イノベーション Research Memo(7):主力の「ITトレンド」「List Finder」で成長加速を見込む
[17/12/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 事業セグメント別見通し
(1) オンラインメディア事業
オンラインメディア事業の売上高は前期比18.7%増の1,137百万円、セグメント利益は同1.6%増の463百万円を見込んでいる。計画達成のために必要となる下期の売上高は前年同期比で23.4%増が必要となる。前述したとおり、SEO対策の効果で第3四半期以降にどの程度、「ITトレンド/BIZトレンド」への来訪者数が回復しているか注目点となる。前第3四半期は127万人の来訪者があったため、2018年3月期第3四半期は2割増となる150万人程度が1つの目安となりそうだ。これは四半期ベースで過去最高を記録した2018年3月期第1四半期並みの水準(153万人)となる。
イノベーション<3970>は来訪者数を増やすためには、SEO対策もさることながら、「ITトレンド」の比較サイトとしての媒体価値を高めるために、IT製品の掲載数やカテゴリー数を拡充していくことが重要と考えている。このため、10月より営業体制を強化し、新規掲載社数の取り込みに注力している。営業スタッフを4名増員したほか、コールセンタースタッフ(外注)によるテレマーケティングを強化している。掲載製品数としては前期末比1.5倍増程度まで拡大していくことを目標としている。
また、同部門では日経BP向けのWeb広告サービスの売上高が前期の77百万円から120百万円程度(上期は47百万円)に増える見込みとなっている。同事業は販売受託手数料を売上計上しているため、下期の利益率向上の一因となる。
(2) セールスクラウド事業
セールスクラウド事業の売上高は前期比13.1%増の338百万円、セグメント利益は同158.8%増の147百万円となる見通し。計画達成のために必要となる下期の売上高は前年同期比で30.4%増が必要だが、第2四半期までの進捗は遅れ気味となっている。同社は「List Finder」のアカウント数拡大に向けて、マーケティング施策の強化とサービス機能強化に下期以降取り組む予定にしている。
マーケティング施策としては、同社がターゲットとする中堅・中小企業を顧客として持つWeb制作会社を始め、大手SIベンダーとの販売パートナー契約を進めていく計画となっているほか、他のクラウドベンダーとのデータ連携を行うことで販路を拡大し、アカウント件数の増加につなげていく。その他の施策としては、インサイドセールス(内勤営業)の人員増強によって営業の生産性を向上させるほか、ブログサイトを通じた見込み顧客の獲得なども行っていく方針だ。直販については引き続き、展示会等への出展により見込み顧客の獲得を進めていく。最近では地方自治体からの引き合いも出てきており、新たな需要開拓先として注目される。
一方、サービス機能の強化としては、使い勝手の向上やパフォーマンスの改善を継続的に行っているほか、セキュリティ対策等のコンプライアンス強化や他システムとの連携等を強化していく。機能面では名寄せなどの名刺管理機能を強化するほか、見込み顧客となる企業の経営データをクローリングで収集して、紐付け管理する機能などを強化していく予定だ。
同社では2018年3月期末のアカウント数の計画を、前期末比で2.2倍増の1,400件としていた。第2四半期までの進捗状況を見ると、計画達成は困難と見られるが、これら施策によってどの程度のペースで増加していくかが注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別見通し
(1) オンラインメディア事業
オンラインメディア事業の売上高は前期比18.7%増の1,137百万円、セグメント利益は同1.6%増の463百万円を見込んでいる。計画達成のために必要となる下期の売上高は前年同期比で23.4%増が必要となる。前述したとおり、SEO対策の効果で第3四半期以降にどの程度、「ITトレンド/BIZトレンド」への来訪者数が回復しているか注目点となる。前第3四半期は127万人の来訪者があったため、2018年3月期第3四半期は2割増となる150万人程度が1つの目安となりそうだ。これは四半期ベースで過去最高を記録した2018年3月期第1四半期並みの水準(153万人)となる。
イノベーション<3970>は来訪者数を増やすためには、SEO対策もさることながら、「ITトレンド」の比較サイトとしての媒体価値を高めるために、IT製品の掲載数やカテゴリー数を拡充していくことが重要と考えている。このため、10月より営業体制を強化し、新規掲載社数の取り込みに注力している。営業スタッフを4名増員したほか、コールセンタースタッフ(外注)によるテレマーケティングを強化している。掲載製品数としては前期末比1.5倍増程度まで拡大していくことを目標としている。
また、同部門では日経BP向けのWeb広告サービスの売上高が前期の77百万円から120百万円程度(上期は47百万円)に増える見込みとなっている。同事業は販売受託手数料を売上計上しているため、下期の利益率向上の一因となる。
(2) セールスクラウド事業
セールスクラウド事業の売上高は前期比13.1%増の338百万円、セグメント利益は同158.8%増の147百万円となる見通し。計画達成のために必要となる下期の売上高は前年同期比で30.4%増が必要だが、第2四半期までの進捗は遅れ気味となっている。同社は「List Finder」のアカウント数拡大に向けて、マーケティング施策の強化とサービス機能強化に下期以降取り組む予定にしている。
マーケティング施策としては、同社がターゲットとする中堅・中小企業を顧客として持つWeb制作会社を始め、大手SIベンダーとの販売パートナー契約を進めていく計画となっているほか、他のクラウドベンダーとのデータ連携を行うことで販路を拡大し、アカウント件数の増加につなげていく。その他の施策としては、インサイドセールス(内勤営業)の人員増強によって営業の生産性を向上させるほか、ブログサイトを通じた見込み顧客の獲得なども行っていく方針だ。直販については引き続き、展示会等への出展により見込み顧客の獲得を進めていく。最近では地方自治体からの引き合いも出てきており、新たな需要開拓先として注目される。
一方、サービス機能の強化としては、使い勝手の向上やパフォーマンスの改善を継続的に行っているほか、セキュリティ対策等のコンプライアンス強化や他システムとの連携等を強化していく。機能面では名寄せなどの名刺管理機能を強化するほか、見込み顧客となる企業の経営データをクローリングで収集して、紐付け管理する機能などを強化していく予定だ。
同社では2018年3月期末のアカウント数の計画を、前期末比で2.2倍増の1,400件としていた。第2四半期までの進捗状況を見ると、計画達成は困難と見られるが、これら施策によってどの程度のペースで増加していくかが注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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