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ASJ Research Memo(2):レンタルサーバー事業から決済代行サービスを拡充

注目トピックス 日本株
■会社概要

ASJ<2351>の創業は1984年。現在、代表取締役会長兼社長の丸山治昭(まるやまはるあき)氏が、株式会社アドミラルシステムという名称で立ち上げた。創業者の丸山氏がアイデアマンで、かつ根っからの技術者だけに、成長した今なお、開発型企業としてのイメージが強い。後述するRNCDDS(Random Network Coded Distributed Data System)の開発などがそれを端的に示していると言えよう。

当初は、パッケージソフトウェアを手掛けていたが、1995年ごろから米国発でインターネットが普及し始める。

そこで同社は、サーバーで勝負することになり、1996年に第2の創業とも言えるレンタルサーバー事業に進出したのである。以来、後述するASJサーバーを軸に成長路線を歩み出した。現在は、アプリケーションとデータベースを連動させ、いろいろなサービスを付加価値とし、クラウドの原点を追求する企業活動を行っている。

【ASJの沿革】
当時は、サーバーと言えば、インターネットの先進国である米国のものを日本で再販するビジネススタイルが主流だった。日本で作ったサーバーは同社以外に1社しか存在しておらず、ライバル企業がほとんどいないなかで、レンタルサーバーを拡大させた経緯がある。世間がITバブルとなっていた1999年頃に上場を意識するようになり、その頃になるとレンタルサーバーも順調に広がりをみせ、2003年に東証マザーズ市場に上場を果たす。上場時点には、年商6〜7億円規模の企業に成長していた。

レンタルサーバーは、言わば、ストックビジネスであり、一旦受注すれば売上高が安定するものの、それでは大きな成長は見込みにくい。さらに、レンタルサーバーの低価格化も進んだ。同社は、低価格化に対応するために、その流れに追随するのではなくサービスの安定化やサーバーにアプリケーションを載せるなど高付加価値を進め、事業として発展させてきた。

加えて、高い成長を目指すために、サーバー以外の事業にも力を注ぐ。その中でも収益に大きく貢献したのが、プロ野球選手評価情報「BBR(ベースボールレイティング)」、それを活用した日本野球機構承認のプロ野球オンラインゲーム「ドリームベースボール」である。

「ドリームベースボール」の大ヒットもあって、2008年には売上高、利益ともに一旦ピークを付けた。その後、リーマンショックによって、事業環境が悪化するなかで、決済代行サービスなど成長に向けて新たな事業に取り組むことになる。 基本的に、サーバーは自前で、そこにアプリケーションを乗せるが、それも自前。外注に一切頼らないビジネス構造のため、それがサービスの安定化に繋がっている。

他方、同社は成長に向けてM&A戦略にも力を注いできた。2004年には、Webコンテンツ制作事業、Webコミュニティ制作事業を手掛けるイー・フュージョンを傘下入りさせ、2007年には通信販売業などを展開するASJコマースを子会社化した。さらに、直近の2016年には、人事給与管理システム開発、販売及びSIソリューションサービスを手掛けるNTTデータ系のアイテックスを買収、子会社化している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)


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