AOITYOHold Research Memo(5):成長領域への積極投資や業務効率化で一定の成果
[17/10/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■AOI TYO Holdings<3975>の活動実績
1. 主力事業の状況と主な取り組み
(1) 広告映像制作事業
TVCM等従来型メディアの広告制作市場が横ばい(ないし減少傾向)にて推移するなかで、「広告映像制作事業」の売上高は前年同期比1.2%減の24,723百万円と微減収となったが、おおむね堅調に推移したと言える。注目すべきは、実行利益率※が33.8%(前年同期は32.2%)に改善したことにより、業績全体の収益性向上に貢献したことである。案件受注段階からの厳格な精査・選別、売上原価管理の徹底等、より採算性重視の営業管理体制構築が奏功した。
※実行利益は、売上高から外部支出原価を差し引いた数値
(2) ソリューション事業
注力する「ソリューション事業」の売上高は、前年同期比218.7%増の3,687百万円と大きく伸びた。なお、そのうち、TYO営業統括本部の売上高が2,384百万円(前年同期比170.0%増)、AOI Pro.の子会社Quark tokyoによる売上高が1,286百万円(前年同期は175百万円)とそれぞれ大きく拡大している。前者については、得意とする「広告主直接取引」において、新規広告主(新興の成長企業)から大型案件受注があったことや、既存広告主の案件拡大が業績の伸びに寄与した。また、後者についても、本格稼働から2年目となり案件受注が軌道に乗り始めた。特に、PDCAによる動画コンテンツマーケティングの需要拡大により大企業向け直接取引などが伸びているようだ。
一方、AOI Pro.が手掛けるVR事業(AOI VR)についても、VRをビジネス活用するサービスライン「VR Insight TM」※1第1弾サービスの「VR ON AIR TEST(VR OAT)」※2プロトタイプを発表し、事業の展望がいよいよ具体化してきた。
※1 アルティテュード(株)、(株)BlueMeme、FOVE, Inc.、ニューロスカイジャパン(株)、アップフロンティア(株)、(株)ブライセンと共同で、2017年3月より開発を始動。センシングテクノロジーを活用し無意識領域へのアプローチを試み、感情の数値化により「インサイト」を捉える。今後、「VR InsightTM」をベースにした新しいビジネスデザイン、サービス開発に積極的に取り組んでいく。
※2 「VR OAT」は、VR空間で映像を視聴する人の生体反応(視線、脳波、心電心拍等)を取得、さらに視聴前後のアンケートデータと組み合わせることでリサーチを強化するという映像評価の仕組み。「リアルな反応」を扱うのが特徴で、本人でも気づかない無意識(深層心理、潜在意識)による意思決定や行動を科学的に把握し、「映像が心におよぼす影響」の解明を目指す。今後、商用化を推進。
2. 統合効果の進捗
統合効果の早期実現に向け、(1)コーポレート部門の再編、(2)成長領域への積極投資、(3)外部支出低減などに取り組んでいる。統合効果の進捗としては、まだ緒についたばかりという段階ではあるが、成長領域への投資(特に、VR関連)や業務効率化などで一定の成果があった。
(1) コーポレート部門の再編
コーポレート部門については2018年1月にホールディングスへ集約予定であるが、オフィスは各部門ごとに統合済みである。また、新規事業の開発・リサーチ及び海外での人材育成等を担う研究開発チーム(Pathfinder室)を新設した。
(2) 成長領域への積極投資
注力するVRコンテンツの開発※1や価値観クリエイティブコンソーシアムの設立※2、ベンチャーファンドの設立※3のほか、前述したVR OATなどに取り組んだ。
※1 人に手を引かれながら世界や日本の素晴らしい場所を散策する体験ができるVRコンテンツ「WONDERFUL WORLD ーVR Private Tour TM」の試作版を発表。
※2 アマナ<2402>、シナジーマーケティング(株)、DIC<4631>との協業により、各社の持つ技術やノウハウ、クリエイティブリソースを蓄積・共有し、ヒトの「価値観」を共通の基準としてクリエイティブの最適化を目指す「価値観クリエイティブコンソーシアム(仮称)」を設立。
※3 (株)フィールドマネージメントと共同で、広告ニーズのあるベンチャー企業向けに投資を実施する「Ad Hack Ventures」ファンドを設立。
(3) 外部支出低減
