アドクリ Research Memo(7):ROE、売上高経常利益率で20%以上、自己資本比率80%以上を目標とする
[17/12/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
3. 目標とする経営指標と事業戦略
アドバンスクリエイト<8798>は目標とする経営指標としてROE20%以上、売上高経常利益率20%以上、自己資本比率80%以上を掲げている。2017年9月期実績ではROEが16.2%、売上高経常利益率が12.6%、自己資本比率が59.3%となっており、現状からさらに収益性並びに資本効率の向上と財務体質の改善を進めていく方針となっている。成長戦略としては、圧倒的な集客力を持つ保険選びサイト「保険市場」を基盤として、保険代理店事業を着実に拡大していくほか、再保険事業やメディア事業などほかの事業も強化していくことで収益の多様化を図り、安定性を向上させながら成長を推進していく方針だ。
(1) 営業戦略
保険代理店事業については、前述したとおり対面販売は現在の12店舗体制を維持し、金融リテラシーの高いアッパーミドル層を顧客ターゲットとしていく戦略に変わりない。代理店手数料率の低下が見込まれるなかで、今後は1顧客(世帯)当たりに販売する保険商品を増やしていくことで、収益を拡大していく方針となっている。現在は生命保険を中心とした単一商品の販売がほとんどだが、火災保険や自動車保険などの損害保険についても顧客のニーズに合わせて最適なものを提案していく取り組みを進めるなど、顧客のすべての保険商品を取り扱う資産管理型営業にシフトしていく方針となっている。同社の保険代理店事業に占める損害保険商品の比率は1割強とまだ低いが、これを将来的に2〜3割まで引き上げていくことを目標としており、こうした取り組みの成果が出てくれば、保険代理店事業の収益も一段と拡大していくことになる。
メディア事業については、顧客となる保険会社に対して自社が今まで蓄積してきたSEO対策等も含めたWebプロモーションのノウハウを提案し、「保険市場」の広告掲載収入以外のニーズを取り込むことで収益を拡大していく。また、再保険事業については既存の保険契約の積み上げと新規契約会社をあと3〜4社増やしていくことで安定した収益成長を目指していく方針だ。
(2) 投資戦略
投資戦略としては、従来と変わらずIT・システム投資と人材投資を強化していく方針となっている。IT・システム投資では、「保険市場」の利便性向上につながる投資を継続的に実施しているが、ここ最近はAI技術の導入も進めている。具体的には、チャットボットを導入し、コンタクトセンターにおける業務負担の軽減を図っている。今後もAIと人材の相乗効果により、より高い次元でのセキュリティと環境変化へのフレキシブルな体制を構築していく考えだ。
人材投資では新卒・中途社員の採用活動を強化していくほか、福利厚生制度の充実も進めている。2016年7月に東証第1部に上場したこともあり、スキルの高い人材も集まるようになってきていると言う。2017年4月の新卒社員数は19名(前年は24名)となり、2018年も20名程度の採用を進めていく予定となっている。また、働き方改革の一環として、有給休暇の取得促進並びに残業時間の削減に取り組んでいる。
(3) 管理体制の強化
管理体制の強化についても継続して実施していく方針だ。改正保険業法に対応したシステム開発や各種研修を継続的に実施しているほか、ガバナンス体制やコンプライアンス体制についても継続して強化を進めている。また、情報セキュリティ対策についても個人情報保護の管理体制を厳格化し、担当部署による有人監査体制を確立するなど情報漏えいを防ぐ体制を構築している。提携先代理店についても個人情報管理体制の水準向上を目的に、監査法人のトーマツと同社のダブルチェックで定期的に検査を実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 目標とする経営指標と事業戦略
アドバンスクリエイト<8798>は目標とする経営指標としてROE20%以上、売上高経常利益率20%以上、自己資本比率80%以上を掲げている。2017年9月期実績ではROEが16.2%、売上高経常利益率が12.6%、自己資本比率が59.3%となっており、現状からさらに収益性並びに資本効率の向上と財務体質の改善を進めていく方針となっている。成長戦略としては、圧倒的な集客力を持つ保険選びサイト「保険市場」を基盤として、保険代理店事業を着実に拡大していくほか、再保険事業やメディア事業などほかの事業も強化していくことで収益の多様化を図り、安定性を向上させながら成長を推進していく方針だ。
(1) 営業戦略
保険代理店事業については、前述したとおり対面販売は現在の12店舗体制を維持し、金融リテラシーの高いアッパーミドル層を顧客ターゲットとしていく戦略に変わりない。代理店手数料率の低下が見込まれるなかで、今後は1顧客(世帯)当たりに販売する保険商品を増やしていくことで、収益を拡大していく方針となっている。現在は生命保険を中心とした単一商品の販売がほとんどだが、火災保険や自動車保険などの損害保険についても顧客のニーズに合わせて最適なものを提案していく取り組みを進めるなど、顧客のすべての保険商品を取り扱う資産管理型営業にシフトしていく方針となっている。同社の保険代理店事業に占める損害保険商品の比率は1割強とまだ低いが、これを将来的に2〜3割まで引き上げていくことを目標としており、こうした取り組みの成果が出てくれば、保険代理店事業の収益も一段と拡大していくことになる。
メディア事業については、顧客となる保険会社に対して自社が今まで蓄積してきたSEO対策等も含めたWebプロモーションのノウハウを提案し、「保険市場」の広告掲載収入以外のニーズを取り込むことで収益を拡大していく。また、再保険事業については既存の保険契約の積み上げと新規契約会社をあと3〜4社増やしていくことで安定した収益成長を目指していく方針だ。
(2) 投資戦略
投資戦略としては、従来と変わらずIT・システム投資と人材投資を強化していく方針となっている。IT・システム投資では、「保険市場」の利便性向上につながる投資を継続的に実施しているが、ここ最近はAI技術の導入も進めている。具体的には、チャットボットを導入し、コンタクトセンターにおける業務負担の軽減を図っている。今後もAIと人材の相乗効果により、より高い次元でのセキュリティと環境変化へのフレキシブルな体制を構築していく考えだ。
人材投資では新卒・中途社員の採用活動を強化していくほか、福利厚生制度の充実も進めている。2016年7月に東証第1部に上場したこともあり、スキルの高い人材も集まるようになってきていると言う。2017年4月の新卒社員数は19名(前年は24名)となり、2018年も20名程度の採用を進めていく予定となっている。また、働き方改革の一環として、有給休暇の取得促進並びに残業時間の削減に取り組んでいる。
(3) 管理体制の強化
管理体制の強化についても継続して実施していく方針だ。改正保険業法に対応したシステム開発や各種研修を継続的に実施しているほか、ガバナンス体制やコンプライアンス体制についても継続して強化を進めている。また、情報セキュリティ対策についても個人情報保護の管理体制を厳格化し、担当部署による有人監査体制を確立するなど情報漏えいを防ぐ体制を構築している。提携先代理店についても個人情報管理体制の水準向上を目的に、監査法人のトーマツと同社のダブルチェックで定期的に検査を実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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