AOITYOHold Research Memo(2):TVCM制作においては業界トップシェアを握る
[17/10/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 事業概要
AOI TYO Holdings <3975>は、AOI Pro.とTYOを傘下にする共同持株会社であり、TVCMの企画・制作を始め、広告主直接取引やWeb動画等のデジタルコンテンツを軸としたソリューション事業などを手掛けている。業界大手2社の経営統合により2017年1月に設立され、TVCM制作においてはトップシェアを誇る※。
※これまで、東北新社<2329>を筆頭に、AOI Pro.とTYOの業界大手3社が業界のシェア3~4割を分け合う構造が続いてきたが、今回の経営統合によりトップシェアを握るに至った。
事業セグメントは、広告事業及び映像関連事業であるが、サブセグメントとして、「広告映像制作事業」、「その他制作事業」、「ソリューション事業」、「海外事業」、「映像関連事業」の5つに分類される。従来からの主力である「広告映像制作事業」が売上高全体の73.3%を占める一方、成長領域である「ソリューション事業」が足元で大きく伸びており、今後の成長ドライバーとして注力している。
また、顧客別の売上構成比率は、「電通グループ」向けが25.1%、「博報堂グループ」向けが30.4%、「直接取引」が26.0%、「その他」が18.5%となっている。「直接取引」はこれまでTYOが得意としてきたが、経営統合後も「ソリューション事業」の伸びに連動する形で増加している。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) 広告映像制作事業
TVCMなど広告映像の企画・制作を行っている。AOI Pro.及びTYOともに主力としてきた事業であり、業界大手2社の経営統合によりトップシェアを握るに至った。堅調な受注環境が続くなか、両社ともに数々の優れたTVCMを手掛けてきた。ただ、インターネットの普及などに伴う媒体価値の変化やプリントレスによる収益性低下の懸念などに直面しており、事業構造の変革や業務効率化が課題となっている。
(2) その他制作事業
広告映像以外の制作事業で、映画やドラマ、イベントの企画制作、Webの制作や販促物の制作などが含まれる。
(3) ソリューション事業
顧客の問題解決のための施策を提供する事業である。現在は、TYO営業統括本部※1とAOI Pro.の子会社(株)Quark tokyo※2による業績をほぼ合算したものとなっているが、今後の成長領域としてAOI Pro.体験設計部を中心に取り組んでいるVR事業も含まれている。
※1 広告主直接取引により、複合的なメディア展開などを軸としたワンストップソリューションを提供している。
※2 動画を中心としたオンラインコンテンツの戦略立案、企画、制作、データ解析、メディア配信までのPDCAソリューションを提供している。
(4) 海外事業
中国及び東南アジア(タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア、インド)に海外拠点を構え、日系企業を始め、現地企業との取引拡大を図っている。AOI Pro.及びTYOともに積極的に取り組んできた地域が多く、今後の成長ドライバーの1つに位置付けられる。
(5) 映像関連事業
広告事業以外の事業であり、一般消費者向けの写真スタジオの運営※やミュージックビデオの制作等を行っている。
※AOI Pro.の子会社(株)ホリーホックが手掛けている。六本木東京ミッドタウンに1号店となる旗艦店を出店すると、その後徐々に店舗数を増やし、現在は4店舗を数える。
2. 沿革
(1) AOI Pro.
