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ヨシムラフード Research Memo(8):東証1部上場を果たしM&Aの制約がはずれたため、M&Aの加速を期待

注目トピックス 日本株
■成長戦略

1. 中期成長イメージ
特に中期経営計画はないが、ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>は企業価値を高めるための目標として経常利益率5%、自己資本当期純利益率(ROE)15%を掲げている。

中小企業のM&Aなどを仲介する、公的相談窓口の事業引継ぎ支援センターの成約実績が、2012年度から2017年度上期までの累計で1,000件を突破、特に2017年度上半期は前年同期比で1.5倍を超えるペースに加速したとの報道もある(日本経済新聞2017年10月30日朝刊)。同社は資金調達など上場会社としてのメリットを生かし、中小食品企業のM&Aをさらに推進する考えである。また、グループ企業の増加に伴ってシナジーを拡大するには、「中小企業支援プラットフォーム」の更なる強化が必要となる。そして、販路の共有化や営業の管理・支援、新たな販売チャネルの開拓などによって売上を拡大し、規模拡大による仕入れのスケールメリット、製造拠点や管理業務の集約による効率化によって利益率を上げていく考えである。

なかでも同社が中期成長のために足元ですべきことは、M&Aやプラットフォームの関連業務の人材を強化することである。ただし、M&Aについては、現在の体制でも中期的なM&Aは賄えるという考えである。一方、プラットフォームについては、子会社数の拡大においても子会社の成長においても、強化・拡張が必要である。物流や品質管理についてはそれでもまだ猶予はあるが、商品開発面では親会社の同社としてはすぐにでも支援したいところだろう。というのも、子会社各社は中小食品企業であるがゆえに商品力はあっても商品開発力が足りず、商品開発力が不足すると成長ができなくなるからである。また、事業領域の拡大策の1つとして、高付加価値商品を製造する企業のM&Aによる海外展開も考慮中だが、ならばますます商品開発力のある人材は必要ということになるだろう。

ところで、2017年3月に東京証券取引所1部に上場市場を変更したが、満を持したように2017年10月にヤマニ野口水産を子会社化した。2016年3月の東証マザーズ上場後は、上場準備の制約がなくなった途端、2016年7月に純和食品、9月に榮川酒造とエスケーフーズを子会社化した。同社のM&Aのペースは、年間200件程度の案件から10件程度でオーナーと面談、うち6件程度が子会社になるというイメージである。東証マザーズ上場後の半年でM&A3件は、同社にとって快適なペースということだろう。ならば東京証券取引所1部への上場準備による制限が解除された今、少なくとも年間6件程度のM&Aを期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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