ピクセラ Research Memo(3):2017年9月期第2四半期において収益を大きく改善し、黒字転換を達成
[17/12/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2016年9月期通期決算
ピクセラ<6731>の2016年9月期通期の決算は、売上高が前期比32.6%減の1,901百万円、営業損失が393百万円(前期は366百万円の営業損失)、経常損失が453百万円(前期は355百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が481百万円(前期は277百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。2012年9月期以降、5期連続での営業損失を計上し、営業損失・経常損失・親会社株主に帰属する当期純損失ともに、前期より損失額が増加した。売上総利益率は前期比で3.8ポイント改善し、販管費も前期比で8.8%減少したが、売上高の大幅な減少を補えなかった。
通期業績予想は、2015年11月に売上高3,854百万円、営業利益57百万円、経常利益45百万円、親会社株主に帰属する当期純利益31百万円と発表した予想数値を、2016年7月に売上高2,036百万円、営業損失343百万円、経常損失398百万円、親会社株主に帰属する当期純損失438百万円へ下方修正したが、2016年9月期実績は売上高・各利益ともに下方修正後の予想数値を下回った。期首予想の主な修正理由は、主力製品の固定回線事業者向けワイヤレスチューナーが、モデルチェンジに伴う現行機種の販売減少と後継機種の販売開始時期の遅れにより16億円の売上高減少、4億円の営業利益減少と見込まれたことによる。
(1) セグメントの状況
AV関連事業においては、PC向けテレビキャプチャーはOEM向けが堅調に推移し、リテール向けも前期比で増収となったものの、主力の固定回線事業者向けワイヤレスチューナーの販売がモデルチェンジの影響で落ち込み、モバイルチューナーも有料TV配信サービスの終了に伴う販売停止により伸び悩んだほか、ケーブルテレビ局向けIP-STBも販売見込みを大きく下回った。また、ビデオカメラ向け画像編アプリケーションも、ロイヤルティ及び開発案件の減少により減収となった。AV関連事業の売上高は前期比30.9%減の1,762百万円、全社費用450百万円を配分していないセグメント利益は前期比75.4%減の57百万円となった。新分野では、IoT事業の新ブランドConteを立ち上げ、格安SIMを利用してWi-Fiネットワーク環境を簡単に構築できるLTE対応USBドングルの販売を開始したほか、離れた場所から家の監視や家族の見守りを手軽に導入できるConteホームサービスを開始した。
光触媒関連事業は、ブルネイ政府との省エネ共同研究及びインドでのエネルギー・マネジメント・システムの実証事業のみとなり、売上高は前期比49.2%減の138百万円、全社費用を配分していないセグメント利益は0百万円(前期は125百万円のセグメント損失)となった。
(2) 財務状況
2016年9月期においては、資本の増加と有利子負債の減少により、バランスシートの改善が図られた。純資産は、前期末における240百万円から大きく増加し、686百万円となった。新株予約権の行使により900百万円の株式発行があったことが主な理由であり、自己資本比率は前期末の19.8%から54.1%へ大幅に改善した。流動資産は、現金及び預金が前期末比136百万円増加したこと等により、前期末比103百万円増加した。固定資産は、投資有価証券の売却による前期末比24百万円減少等により前期末比28百万円減少した。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の返済による前期末比53百万円減少、1年内償還予定の新株予約権付社債の償還による前期末比155百万円減少、前受金の前期末比48百万円の減少等により、前期末比300百万円減少した。固定負債は、長期借入金の返済による16百万円減少、1年内償還予定の新株予約権付社債の流動負債への振替による57百万円の減少により、前期末比73百万円減少した。
2016年9月期のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失475百万円計上等により、営業活動によるキャッシュ・フローが471百万円の支出、有形固定資産の取得14百万円、無形固定資産の取得26百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが14百万円の支出となった一方、新株予約権の行使による株式発行900百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが626百万円の収入となった。
2. 2017年9月期第2四半期決算
2017年9月期第2四半期(2016年10月−2017年3月)の決算は、売上高が前年同期比20.1%増の1,216百万円、営業利益が42百万円(前年同期は193百万円の営業損失)、経常利益が30百万円(前年同期は235百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が14百万円(前年同期は238百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。前年同期比での増収に加え、売上総利益率が前年同期の22.5%から36.0%へと大幅に改善し、販管費が前年同期比で6.2%減少したこともあり、2015年9月期第1四半期(2014年10月−12月)以来の四半期での営業利益を計上した。営業損失を計上した2017年9月期の第1四半期(2016年10月−12月)と比べ、2017年9月期第2四半期の単四半期(2017年1月−3月)では、営業利益159百万円、経常利益155百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益140百万円を計上している。
