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トライSTG Research Memo(3):DM事業が好調もテレビ事業の粗利益率低下により営業利益は減益に転じる

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2018年2月期第2四半期累計業績の概要
トライステージ<2178>の2018年2月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比22.5%増の27,807百万円、営業利益が同35.6%減の553百万円となった。売上高はテレビ事業やDM事業が好調に推移したほか、2018年2月期第2四半期より連結対象となったアドフレックスの売上664百万円が加わったことにより、半期ベースで過去最高を更新したものの、営業利益はテレビ事業の粗利益率低下や新規事業となる通販事業の立ち上げ費用、M&Aで取得した子会社における人件費や広告宣伝費の増加等によって3年ぶりの減益に転じた。期初会社計画比では売上高はDM事業の好調により計画を2.9%上回ったが、営業利益はテレビ事業の粗利益率低下を主因に同16.4%下回った。ただ、この中には一時的な要因となる特定クライアント向けの売上値引き処理117百万円が入っており、同要因を除けば前年度下期並みの水準だった。

売上原価率が前期比0.9ポイント上昇したが、これは主にテレビ事業の粗利益率低下と粗利率の低いDM事業の売上構成比が前年同期の24.8%から29.3%に上昇したことが要因となっている。また、販管費については前期比で606百万円の増加となったが、主な増加要因は、人件費で181百万円、広告宣伝費で112百万円、賃借料で73百万円、のれん償却費で51百万円となっており、これらはM&Aで取得した子会社並びに新規設立した子会社によるものとなっている。

なお、2018年2月期第2四半期累計では経常損失が72百万円(前年同期は839百万円の利益)となったが、これは持分法による投資損失621百万円を計上したことが要因となっている。持分法適用関連会社であるTV Direct(出資比率15.0%、保有株数97.5百万株)の2017年8月末時点の株価が1.52THBと取得時よりも大きく下落したことで関係会社株式の評価替えを実施し、のれんの一時償却費として564百万円等を計上した。この影響で、親会社株主に帰属する四半期純利益についても194百万円の損失(同505百万円の利益)となった。

TV Directの業績はタイ国王逝去による一時的な消費冷え込みをきっかけとして、2016年10月-12月期に損失を計上し、2017年に入ってからも低迷が続いている。主力商材であった健康器具の販売ピークアウトが要因と見られる。こうした収益状況から、2017年10月末時点の株価も1.37THBと8月末の水準を下回っている。今の株価水準で期末まで推移したとすれば、評価替えだけで持分法投資損失が更に膨らむ可能性がある。ただ、期末時点で株価が1.75THBを上回れば、会計方針により評価替えを行う必要はなく、一時償却費用も発生しないことになる。同社はTV Directの業績回復施策として、日本や韓国の健康食品、化粧品等をTV Directのテレビ通販番組で販売していく計画としており、11月から出荷を開始する予定にしている。これら商材は健康器具と比較して平均単価が低いため収益回復の即効性は低いものの、リピート客を獲得できるため、収益の安定化に寄与するものと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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