで大幅増収を目指していく。利益面では、M&A等に伴う費用増も見込まれることから前期比横ばい水準を保守的に見込んでいる。
(7) その他事業
その他事業の売上高は前期比727.8%増の3,943百万円、セグメント利益は同103.9%増の36百万円となる見通し。売上高はファームの子会社化によって大幅増収となるが、利益面ではのれん償却分(約70百万円)も含めるとマイナス要因となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別見通し
(1) ファクトリー事業
ワールドホールディングス<2429>のファクトリー事業の売上高は前期比13.9%増の34,299百万円、セグメント利益は同7.8%増の2,242百万円となる見通し。ただ、第2四半期までの進捗率が売上高で54.3%、セグメント利益で62.5%と過半を超えており、下期も物流向けが主要顧客との取引拡大により一段と拡大が見込めること、エレクトロニクスや自動車、機械向けも好調を持続すると見られることから、通期業績は上振れする可能性が高い。特に、物流向けに関しては大手EC事業者の物流量が拡大しており、物流センターの増設が予想されていることから2018年も高成長が見込まれる。なお、セグメント利益率については人材育成・組織強化に向けての投資を実施する予定となっているため、上期の7.5%からは若干低下する見通しだ。
(2) テクノ事業
テクノ事業の売上高は前期比14.4%増の11,818百万円、セグメント利益は同7.4%減の940百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で50.7%、セグメント利益で68.3%と計画を上回るペースで推移している。下期も半導体、情報通信サービス向けを中心に需要は旺盛で、売上高は2ケタ成長が見込まれるが、利益面では、期初段階で人材採用・育成費用の増加を要因に減益を見込んでいる。下期はデザインセンターを横浜に新設したこともあり、未経験者の採用を一段と積極的に増やし、育成していく方針となっている。このため、こうした人材をどの程度採用できるかで、下期の利益水準も変わってくるものと予想される。それでも足下の状況からすれば、通期でも増益となる可能性が高いと弊社では見ている。なお、日研テクノについては売上規模で約8億円の水準で、利益ベースは若干の損失が続いていたが、今期は経営管理手法の見直しや顧客企業との取引関係見直し、一眼レフカメラなど高採算分野での修理対象品種の拡大が進み、通期で黒字化の達成が見えてきている。
(3) R&D事業
R&D事業の売上高は前期比15.7%増の6,400百万円、セグメント利益は同1.9%増の582百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で48.2%、セグメント利益で46.5%とほぼ会社計画どおりの進捗となっている。医薬品メーカーや化学メーカーにおける研究開発分野のアウトソーシング需要を取り込みながら、収益を拡大していく見通しだ。同事業においても下期は人材採用・育成の取組みを強化していく方針で、利益率は若干低下することが予想される。
なお、CRO事業についても増収増益を見込む。モニター人員の採用・育成に取り組みながら収益拡大を目指す。同事業については案件が大型化する傾向にあり、一定規模の人員体制でないと受注を獲得するのが困難になってきている。このため、複数の同業他社と共同受注に向けた取り組みを進めており、2018年にも受注を獲得できる可能性がある。こうした成功事例が増えてくれば、同事業の収益も一段と拡大していくことが予想される。
(4) セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の売上高は前期比15.0%増の6,500百万円、セグメント利益は同33.9%増の397百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で46.7%、セグメント利益で34.8%と低くなっているが、同事業は年末商戦の第4四半期が繁忙期となるため、計画対比では上回るペースで推移している。販売員派遣、オペレーター及び軽作業派遣ともに順調に拡大する見通しで、稼働スタッフの稼働効率向上もあり、セグメント利益率も前期の5.3%から上昇する見込み。
(5) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比47.0%増の50,685百万円、セグメント利益は同28.4%減の3,702百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で40.6%、セグメント利益で34.8%と計画を若干下回るものの、下期の挽回は十分可能と見られる。
売上高の内訳としては、デベロップメント関連で280〜290億円(前期223億円)、リノベーション関連で100億円弱(同82億円)、ユニットハウス及びレンタル関連で30億円弱(同18億円)といずれも増収を見込んでおり、これに新規連結した戸建住宅関連(豊栄建設)の80億円と販売受託等その他売上が加わる。利益面では、デベロップメント関連で減益を見込んでいるほか、リノベーションやユニットハウス関連でも保守的に見て減益計画となっている。ただ、リノベーションやユニットハウス関連については上期が増収増益で推移しており、通期でもこの基調に変わりないと見られる。
デベロップメントのうち、マンション分譲販売戸数は143戸(前期147戸)を見込んでいる。野村不動産(株)との共同事業となる大規模マンション「ONE PARK RESIDENTIAL TOWER(全345戸※1)」(仙台市太白区)が3月より販売開始となっており売上増に寄与する。また、リノベーションでは地域に密着した営業活動により仕入物件を獲得し、事業規模を拡大していく。仕入れに関してはデベロップメントを展開するグループ会社が仙台、東京、大阪、福岡にあり、これら会社については創業からの歴史も古く、地元の不動産情報に関して幅広いネットワークを有している。こうしたネットワークを活用することで、仕入物件の拡大を進めていく戦略で、将来的に戸建リノベーションで業界トップ※2を目指している。
ユニットハウス関連では、新製品トイレハウスが好評なほか、ここ最近需要が拡大しているレンタル倉庫なども手掛けていく計画で大手2社※3を追撃する。また、戸建住宅関連では豊栄建設で北海道エリア拡大のため苫小牧にモデルハウスを新規オープンしたほか、今後は東北エリアにも展開していく計画で、デベロップメント関連を展開するグループ会社との連携を進めながら事業を拡大していく戦略となっている。
※1 共同事業比率に応じて、販売戸数を按分してカウントする。同物件は事業比率50%となり、全戸引渡完了した場合、同社での販売戸数は172戸(小数点以下切捨て)としてカウントする。
※2 業界トップは(株)カチタスで年間の販売戸数で約3,000戸の規模となっている(同社の2016年販売実績は410戸)。
※3 ユニットハウスの市場規模は年間1,100億円程度で、このうち上位2社(ナガワ<9663>、三協フロンテア<9639>)で約40%のシェアを握っている。
(6) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比31.7%増の10,198百万円、セグメント利益は同0.3%増の245百万円となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で41.4%、セグメント利益で61.4%となっており、利益ベースで計画を上回る進捗となっている。売上高は携帯電話ショップのM&Aを進めていくことで大幅増収を目指していく。利益面では、M&A等に伴う費用増も見込まれることから前期比横ばい水準を保守的に見込んでいる。
(7) その他事業
その他事業の売上高は前期比727.8%増の3,943百万円、セグメント利益は同103.9%増の36百万円となる見通し。売上高はファームの子会社化によって大幅増収となるが、利益面ではのれん償却分(約70百万円)も含めるとマイナス要因となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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