ADワークス Research Memo(3):2018年3月期第2四半期累計業績は2ケタ増収増益と好調に推移
[17/12/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2018年3月期第2四半期累計の業績概要
エー・ディー・ワークス<3250>の2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比28.9%増の12,189百万円、EBITDAが同27.4%増の812百万円、営業利益が同46.5%増の753百万円、経常利益が同75.9%増の616百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同38.1%増の383百万円と2ケタ増収増益となり、8月時点の会社予想に対しても、売上高、利益ともに若干上回って着地した。米国での収益不動産販売事業が大きく伸びたほか、賃料収入や仲介サービス収入等の増加によってストック型フィービジネスの収益が好調に推移したことが主因だ。なお、売上高を地域別で見ると、国内売上高は前年同期比8.6%増の9,163百万円、米国売上高は同197.0%増の3,026百万円となった。
2017年9月末の収益不動産残高については、前期末比15.1%減の17,254百万円と減少した。首都圏の中古マンション市況が高止まりするなかで、採算性を重視しながら仕入活動を厳選して進めたことが要因だ。
なお、2017年9月には同社初の自社開発オフィスビル「AD-O渋谷道玄坂」(地上11階、地下1階/延べ床面積1,931.98平米)が竣工している。2階フロア部分を除いてすべて契約済みとなっており、賃料収入は月800〜900万円、利回りは償却前で5〜6%となっている。なお、2階フロアについてはスタートアップ間もない有望な不動産テック企業に低価格設定で貸し出す予定にしており、11月下旬より公募を開始し、2018年3月に入居者を決定するスケジュールとなっている。同社は今後、不動産テック事業を強化していく方針となっており、入居する企業に関わらず、有望なスタートアップ企業とのコラボレーションや出資を進めていくことも同時に検討している。
2. 事業セグメント別動向
(1) 収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前年同期比29.0%増の11,070百万円、EBITDAは同4.2%減の865百万円、営業利益は同5.0%増の857百万円となった。売上高は好調に推移したもののEBITDAマージンは前年同期の10.5%から7.8%と低下する格好となった。ただ、会計基準が前年同期からは若干変わっており、同一基準で試算し直すと前年同期の実質EBITDAマージンは8.4%の水準となり、EBITDAマージンの低下は若干程度にとどまっていることになる。
具体的に見ると、前年同期は固定資産売却益として特別利益に計上した案件(1,712百万円)を売上高として含めると、前年同期の売上高は10,296百万円となり、また、費用配分基準を同一にすると同様にEBITDAは862百万円※となる。この試算値と比較した当第2四半期累計の売上高は7.5%増収、EBITDAは0.3%増益となる。
※費用配分でストック型フィービジネスに含まれていた費用を収益不動産事業の費用として計算。
地域別の販売棟数を見ると、国内で18棟(前年同期は21棟)、米国で12棟(同4棟)となった。米国事業の増収分の大半は収益不動産販売事業になると見られることから、当第2四半期累計における増収分の過半は米国の寄与によるものと見ることができる。一方、国内についても販売棟数は減少したものの、大型物件の販売寄与もあり増収を確保した。一方、仕入については国内で18棟(前年同期は26棟)、米国で9棟(同7棟)となり、仕入額については前年同期比53.2%減の5,417百万円と大きく減少した。前述したように、採算性を重視した仕入活動を進めたことが要因となっている。
この結果、2017年9月末の収益不動産残高は前年同期比5.3%減の17,254百万円(国内15,113百万円、米国2,141百万円)と減少に転じている。収益不動産残高の直近のピークは2017年3月末の20,318百万円(国内17,543百万円、米国2,775百万円)で、同水準からは15.1%減少したことになる。米国についても3月末との比較では減少しているが、これは想定よりも販売が順調に進んだことが要因となっている。なお、収益不動産平均残高については前年同期比9.6%増の18,377百万円となっている。3月末の保有残高が高水準であったことが要因だ。
(2) ストック型フィービジネス事業
ストック型フィービジネス事業の売上高は前年同期比31.0%増の1,301百万円、EBITDAは同42.7%増の488百万円、営業利益は同43.6%増の458百万円と好調に推移した。なお、前年同期の費用配分基準を当期と同一にした実質EBITDAの伸び率で見ると、同27.4%増益となる。
収益不動産の期中平均残高が前年同期比9.6%増と増加したことにより、賃料収入が同14.9%増の556百万円と増加したほか、PM事業では2017年9月末の不動産管理戸数が前年同期11.6%増の4,342戸に増加し、不動産管理収入が増加したこと、既存オーナー物件の販売仲介手数料収入が増加したこと等が増収増益要因となった。なお、PM事業ではリノベーション業務を担う子会社を設立し、コスト管理をコントロールできるようになったことで、利益を生み出す体質に改善している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2018年3月期第2四半期累計の業績概要