同社の業績は古く、1963年にTVCM制作を目的とする株式会社葵プロモーションとして、東京都港区に設立されたところに溯る。一貫してTVCMを主力とする映像制作会社として事業基盤を確立。1990 年には更なる発展と社会的信用を高めるために、業界の中で先陣を切ってJASDAQに上場した。
その後も、話題性に溢れた数々の映像作品を生み出すことで順調に業績を拡大し、2000年には東証1部へ上場。大手TVCM制作会社の一角として、名実ともに確固たるポジションを確立してきた。
一方、2011年9月には、インドネシアにTVCM 制作関連業務を行うための海外拠点を開設、また、2014年10月には、新たな成長領域である動画コンテンツマーケティング事業の本格展開を目指し、オンライン動画プラットフォームの効果測定及び運用を得意とするナカミノ(株)※を資本提携によりグループ化(持分法適用関連会社)するなど、多様化するメディアへの対応やWeb動画等のデジタルコンテンツへの需要拡大、成長著しいアジアへの日系企業の進出などを見据え、同業他社に先駆けて体制を構築してきた。
※2015年12月末には追加出資により連結子会社化し、2016年4月に(株)Quark tokyoに商号を変更。
(2) TYO
同社は、1982年4月に東京都港区六本木においてTVCM制作会社として設立された。大手TVCM制作会社3社の中では後発となる。現在もAOI TYO Holdingsの代表取締役を務めている吉田博昭(よしだひろあき)氏が5名のCMクリエイターとともに、「クリエイターの、クリエイターによる、クリエイターのための理想の会社づくり」という夢を掲げて同社を立ち上げた。
2002年にJASDAQへ上場。その後もJR東海(東海旅客鉄道<9022>)の「そうだ。京都、行こう」など、消費者の印象に残る数々のTVCM制作を手掛けてきたクリエイティブ力を武器に業績を拡大し、2013年10月に東証2部へ市場変更すると、2014年1月には東証1部へ指定となった。
TVCM、デジタルメディア(Web等)やイベントなど多様なコンテンツ制作を手掛け、広告主の広告宣伝や販促活動に最適となるワンストップソリューションに強みを持つ。また、業界に先行して※広告主直接取引の営業体制・ノウハウを蓄積しており、広告主との長期的な関係の構築、案件規模の拡大、販売促進費の獲得にも注力し、さらに、海外展開にも積極的に取り組んできた。
※2003年7月より広告主直接取引の営業を開始し、現在はTYO 営業統括本部がTYOグループ全体の広告主直接取引の営業を担う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<MW>
1. 事業概要
AOI TYO Holdings <3975>は、AOI Pro.とTYOを傘下にする共同持株会社であり、TVCMの企画・制作を始め、広告主直接取引やWeb動画等のデジタルコンテンツを軸としたソリューション事業などを手掛けている。業界大手2社の経営統合により2017年1月に設立され、TVCM制作においてはトップシェアを誇る※。
※これまで、東北新社<2329>を筆頭に、AOI Pro.とTYOの業界大手3社が業界のシェア3~4割を分け合う構造が続いてきたが、今回の経営統合によりトップシェアを握るに至った。
事業セグメントは、広告事業及び映像関連事業であるが、サブセグメントとして、「広告映像制作事業」、「その他制作事業」、「ソリューション事業」、「海外事業」、「映像関連事業」の5つに分類される。従来からの主力である「広告映像制作事業」が売上高全体の73.3%を占める一方、成長領域である「ソリューション事業」が足元で大きく伸びており、今後の成長ドライバーとして注力している。
また、顧客別の売上構成比率は、「電通グループ」向けが25.1%、「博報堂グループ」向けが30.4%、「直接取引」が26.0%、「その他」が18.5%となっている。「直接取引」はこれまでTYOが得意としてきたが、経営統合後も「ソリューション事業」の伸びに連動する形で増加している。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) 広告映像制作事業
TVCMなど広告映像の企画・制作を行っている。AOI Pro.及びTYOともに主力としてきた事業であり、業界大手2社の経営統合によりトップシェアを握るに至った。堅調な受注環境が続くなか、両社ともに数々の優れたTVCMを手掛けてきた。ただ、インターネットの普及などに伴う媒体価値の変化やプリントレスによる収益性低下の懸念などに直面しており、事業構造の変革や業務効率化が課題となっている。