2017年9月期第2四半期の業績予想は、売上高が前年同期比26.9%増の1,284百万円、営業損失が19百万円、経常損失が43百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が46百万円としており、第2四半期の売上高は予想を5.3%下回ったものの、各利益においては損失予想に対して黒字計上を果たしている。
(1) セグメントの状況
AV関連事業は、従来の主力であった固定回線事業者向けワイヤレスチューナーに代わる製品となる4K映像対応STBの開発を新たに受注し、全社業績における増収とともに売上総利益率の向上に大きく寄与した。同STBは屋内で4K映像を視聴できるだけでなく、家庭内の様々なIoT機器をインターネット環境に接続するためのゲートウェイ機能や、スマートフォンや専用端末でのみ視聴できるVR映像を家庭用のテレビでも視聴できるようにする機能等の開発が今後予定されている。また、PC向けテレビキャプチャーと、モバイル向けテレビチューナー関連の新製品が発売されたリテール製品が増収となったほか、前期に販売を開始したSIMフリー対応のLTE対応USBドングルも好調に推移し、収益改善に貢献した。売上高は前年同期比31.6%増の1,203百万円、全社費用249百万円を配分していないセグメント利益は前年同期比6.5倍の292百万円となった。
光触媒関連事業は、ブルネイ政府との省エネ実証実験・共同研究が終了し、売上高は前年同期比87.0%減の12百万円、全社費用を配分していないセグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント損失2百万円)となった。
(2) 財務状況
2017年9月第2四半期末においては、資本の増加がさらに図られた。純資産は、新株予約権の行使による新株発行及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により2016年9月期末における686百万円から増加して863百万円となり、自己資本比率は前期末の54.1%から58.1%へさらに改善した。総資産は、売上債権の前期末比466百万円増加、固定資産の前期末比70百万円の増加等により前期末比222百万円増加した。負債は、1年内返済予定の長期借入金の返済及び1年内償還予定の新株予約権付社債の償還の一方で、未払費用、未払法人税等、未払消費税等、前受金が前期末比で増加したことなどにより、前期末比45百万円増加した。
2017年9月期第2四半期のキャッシュ・フローは、売上債権の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローが272百万円の支出、有形固定資産の取得18百万円、無形固定資産の取得18百万円、投資有価証券の取得30百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが69百万円の支出、新株予約権の行使による株式発行160百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが103百万円の収入となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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1. 2016年9月期通期決算
ピクセラ<6731>の2016年9月期通期の決算は、売上高が前期比32.6%減の1,901百万円、営業損失が393百万円(前期は366百万円の営業損失)、経常損失が453百万円(前期は355百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が481百万円(前期は277百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。2012年9月期以降、5期連続での営業損失を計上し、営業損失・経常損失・親会社株主に帰属する当期純損失ともに、前期より損失額が増加した。売上総利益率は前期比で3.8ポイント改善し、販管費も前期比で8.8%減少したが、売上高の大幅な減少を補えなかった。
通期業績予想は、2015年11月に売上高3,854百万円、営業利益57百万円、経常利益45百万円、親会社株主に帰属する当期純利益31百万円と発表した予想数値を、2016年7月に売上高2,036百万円、営業損失343百万円、経常損失398百万円、親会社株主に帰属する当期純損失438百万円へ下方修正したが、2016年9月期実績は売上高・各利益ともに下方修正後の予想数値を下回った。期首予想の主な修正理由は、主力製品の固定回線事業者向けワイヤレスチューナーが、モデルチェンジに伴う現行機種の販売減少と後継機種の販売開始時期の遅れにより16億円の売上高減少、4億円の営業利益減少と見込まれたことによる。
(1) セグメントの状況
AV関連事業においては、PC向けテレビキャプチャーはOEM向けが堅調に推移し、リテール向けも前期比で増収となったものの、主力の固定回線事業者向けワイヤレスチューナーの販売がモデルチェンジの影響で落ち込み、モバイルチューナーも有料TV配信サービスの終了に伴う販売停止により伸び悩んだほか、ケーブルテレビ局向けIP-STBも販売見込みを大きく下回った。また、ビデオカメラ向け画像編アプリケーションも、ロイヤルティ及び開発案件の減少により減収となった。AV関連事業の売上高は前期比30.9%減の1,762百万円、全社費用450百万円を配分していないセグメント利益は前期比75.4%減の57百万円となった。新分野では、IoT事業の新ブランドConteを立ち上げ、格安SIMを利用してWi-Fiネットワーク環境を簡単に構築できるLTE対応USBドングルの販売を開始したほか、離れた場所から家の監視や家族の見守りを手軽に導入できるConteホームサービスを開始した。
光触媒関連事業は、ブルネイ政府との省エネ共同研究及びインドでのエネルギー・マネジメント・システムの実証事業のみとなり、売上高は前期比49.2%減の138百万円、全社費用を配分していないセグメント利益は0百万円(前期は125百万円のセグメント損失)となった。
(2) 財務状況