エー・ディー・ワークス<3250>の2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比28.9%増の12,189百万円、EBITDAが同27.4%増の812百万円、営業利益が同46.5%増の753百万円、経常利益が同75.9%増の616百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同38.1%増の383百万円と2ケタ増収増益となり、8月時点の会社予想に対しても、売上高、利益ともに若干上回って着地した。米国での収益不動産販売事業が大きく伸びたほか、賃料収入や仲介サービス収入等の増加によってストック型フィービジネスの収益が好調に推移したことが主因だ。なお、売上高を地域別で見ると、国内売上高は前年同期比8.6%増の9,163百万円、米国売上高は同197.0%増の3,026百万円となった。
2017年9月末の収益不動産残高については、前期末比15.1%減の17,254百万円と減少した。首都圏の中古マンション市況が高止まりするなかで、採算性を重視しながら仕入活動を厳選して進めたことが要因だ。
なお、2017年9月には同社初の自社開発オフィスビル「AD-O渋谷道玄坂」(地上11階、地下1階/延べ床面積1,931.98平米)が竣工している。2階フロア部分を除いてすべて契約済みとなっており、賃料収入は月800〜900万円、利回りは償却前で5〜6%となっている。なお、2階フロアについてはスタートアップ間もない有望な不動産テック企業に低価格設定で貸し出す予定にしており、11月下旬より公募を開始し、2018年3月に入居者を決定するスケジュールとなっている。同社は今後、不動産テック事業を強化していく方針となっており、入居する企業に関わらず、有望なスタートアップ企業とのコラボレーションや出資を進めていくことも同時に検討している。
2. 事業セグメント別動向
(1) 収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前年同期比29.0%増の11,070百万円、EBITDAは同4.2%減の865百万円、営業利益は同5.0%増の857百万円となった。売上高は好調に推移したもののEBITDAマージンは前年同期の10.5%から7.8%と低下する格好となった。ただ、会計基準が前年同期からは若干変わっており、同一基準で試算し直すと前年同期の実質EBITDAマージンは8.4%の水準となり、EBITDAマージンの低下は若干程度にとどまっていることになる。
具体的に見ると、前年同期は固定資産売却益として特別利益に計上した案件(1,712百万円)を売上高として含めると、前年同期の売上高は10,296百万円となり、また、費用配分基準を同一にすると同様にEBITDAは862百万円※となる。この試算値と比較した当第2四半期累計の売上高は7.5%増収、EBITDAは0.3%増益となる。
※費用配分でストック型フィービジネスに含まれていた費用を収益不動産事業の費用として計算。
地域別の販売棟数を見ると、国内で18棟(前年同期は21棟)、米国で12棟(同4棟)となった。米国事業の増収分の大半は収益不動産販売事業になると見られることから、当第2四半期累計における増収分の過半は米国の寄与によるものと見ることができる。一方、国内についても販売棟数は減少したものの、大型物件の販売寄与もあり増収を確保した。一方、仕入については国内で18棟(前年同期は26棟)、米国で9棟(同7棟)となり、仕入額については前年同期比53.2%減の5,417百万円と大きく減少した。前述したように、採算性を重視した仕入活動を進めたことが要因となっている。
この結果、2017年9月末の収益不動産残高は前年同期比5.3%減の17,254百万円(国内15,113百万円、米国2,141百万円)と減少に転じている。収益不動産残高の直近のピークは2017年3月末の20,318百万円(国内17,543百万円、米国2,775百万円)で、同水準からは15.1%減少したことになる。米国についても3月末との比較では減少しているが、これは想定よりも販売が順調に進んだことが要因となっている。なお、収益不動産平均残高については前年同期比9.6%増の18,377百万円となっている。3月末の保有残高が高水準であったことが要因だ。
(2) ストック型フィービジネス事業
ストック型フィービジネス事業の売上高は前年同期比31.0%増の1,301百万円、EBITDAは同42.7%増の488百万円、営業利益は同43.6%増の458百万円と好調に推移した。なお、前年同期の費用配分基準を当期と同一にした実質EBITDAの伸び率で見ると、同27.4%増益となる。
収益不動産の期中平均残高が前年同期比9.6%増と増加したことにより、賃料収入が同14.9%増の556百万円と増加したほか、PM事業では2017年9月末の不動産管理戸数が前年同期11.6%増の4,342戸に増加し、不動産管理収入が増加したこと、既存オーナー物件の販売仲介手数料収入が増加したこと等が増収増益要因となった。なお、PM事業ではリノベーション業務を担う子会社を設立し、コスト管理をコントロールできるようになったことで、利益を生み出す体質に改善している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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