業務効率化や受注体制の構築に取り組み、一定の成果を残すことができた。また、撮影機材レンタル事業の集約についても、これから進めていく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<MW>
1. 主力事業の状況と主な取り組み
(1) 広告映像制作事業
TVCM等従来型メディアの広告制作市場が横ばい(ないし減少傾向)にて推移するなかで、「広告映像制作事業」の売上高は前年同期比1.2%減の24,723百万円と微減収となったが、おおむね堅調に推移したと言える。注目すべきは、実行利益率※が33.8%(前年同期は32.2%)に改善したことにより、業績全体の収益性向上に貢献したことである。案件受注段階からの厳格な精査・選別、売上原価管理の徹底等、より採算性重視の営業管理体制構築が奏功した。
※実行利益は、売上高から外部支出原価を差し引いた数値
(2) ソリューション事業
注力する「ソリューション事業」の売上高は、前年同期比218.7%増の3,687百万円と大きく伸びた。なお、そのうち、TYO営業統括本部の売上高が2,384百万円(前年同期比170.0%増)、AOI Pro.の子会社Quark tokyoによる売上高が1,286百万円(前年同期は175百万円)とそれぞれ大きく拡大している。前者については、得意とする「広告主直接取引」において、新規広告主(新興の成長企業)から大型案件受注があったことや、既存広告主の案件拡大が業績の伸びに寄与した。また、後者についても、本格稼働から2年目となり案件受注が軌道に乗り始めた。特に、PDCAによる動画コンテンツマーケティングの需要拡大により大企業向け直接取引などが伸びているようだ。
一方、AOI Pro.が手掛けるVR事業(AOI VR)についても、VRをビジネス活用するサービスライン「VR Insight TM」※1第1弾サービスの「VR ON AIR TEST(VR OAT)」※2プロトタイプを発表し、事業の展望がいよいよ具体化してきた。
※1 アルティテュード(株)、(株)BlueMeme、FOVE, Inc.、ニューロスカイジャパン(株)、アップフロンティア(株)、(株)ブライセンと共同で、2017年3月より開発を始動。センシングテクノロジーを活用し無意識領域へのアプローチを試み、感情の数値化により「インサイト」を捉える。今後、「VR InsightTM」をベースにした新しいビジネスデザイン、サービス開発に積極的に取り組んでいく。
※2 「VR OAT」は、VR空間で映像を視聴する人の生体反応(視線、脳波、心電心拍等)を取得、さらに視聴前後のアンケートデータと組み合わせることでリサーチを強化するという映像評価の仕組み。「リアルな反応」を扱うのが特徴で、本人でも気づかない無意識(深層心理、潜在意識)による意思決定や行動を科学的に把握し、「映像が心におよぼす影響」の解明を目指す。今後、商用化を推進。
2. 統合効果の進捗
統合効果の早期実現に向け、(1)コーポレート部門の再編、(2)成長領域への積極投資、(3)外部支出低減などに取り組んでいる。統合効果の進捗としては、まだ緒についたばかりという段階ではあるが、成長領域への投資(特に、VR関連)や業務効率化などで一定の成果があった。
(1) コーポレート部門の再編
コーポレート部門については2018年1月にホールディングスへ集約予定であるが、オフィスは各部門ごとに統合済みである。また、新規事業の開発・リサーチ及び海外での人材育成等を担う研究開発チーム(Pathfinder室)を新設した。
(2) 成長領域への積極投資
注力するVRコンテンツの開発※1や価値観クリエイティブコンソーシアムの設立※2、ベンチャーファンドの設立※3のほか、前述したVR OATなどに取り組んだ。
※1 人に手を引かれながら世界や日本の素晴らしい場所を散策する体験ができるVRコンテンツ「WONDERFUL WORLD ーVR Private Tour TM」の試作版を発表。
※2 アマナ<2402>、シナジーマーケティング(株)、DIC<4631>との協業により、各社の持つ技術やノウハウ、クリエイティブリソースを蓄積・共有し、ヒトの「価値観」を共通の基準としてクリエイティブの最適化を目指す「価値観クリエイティブコンソーシアム(仮称)」を設立。
※3 (株)フィールドマネージメントと共同で、広告ニーズのあるベンチャー企業向けに投資を実施する「Ad Hack Ventures」ファンドを設立。
(3) 外部支出低減
業務効率化や受注体制の構築に取り組み、一定の成果を残すことができた。また、撮影機材レンタル事業の集約についても、これから進めていく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<MW>