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DDHD Research Memo(3):ゼットン及び商業藝術を連結化するとともに持株会社体制へ移行

注目トピックス 日本株
■DDホールディングス<3073>の会社概要

2. グループ会社の状況
同社グループは、同社と連結子会社15社(国内7社、海外8社)及び非連結子会社1社の計17社で構成される(2017年8月末現在)※。前述のとおり、2017年6月1日から、ゼットン及び商業藝術が連結対象となった。

※シンガポールでラーメンダイニング等を手掛けてきたDiamond Dining Singapore Pte. Ltd.については、2016年8月末に事業撤退を完了している。


(1)ゼットンとの資本業務提携(連結化)の背景

ゼットンは、「店づくりは街づくり」を基本理念とし、「ALOHA TABLE」ブランドによるハワイアンレストラン事業を軸とするほか、ビアガーデン事業やブライダル事業、ハワイを中心とした海外事業なども展開している。2017 年2 月末の直営店舗数は70 店舗(うち、海外は3 店舗)。直近(2017 年2 月期)の業績は、売上高が9,908 百万円、営業利益が219 百万円、経常利益が335 百万円、親会社株主に帰属する当期純損失442 百万円となっている。なお、本件(42%の株式取得)※に係る取得価額は1,528百万円、のれん代は1,369百万円(19.25年間の均等償却)である。

※会計上の支配下基準(役員派遣等を含む経営指導等のリレーション強化を目的とした合意書締結によるもの)による連結化


ゼットンとの資本業務提携(連結化)により、同社には以下のようなメリットが想定される。

1) ブランドポートフォリオの拡充(ハワイアンフードとノンアルコール類を中心に提供するハワイアン・カフェなどのブランドの獲得)

2) 地域的な補完(特に、ゼットンが営業基盤とする中部地区の強化)

3) 同社の海外店舗とは異なる海外進出ノウハウの獲得(同社が現地人及び米国本土からの旅行者を対象としていることに対して、ゼットンは日本人旅行者を対象)

4) 運営ノウハウと経験豊富な人材の獲得(特に、レストランブライダル分野)

5) 季節的な業績変動要因の緩和(同社が冬季偏重であるのに対して、ゼットンは夏季偏重)

一方、ゼットンにとっても以下のような価値創出が想定される。

1) 同社との提携により取引先への交渉力や人材採用面での強化が図れること

2) 同社の物流購買機能等を活用することで仕入れコストの削減が期待できること

3) 同社の会員制度システムである「DD POINT」や「予約コールセンター」、「24 時間オンライン予約システム」に参加することにより、同社の会員や来店客を誘導できること※

※「 DD POINT」会員サービスについては、2017年 2 月よりゼットンの一部店舗で導入済。


(2)商業藝術の完全子会社化(100%子会社)の背景

商業藝術(旧商号:Jellyfish.)は、1993年の創業以来、「あなたを上映する/make a Cinema Day」というスローガンのもと、広々とした小上がり席でおくつろぎいただけるカフェ「chano-ma」業態、京都おばんざいをメインにした和食店「茶茶」業態、開放的な海沿いのゲストハウスウェディングの「CASA FELIZ」等、広島県をはじめ関東圏、中部圏、関西圏、福岡県など幅広いエリアで事業を展開している。2017年3月末の飲食直営店舗数は80店舗、結婚式場1店舗、美容室2店舗の合計83店舗を運営。直近(2016年9月期)の業績は、売上高が7,616百万円、営業利益が155百万円、経常利益が163百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が56百万円となっている。なお、本件(100%の株式取得)に係る取得価額は1,810百万円、のれん代は1,775百万円(20年間の均等償却)である。

商業藝術の完全子会社化(100%子会社)により、同社には以下のようなメリットが想定される。

1) 双方が持つブランド及びこれまで培ってきた業態開発ノウハウ、立地戦略、教育システム、管理システム並びに仕入れ等を共有することにより、企業価値の向上及びコスト削減等のシナジー効果が期待できる

2) 「中国地方での直営飲食店の展開」及び「商業施設等でのノンアルコール業態」の強みを同社に融合することにより、エリア展開領域の拡大及び事業領域の拡充を実現することができる

一方、商業藝術にとってのメリットは、前述したゼットンと同様と考えられる。

(3) エスエルディーとの資本業務提携(持分法適用関連会社化)の背景

2017年11月14日、エスエルディーを公開買付けによって取得し、資本業務提携契約を締結すると発表している。エスエルディーは、様々なブランド(業態)の開発を行い、主要都市繁華街エリアを中心に、「kawara CAFE&DINING」ブランドをはじめとするカフェダイニング業態をメインとした飲食店舗のほか、「LOOP」ブランドによるライブハウスを直営にて運営する『飲食サービス事業』、及び直営店舗の出店を伴わないイベント企画等や店舗プロデュースサービスを提供する『コンテンツ企画サービス事業』を展開している。2017年9月末の飲食店舗は65店舗となっており、直近の業績(2017年3月期)は、売上高5,505百万円、営業損失58百万円、経常損失41百万円、当期純損失171百万円となっている。なお、買付期間は2017年11月15日から12月13日で、買付代金(43%の株式取得)は687百万円となる。

エスエルディーとの資本業務提携により、同社には以下のようなメリットが想定される。

1) 消費者嗜好の多様化に対応できるブランドポートフォリオの拡充
2) 出店エリアのドミナント戦略の最大化
3) スケールメリットを生かした共同購買や購買ノウハウの共有による原価削減

一方、エスエルディーにとっても以下のような価値創出が想定される。

1) 企業理念の実現に向けた動きが加速すること
2) 取引先への価格交渉力が強化されることに加え、管理部門や購買・店舗開発・設計・デザイン等からなる営業バックアップ部門の共通化が可能となることから、コスト削減が期待できること
3) 同社の会員制度システムである「DD POINT」や「予約コールセンター」、「24時間オンライン予約システム」に参加することで、同社の会員や来店客を誘導できること

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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