(2) その他制作事業
広告映像以外の制作事業で、映画やドラマ、イベントの企画制作、Webの制作や販促物の制作などが含まれる。
(3) ソリューション事業
顧客の問題解決のための施策を提供する事業である。現在は、TYO営業統括本部※1とAOI Pro.の子会社(株)Quark tokyo※2による業績をほぼ合算したものとなっているが、今後の成長領域としてAOI Pro.体験設計部を中心に取り組んでいるVR事業も含まれている。
※1 広告主直接取引により、複合的なメディア展開などを軸としたワンストップソリューションを提供している。
※2 動画を中心としたオンラインコンテンツの戦略立案、企画、制作、データ解析、メディア配信までのPDCAソリューションを提供している。
(4) 海外事業
中国及び東南アジア(タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア、インド)に海外拠点を構え、日系企業を始め、現地企業との取引拡大を図っている。AOI Pro.及びTYOともに積極的に取り組んできた地域が多く、今後の成長ドライバーの1つに位置付けられる。
(5) 映像関連事業
広告事業以外の事業であり、一般消費者向けの写真スタジオの運営※やミュージックビデオの制作等を行っている。
※AOI Pro.の子会社(株)ホリーホックが手掛けている。六本木東京ミッドタウンに1号店となる旗艦店を出店すると、その後徐々に店舗数を増やし、現在は4店舗を数える。
2. 沿革
(1) AOI Pro.
同社の業績は古く、1963年にTVCM制作を目的とする株式会社葵プロモーションとして、東京都港区に設立されたところに溯る。一貫してTVCMを主力とする映像制作会社として事業基盤を確立。1990 年には更なる発展と社会的信用を高めるために、業界の中で先陣を切ってJASDAQに上場した。
その後も、話題性に溢れた数々の映像作品を生み出すことで順調に業績を拡大し、2000年には東証1部へ上場。大手TVCM制作会社の一角として、名実ともに確固たるポジションを確立してきた。
一方、2011年9月には、インドネシアにTVCM 制作関連業務を行うための海外拠点を開設、また、2014年10月には、新たな成長領域である動画コンテンツマーケティング事業の本格展開を目指し、オンライン動画プラットフォームの効果測定及び運用を得意とするナカミノ(株)※を資本提携によりグループ化(持分法適用関連会社)するなど、多様化するメディアへの対応やWeb動画等のデジタルコンテンツへの需要拡大、成長著しいアジアへの日系企業の進出などを見据え、同業他社に先駆けて体制を構築してきた。
※2015年12月末には追加出資により連結子会社化し、2016年4月に(株)Quark tokyoに商号を変更。
(2) TYO
同社は、1982年4月に東京都港区六本木においてTVCM制作会社として設立された。大手TVCM制作会社3社の中では後発となる。現在もAOI TYO Holdingsの代表取締役を務めている吉田博昭(よしだひろあき)氏が5名のCMクリエイターとともに、「クリエイターの、クリエイターによる、クリエイターのための理想の会社づくり」という夢を掲げて同社を立ち上げた。
2002年にJASDAQへ上場。その後もJR東海(東海旅客鉄道<9022>)の「そうだ。京都、行こう」など、消費者の印象に残る数々のTVCM制作を手掛けてきたクリエイティブ力を武器に業績を拡大し、2013年10月に東証2部へ市場変更すると、2014年1月には東証1部へ指定となった。
TVCM、デジタルメディア(Web等)やイベントなど多様なコンテンツ制作を手掛け、広告主の広告宣伝や販促活動に最適となるワンストップソリューションに強みを持つ。また、業界に先行して※広告主直接取引の営業体制・ノウハウを蓄積しており、広告主との長期的な関係の構築、案件規模の拡大、販売促進費の獲得にも注力し、さらに、海外展開にも積極的に取り組んできた。
※2003年7月より広告主直接取引の営業を開始し、現在はTYO 営業統括本部がTYOグループ全体の広告主直接取引の営業を担う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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