2016年9月期においては、資本の増加と有利子負債の減少により、バランスシートの改善が図られた。純資産は、前期末における240百万円から大きく増加し、686百万円となった。新株予約権の行使により900百万円の株式発行があったことが主な理由であり、自己資本比率は前期末の19.8%から54.1%へ大幅に改善した。流動資産は、現金及び預金が前期末比136百万円増加したこと等により、前期末比103百万円増加した。固定資産は、投資有価証券の売却による前期末比24百万円減少等により前期末比28百万円減少した。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の返済による前期末比53百万円減少、1年内償還予定の新株予約権付社債の償還による前期末比155百万円減少、前受金の前期末比48百万円の減少等により、前期末比300百万円減少した。固定負債は、長期借入金の返済による16百万円減少、1年内償還予定の新株予約権付社債の流動負債への振替による57百万円の減少により、前期末比73百万円減少した。
2016年9月期のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失475百万円計上等により、営業活動によるキャッシュ・フローが471百万円の支出、有形固定資産の取得14百万円、無形固定資産の取得26百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが14百万円の支出となった一方、新株予約権の行使による株式発行900百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが626百万円の収入となった。
2. 2017年9月期第2四半期決算
2017年9月期第2四半期(2016年10月−2017年3月)の決算は、売上高が前年同期比20.1%増の1,216百万円、営業利益が42百万円(前年同期は193百万円の営業損失)、経常利益が30百万円(前年同期は235百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が14百万円(前年同期は238百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。前年同期比での増収に加え、売上総利益率が前年同期の22.5%から36.0%へと大幅に改善し、販管費が前年同期比で6.2%減少したこともあり、2015年9月期第1四半期(2014年10月−12月)以来の四半期での営業利益を計上した。営業損失を計上した2017年9月期の第1四半期(2016年10月−12月)と比べ、2017年9月期第2四半期の単四半期(2017年1月−3月)では、営業利益159百万円、経常利益155百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益140百万円を計上している。
2017年9月期第2四半期の業績予想は、売上高が前年同期比26.9%増の1,284百万円、営業損失が19百万円、経常損失が43百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が46百万円としており、第2四半期の売上高は予想を5.3%下回ったものの、各利益においては損失予想に対して黒字計上を果たしている。
(1) セグメントの状況
AV関連事業は、従来の主力であった固定回線事業者向けワイヤレスチューナーに代わる製品となる4K映像対応STBの開発を新たに受注し、全社業績における増収とともに売上総利益率の向上に大きく寄与した。同STBは屋内で4K映像を視聴できるだけでなく、家庭内の様々なIoT機器をインターネット環境に接続するためのゲートウェイ機能や、スマートフォンや専用端末でのみ視聴できるVR映像を家庭用のテレビでも視聴できるようにする機能等の開発が今後予定されている。また、PC向けテレビキャプチャーと、モバイル向けテレビチューナー関連の新製品が発売されたリテール製品が増収となったほか、前期に販売を開始したSIMフリー対応のLTE対応USBドングルも好調に推移し、収益改善に貢献した。売上高は前年同期比31.6%増の1,203百万円、全社費用249百万円を配分していないセグメント利益は前年同期比6.5倍の292百万円となった。
光触媒関連事業は、ブルネイ政府との省エネ実証実験・共同研究が終了し、売上高は前年同期比87.0%減の12百万円、全社費用を配分していないセグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント損失2百万円)となった。
(2) 財務状況
2017年9月第2四半期末においては、資本の増加がさらに図られた。純資産は、新株予約権の行使による新株発行及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により2016年9月期末における686百万円から増加して863百万円となり、自己資本比率は前期末の54.1%から58.1%へさらに改善した。総資産は、売上債権の前期末比466百万円増加、固定資産の前期末比70百万円の増加等により前期末比222百万円増加した。負債は、1年内返済予定の長期借入金の返済及び1年内償還予定の新株予約権付社債の償還の一方で、未払費用、未払法人税等、未払消費税等、前受金が前期末比で増加したことなどにより、前期末比45百万円増加した。
2017年9月期第2四半期のキャッシュ・フローは、売上債権の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローが272百万円の支出、有形固定資産の取得18百万円、無形固定資産の取得18百万円、投資有価証券の取得30百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが69百万円の支出、新株予約権の行使による株式発行160百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが103百万円の収入となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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