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カイカ?-レオス・キャピタルに対する割当増資を実施、調達資金の活用によりフィンテック・仮想通貨分野での成長余地が急拡大へ

注目トピックス 日本株
カイカ<2315>は10月31日、中小型株運用で定評のあるレオス・キャピタルワークスを割当先とする第三者割当増資を実施すると発表した。増資額は23.30億円で、3,478万株をすべてレオス・キャピタルワークスに割り当てる。払込期日は11月16日となっている。調達資金の使途は、M&A及び資本・業務提携としている。


カイカでは、中期経営計画「新たな成長に向けたステージへ」において、21年10月期売上高を300億円とする数値目標を掲げている。目標達成に向けて、フィンテックをキーワードとした新規金融市場関連、ブロックチェーン技術を中心とした新たな社会インフラ関連ソリューションへの進出による事業規模の拡大を目的として、積極的にM&A及び資本・業務提携を行う方針としている。

加えて、直近で社員技術者の稼働率が非常に高まってきており、引き合いに対して提案できないケースも増えている。そのため、今後のビジネス拡大に向けて、人的リソース確保と顧客層の拡大、事業領域の拡張が必要となっている。このための有効な選択肢として、スピード感を持って対応できるM&Aの積極展開を志向している。

ターゲットとする企業の規模感としては、シナジー効果が得られれば、規模の大小に関わらず、複数社とのM&A及び資本・業務提携を検討しているが、M&Aの目安としては、売上高5億円程度から40億円程度の複数の企業の株式過半数以上を取得する想定であり、合計で売上規模100億円程度となる企業をターゲットとする。

具体的には、フィンテック分野においては、フィンテック技術を適用できるサービス/プロダクト/ソリューションを保有している企業などが候補となり、カイカのフィンテック技術と組み合わせることで、高付加価値が図れるとみられる。また、金融系ユーザーとの取引がある企業も、フィンテック技術を適用したソリューションをダイレクトに販売できることから有望となろう。既存事業においても、クロスセールスやリソース(技術者)が共有できる同業者などは、主にSIerからの受注拡大を図る意味で有効な戦略となる。

また、カイカは10月26日、今10月期の業績修正を発表している。営業利益は4.5億円から3.1億円に下方修正したものの、経常利益は4.4億円から7.1億円へ大幅上方修正となった。新規案件の獲得遅延、ブロックチェーンを利用したソフト開発など先行投資費用計上で、営業利益こそ下振れたものの、仮想通貨トレードシステムのテスト運用などによる仮想通貨運用益や貸倒引当金戻入益などを営業外収益に計上したことで、経常利益は上振れる形となった。

売上減少に伴って営業利益は下方修正となったが、徹底したコスト削減によって、2017年10月期の第3四半期は前年同期比で販管費を約25%削減できている。損益分岐点は通期売上高で44億円以下と大幅に引き下がっており、売上拡大により営業利益の大幅増が可能な体質となってきた。注力中のフィンテック分野の売上も順調に拡大中であり、今10月期の同分野売上高は、前期比ほぼ倍増の水準にまで拡大の見通し。通販会社向けスマートペイの開発、コンサル会社向け株価予測システム、仮想通貨取引所向けBTC決済システムおよびトレードシステム構築などが主な案件となっている。

フィスコ<3807>グループの事業基盤も生かして、仮想通貨やブロックチェーンでは多くの企業との事業提携や協業を行っており、同分野における技術やノウハウで先行。仮想通貨ではデリバティブトレードなどの先進的なシステムも構築しているが、今後、仮想通貨の市場が国内のみならず世界的に広がっていくことにより、デリバティブトレードの機会は大きく拡大することも予想される。今回の増資は既存株主にとって短期的に10.8%の希薄化を招くが、資金調達による積極的なM&A展開などによって、市場拡大が大きく期待される分野での成長余地が一段と広がることから、早い段階で希薄化以上の価値向上が見込めることになろう。




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