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ステップ Research Memo(3):過去最高業績を連続更新、新規開校した4校も生徒獲得が好調

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2017年9月期の業績概要
ステップ<9795>の2017年9月期の業績は、売上高が前期比3.8%増の10,564百万円、営業利益が同5.4%増の2,584百万円、経常利益が同5.9%増の2,633百万円、当期純利益が同9.8%増の1,833百万円といずれも過去最高を更新した。売上高は1995年の株式公開以来、連続増収を続けているほか、営業利益は17期連続、経常利益も12期連続で増益を達成した。また、期初会社計画に対してもすべての項目において若干上振れて着地している。

2017年9月期における新規開校は小中学生部門の4スクールで、3月にあざみ野(横浜市青葉区)、中山(横浜市緑区)、開成(足柄上郡開成町)の3校、7月に長津田(横浜市緑区)に1校を開校し、小中学生部門で123スクールとなった。同社が注力している横浜市内で3校開校している。開成については、神奈川県内で世帯数増加率が最も高いエリアで、大手化学企業の研究センターが近隣にあることから、教育熱心な家庭も多く新規開校することとなった。

今回の決算の注目点の1つとして、新規開校した4校すべてで生徒募集活動が非常に好調に推移したことが挙げられる。3月開校の場合、生徒数は1年目の夏期講習時点で70人程度、その後口コミ効果等によって3年目で100人を超えるのが同社の通常パターンとなっている。これに対して、今回3月に開校した3校について見ると、あざみ野、開成の2校については4月末時点で既に100人前後となったほか、中山スクールについても夏場には同レベルに達するなど想定以上のペースで生徒数が増加しており、7月に開校した長津田スクールも順調に推移している。特に、学習塾激戦区であるあざみ野や長津田、中山スクールでのこうした動きは、同社のブランド力がこれらエリアでも大きく上昇している結果とも言える。公立トップ上位校への高い合格実績に加えて、学習指導力の高さ等が口コミ等によって広まっていることも一因と考えられる。

期中平均の生徒数は、小中学生部門で前期比3.9%増、高校生部門で同6.5%、全体で同4.3%増となった。売上高の内訳を見ると、小中学生部門で前期比3.1%増の8,590百万円、高校生部門で同6.9%増の1,974百万円とそれぞれ順調に拡大した。

売上原価率は前期比0.4ポイント低下の69.0%となった。教師を中心に正社員が23名増加し、人件費が前期比232百万円増加したほか、新スクールや既存スクールの増床により地代家賃が同46百万円増加したが、校舎の修繕費が同64百万円減少したことが原価率の改善要因となった。一方、販管費率は外形標準課税の税率変更による影響で租税公課が前期比39百万円増加したが、折り込みチラシの効率化により広告宣伝費が同11百万円減少したほか、人件費やその他経費の抑制に努めたことにより、前期比横ばいの6.5%となった。この結果、営業利益率は前期比0.4ポイント上昇の24.5%となった。また、営業外収支が14百万円改善しているが、これは主に企業主導型保育事業に関する助成金15百万円を計上したことによる。同社は2016年3月より社員向けの福利厚生を主目的として「ステップ保育園」を藤沢市の本社近くにオープンしたが、2017年4月に2園目をオープンするに当たって、両園とも企業主導型保育事業の認定を内閣府より受け、助成金の対象となった。特別損失として計上した50百万円は、既存校舎の減損損失となっている。

2. 財務状況と経営指標
2017年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,225百万円増加の20,717百万円となった。流動資産では現預金が同561百万円増加し、固定資産ではスクール移転用校舎(鴨宮スクール、六会スクール)の完成に伴い有形固定資産が同645百万円増加した。

負債合計は前期末比96百万円減少の2,881百万円となった。未払費用が56百万円、未払消費税等が55百万円、預り金が49百万円増加した一方で、有利子負債が230百万円減少した。また、純資産は配当金の支払い513百万円があったものの、当期純利益1,833百万円の計上により前期末比1,322百万円増加の17,835百万円となった。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の84.7%から86.1%に、有利子負債比率は9.2%から7.3%といずれも改善し、財務基盤はさらに強化された格好となっている。なお、同社の財務状況を見ると固定資産比率が81.0%と高くなっているのが特徴的となっている。これは、地域に根差した教育サービスを安定的かつ長期的に提供していくうえでは、自社物件で運営していく方が安定的かつ合理的と判断しているためだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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