明豊ファシリ Research Memo(8):サービス品質の維持向上を最優先に取り組み安定した収益成長を目指す
[17/12/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 中期的な見通し
明豊ファシリティワークス<1717>は今後も、「顧客の側に立つプロフェッショナル」として「フェアネス」と「透明性」を貫き、サービス品質の維持向上を最優先に取り組みながら、安定した収益成長を続けていくことを目指している。同社がCM事業者の先駆者として、独立系でありながら多くの大企業を顧客として獲得し、また、公共分野でも受注を得るまでに成長してきた背景には、こうした経営理念を社員一人ひとりが実践してきた積み重ねであると言える。ここ最近、大企業による製品データの改ざん問題が新聞報道で取り上げられるなど、企業のガバナンス体制やコンプライアンス意識の低下が浮き彫りになってきたのとは対照的とも言える。
同社ではサービス品質の維持向上のため、2019年3月期以降も人材投資やIT投資を積極的に行い、生産性の向上を図りながら収益を拡大していく戦略となる。このため、利益が一気に伸びる可能性は低いものの、今後も着実な成長が続くと弊社では見ている。現在の国内建設投資額(住宅部門除く)は約19兆円で、このうち1割程度でCM方式が採用されていると見られる。同社が現在、抱えているプロジェクト総量は拡大している。国内の建設投資は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで高水準が続き、その後は減少局面に入るとの見方も出ているが、CM事業については今後も公共分野を含めて普及率の上昇が見込まれるため、拡大基調が続くと予想される。市場拡大が続くなかで、競合企業が今後も増えていくことが予想されるものの、高いサービス品質や顧客からの信頼は一朝一夕で構築できるものではなく、今後もサービス品質の維持向上が続く限りは、同社の優位性は揺るがないものと弊社では見ている。
なお、同社の業績は2016年3月期以降2ケタ減収、営業利益も減益が続くなど、見かけ上で業績が伸びていないように見られがちだが、前述したように売上高については契約方式の構成比変化によるもので、ピュアCM方式の案件が増えてきたことが要因となっている。有価証券報告書では売上高の内訳として完成工事売上高、マネジメントサービス料収入、その他売上に分けられているが、このうち完成工事売上高がアットリスクCM方式、マネジメントサービス料収入がピュアCM方式に相当する。全体の売上に占める完成工事売上高の比率は2015年3月期の66.1%から2017年3月期は44.2%に低下しており、これが売上高の減収要因となっていることがわかる。まだ、全体に占める比率は40%以上と高いため、アットリスクCM方式の案件が減少することで、見かけ上の売上高は今後も減収が続く可能性はある。ただ、売上総利益で見ると様相は一変する。完成工事売上総利益の構成比は2015年3月期の22.5%から2017年3月期は8.8%まで低下し、全体に与える影響は既に軽微となっており、今後、アットリスクCM方式の案件が減ったとしても、ピュアCM方式の案件が増え続ける限り、全体の利益も拡大していことが予想される。
また、営業利益については前述したように、大阪府立大学の学舎整備事業に係る10年分割支払いニーズに同社が金融機関と共同で対応した債権譲渡を前提とした決算処理方法の影響によるもので、同事業の売上高減少と市場金利の低下に伴い、売上債権売却損(2015年3月期160百万円→2016年3月期75百万円→2017年3月期39百万円)に相当する営業利益の加算分も減少したことが減益要因となっており、この影響を除けば増益となっている。2018年3月期から債権譲渡損の処理方法を営業外費用から売上原価に変更しているため、2019年3月期以降はこうした難解な要素はなくなることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 中期的な見通し
明豊ファシリティワークス<1717>は今後も、「顧客の側に立つプロフェッショナル」として「フェアネス」と「透明性」を貫き、サービス品質の維持向上を最優先に取り組みながら、安定した収益成長を続けていくことを目指している。同社がCM事業者の先駆者として、独立系でありながら多くの大企業を顧客として獲得し、また、公共分野でも受注を得るまでに成長してきた背景には、こうした経営理念を社員一人ひとりが実践してきた積み重ねであると言える。ここ最近、大企業による製品データの改ざん問題が新聞報道で取り上げられるなど、企業のガバナンス体制やコンプライアンス意識の低下が浮き彫りになってきたのとは対照的とも言える。
同社ではサービス品質の維持向上のため、2019年3月期以降も人材投資やIT投資を積極的に行い、生産性の向上を図りながら収益を拡大していく戦略となる。このため、利益が一気に伸びる可能性は低いものの、今後も着実な成長が続くと弊社では見ている。現在の国内建設投資額(住宅部門除く)は約19兆円で、このうち1割程度でCM方式が採用されていると見られる。同社が現在、抱えているプロジェクト総量は拡大している。国内の建設投資は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで高水準が続き、その後は減少局面に入るとの見方も出ているが、CM事業については今後も公共分野を含めて普及率の上昇が見込まれるため、拡大基調が続くと予想される。市場拡大が続くなかで、競合企業が今後も増えていくことが予想されるものの、高いサービス品質や顧客からの信頼は一朝一夕で構築できるものではなく、今後もサービス品質の維持向上が続く限りは、同社の優位性は揺るがないものと弊社では見ている。
なお、同社の業績は2016年3月期以降2ケタ減収、営業利益も減益が続くなど、見かけ上で業績が伸びていないように見られがちだが、前述したように売上高については契約方式の構成比変化によるもので、ピュアCM方式の案件が増えてきたことが要因となっている。有価証券報告書では売上高の内訳として完成工事売上高、マネジメントサービス料収入、その他売上に分けられているが、このうち完成工事売上高がアットリスクCM方式、マネジメントサービス料収入がピュアCM方式に相当する。全体の売上に占める完成工事売上高の比率は2015年3月期の66.1%から2017年3月期は44.2%に低下しており、これが売上高の減収要因となっていることがわかる。まだ、全体に占める比率は40%以上と高いため、アットリスクCM方式の案件が減少することで、見かけ上の売上高は今後も減収が続く可能性はある。ただ、売上総利益で見ると様相は一変する。完成工事売上総利益の構成比は2015年3月期の22.5%から2017年3月期は8.8%まで低下し、全体に与える影響は既に軽微となっており、今後、アットリスクCM方式の案件が減ったとしても、ピュアCM方式の案件が増え続ける限り、全体の利益も拡大していことが予想される。
また、営業利益については前述したように、大阪府立大学の学舎整備事業に係る10年分割支払いニーズに同社が金融機関と共同で対応した債権譲渡を前提とした決算処理方法の影響によるもので、同事業の売上高減少と市場金利の低下に伴い、売上債権売却損(2015年3月期160百万円→2016年3月期75百万円→2017年3月期39百万円)に相当する営業利益の加算分も減少したことが減益要因となっており、この影響を除けば増益となっている。2018年3月期から債権譲渡損の処理方法を営業外費用から売上原価に変更しているため、2019年3月期以降はこうした難解な要素はなくなることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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