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ユニリタ Research Memo(1):ソリューション提供力の強化や新製品の開発では一定の成果

注目トピックス 日本株
■要約

1. 会社概要
ユニリタ<3800> は、金融や製造を始め、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェアの開発・販売・サポートのほか、データ活用ソリューションの提供を手掛けている。2015 年4月に連結子会社の(株)ビーコン インフォメーション テクノロジー(以下、ビーコンIT)を吸収合併するとともに、社名を株式会社ビーエスピー(BSP)から株式会社ユニリタに変更。成長領域であるデータ活用分野に強みを持つビーコンITとの経営資源の統合を図ることで、環境変化に対応するための事業構造変革を進めてきた。特に、これまで同社の業績を支えてきた既存事業(システム運用の自動化、効率化の推進により顧客の生産性向上に貢献する領域)と新たな事業(データ活用により顧客の企業価値向上に直接貢献する領域)との掛け合わせにより、同社は新たな成長フェーズに入ってきたと言える。

2. 経営体制への移行と今後の方向性
2017年4月には、事業構造変革を加速するための世代交代として、代表取締役の異動を伴う経営体制の変更を行った。新体制では、「UNIRITA Smart Formation Service」を軸に、顧客のデジタル変革のスムーズな実現に向けて、上流(コンサルティング)から基盤構築、機能の実装、運用及びBPOに至るまで、グループ一体となって支援する方向性を打ち出している。また、業種業界に強みを持つパートナー企業(販売代理店)やIT資源の補完関係にあるアライアンス先との協業などにより、自社製品販売にとどまらないソリューション提供力(顧客に対する直接的な課題解決や新しいビジネスの創造など)の強化にも取り組む方針である。

3. 2018年3月期上期決算の概要
ただ、2018年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比2.9%減の3,311百万円、営業利益が同23.3%減の561百万円と減収減益となり、期初予想を下回る進捗となった。「クラウド事業」や「メインフレーム事業」が伸びたものの、「プロダクト事業」及び「ソリューション事業」の落ち込みが業績の足を引っ張った。前期のような大型案件の受注に至らなかったことが主因であるが、「ソリューション事業」については、「プロダクト事業」の低迷に伴う技術支援サービスの受注減による影響が大きかった。また、営業と技術が一体となった新たな営業体制(上流からの提案活動)についても、上期中の成果には至らなかったと言える。ただ、今後に向けては、アライアンスによるソリューション提供力の強化や新たな価値を創造する商品・サービスの開発などで一定の成果を残すことができた。また、子会社によるバス事業者向けIoT型ソリューションなども順調に伸びている。


4. 2018年3月期の業績見通し
2018年3月期の業績予想について同社は、上期業績の進捗や足元の状況等を踏まえ、減額修正を行った。修正後の業績予想として、売上高を前期比0.8%増の7,000百万円、営業利益を同5.2%減の1,380百万円と微増収ながら減益を見込んでいる。上期に引き続き、「クラウド事業」や「メインフレーム事業」の伸びが増収に寄与する前提である。一方、「プロダクト事業」はほぼ横ばいを確保するものの、「ソリューション事業」が大きく落ち込むことにより、全体では微増収にとどまる見通しとなっている。弊社では、需要が拡大している「クラウド事業」が伸びていること、収益性の高い「メインフレーム事業」が堅調に推移していることに加えて、上期に出遅れた「プロダクト事業」においてもパートナー企業との協業やソリューション提案等が徐々に成果に結びついてくることから、同社の業績予想に達成は十分に可能であるとみている。むしろ、来期以降の成長加速に向けて、営業体制の強化(上流からの提案活動)やパートナー企業との協業モデルの推進、ユーザー企業との新たなビジネスの共創など、同社独自の価値創造モデルの完成度をいかに高め、具体的な成果に結び付けていくのか、その進捗状況に注目したい。

■Key Points
・2018年3月期上期決算は減収減益となり、期初予想を下回る進捗(通期業績予想を減額修正)
・前期のようなプロダクト販売の大型案件がなかったことや技術支援サービスの落ち込みが計画未達要因
・一方、アライアンス先との協業モデルや新たな製品・サービスの開発では一定の成果
・新体制のもと、ソリューション提供力の強化を図り、顧客のデジタル変革の実現を共創するパートナーを目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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