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アンジェス Research Memo(1):国内初となる遺伝子治療薬の承認申請を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況等によって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。

1. 重症虚血肢向けHGF遺伝子治療薬は準備が出来次第国内での承認申請へ
国内における重症虚血肢向けHGF遺伝子治療薬の「条件及び期限付承認制度」を活用した製造販売承認の申請について、既に申請可能となる結果を得ており、準備ができ次第申請が行われる予定だ。審査期間は一般に約1年であり、承認されれば契約先である田辺三菱製薬<4508>からのマイルストーン収入が得られると弊社では見ている。また、米国での治験については、引き続き新たな臨床試験の計画を策定中である。

2. その他プロジェクトの進捗状況について
その他の開発プロジェクトの進捗状況について見ると、米国で第1b相臨床試験開始の許可が下りた椎間板性腰痛症を対象としたNF-κB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)デコイオリゴDNAについては、現在、被験者のスクリーニングを行っている段階にあり、条件がそろえばスタートする。また、オーストラリアでは高血圧DNAワクチンの第1/2相臨床試験届けをTGA(薬品・医薬品行政局)に提出したが、その後TGAから事務的な手続きに関する要求がなされている。現在その対応が続けられており、スタートは来年の見通しとなった。

3. 2020年までの研究開発費、事業費用の調達を目的に第三者割当新株予約権を発行
2017年12月期第3四半期累計(2017年1月-9月)の連結業績は、事業収益で前年同期比0.4%減の255百万円、営業損失で2,743百万円(前年同期は3,760百万円の損失)となった。治験費用の減少により損失額は縮小したものの、開発費用が先行する状況に変わりない。通期業績は事業収益で前期比30.0%減の360百万円、営業損失で3,400百万円(同4,763百万円の損失)を見込んでおり、2018年12月期以降も開発費用が先行し、営業損失が続くものと予想される。このため、同社は2017年9月に第三者割当による新株予約権を発行した。当初の行使価額は671円(下限行使価額336円)で、すべて行使されれば株式数は1,200万株増加し、約80億円を調達できることになる。調達額で2020年12月期までのHGF遺伝子治療薬の米国での開発費、事業運営費などを賄っていく予定にしている。

■Key Points
・大阪大学発のバイオベンチャーで、遺伝子医薬に特化した開発を進める
・HGF遺伝子治療薬の国内承認申請に向けた準備が進む
・第三者割当による新株予約権発行により、約80億円を調達予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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