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日証金 Research Memo(6):上期の好決算に基づき、通期の業績試算値を上方修正

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

同社グループの主要業務である証券金融業務の業績は、株式市況・金利等の動向により大きく影響を受けるため、日本証券金融<8511>では業績予想の開示を行っていない。ただし、グループの業態に適した開示を行うことを目的に、業績試算値を公表している。試算値は四半期ごとに見直しを行い、決算の発表の際に公表している。

日経平均株価が20数年ぶりの高水準となるなか、上期は貸借取引の平均残高が、融資3,138億円(前年同期比19.0%増)、貸株3,738億円(同64.5%増)となり、前回(7月時点)想定(融資3,000億円、貸株3,000億円)を上回ったことから、新たな試算の前提を融資3,100億円、貸株3,700億円に引き上げた。一方、貸付金利の水準と証券会社の資金需要の両面に影響を与える金融政策の動向については、2018年3月期中に変化があるとは想定しづらいため、業績の試算に当たっては足元の状況が続くとしている。

以上から、同社単体の2018年3月期の業績試算値は、営業利益2,500百万円(前期比631百万円増)、経常利益3,200百万円(同563百万円増)、当期純利益2,700百万円(同367百万円増)と、前回試算値から上方修正した。

さらに、日証金信託銀行は、信託業務が底堅く推移しており前回試算値から上方修正したが、信託勘定の待機資金増加の影響から前期比減益を予想している。また、日本ビルディングについても不動産管理物件が満室となり、前回試算値を上回る利益水準を予想しているが、特別利益に計上していた投資有価証券売却益がはく落することから当期純利益については前期比減益となる見込みである。

この結果、グループ連結の業績試算値は、営業利益3,400百万円(前期比597百万円増)、経常利益4,100百万円(同488百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円(同221百万円増)の大幅な増収増益となった。

下期に入っても、日経平均株価は11月初旬には一時23,000円台を突破し、また同社の10月の融資平残実績は3,284億円、貸株平残実績も4,232億円と業績試算値の前提を上回って推移している。今後の市場環境次第ではあるが、このまま推移すれば2018年3月期通期の業績は同社の新試算値をさらに上回る可能性もありそうだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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