アイナボHD Research Memo(1):中堅の住設・外壁工事会社。中期経営計画の目標は既に達成
[17/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社3社、非連結子会社1社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンや各種水周り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売である。施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金-借入金)は9,202百万円(2017年9月期末)と豊富でありバランスシートは強固である。
1. 2017年9月期業績概要(実績):2.9%増収ながら、粗利率改善で営業利益は前期比15.3%増
2017年9月期は売上高で62,480百万円(前期比2.9%増)、営業利益で1,914百万円(同15.3%増)、経常利益で2,101百万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,338百万円(同16.3%増)となった。売上高は社内目標をやや下回ったものの、売上総利益率が0.3ポイント改善、販管費が1.9%増にとどまったことなどから営業利益は2ケタの増益となった。セグメント別では、戸建住宅事業は0.7%の増益にとどまったが、大型物件事業の利益が100.5%増となり全体の増益に寄与した。
2. 2018年9月期見通し:営業利益は横ばい予想
2018年9月期は売上高で64,970百万円(前期比4.0%増)、営業利益で1,910百万円(同0.2%減)、経常利益で2,100百万円(同0.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,340百万円(同0.1%増)とほぼ横ばいが予想されている。住宅市場の先行きが必ずしも楽観できないこと、大手ハウスメーカーの見通しも慎重であること、システム更新に伴う減価償却費等が増加することなどの理由により、堅めの予想となっているが、かなり保守的な予想と思われる。セグメント別では、今度は同社が得意とする戸建住宅事業が業績をけん引する見込みだ。
3. 中期経営計画の目標(2019年9月期に営業利益19億円)は既に達成済み
同社は2019年9月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、その数値目標(売上高700億円、営業利益19億円、営業利益率2.7%)のうち営業利益及び同利益率は既に達成された。そのため会社は、次の中期経営計画の策定を検討しているようだが、早ければ今期(2018年9月期)第2四半期決算が発表される段階で新しい計画が発表される可能性が高い。株主還元については配当性向30%を目途としているが、今期の予想配当性向は25.9%であり、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・2018年9月期業績は利益横ばいと堅め予想だが、上方修正及び増配が濃厚
・中期経営計画目標(2019年9月期営業利益19億円)は既に達成済みで、新計画を模索中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社3社、非連結子会社1社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンや各種水周り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売である。施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金-借入金)は9,202百万円(2017年9月期末)と豊富でありバランスシートは強固である。
1. 2017年9月期業績概要(実績):2.9%増収ながら、粗利率改善で営業利益は前期比15.3%増
2017年9月期は売上高で62,480百万円(前期比2.9%増)、営業利益で1,914百万円(同15.3%増)、経常利益で2,101百万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,338百万円(同16.3%増)となった。売上高は社内目標をやや下回ったものの、売上総利益率が0.3ポイント改善、販管費が1.9%増にとどまったことなどから営業利益は2ケタの増益となった。セグメント別では、戸建住宅事業は0.7%の増益にとどまったが、大型物件事業の利益が100.5%増となり全体の増益に寄与した。
2. 2018年9月期見通し:営業利益は横ばい予想
2018年9月期は売上高で64,970百万円(前期比4.0%増)、営業利益で1,910百万円(同0.2%減)、経常利益で2,100百万円(同0.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,340百万円(同0.1%増)とほぼ横ばいが予想されている。住宅市場の先行きが必ずしも楽観できないこと、大手ハウスメーカーの見通しも慎重であること、システム更新に伴う減価償却費等が増加することなどの理由により、堅めの予想となっているが、かなり保守的な予想と思われる。セグメント別では、今度は同社が得意とする戸建住宅事業が業績をけん引する見込みだ。
3. 中期経営計画の目標(2019年9月期に営業利益19億円)は既に達成済み
同社は2019年9月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、その数値目標(売上高700億円、営業利益19億円、営業利益率2.7%)のうち営業利益及び同利益率は既に達成された。そのため会社は、次の中期経営計画の策定を検討しているようだが、早ければ今期(2018年9月期)第2四半期決算が発表される段階で新しい計画が発表される可能性が高い。株主還元については配当性向30%を目途としているが、今期の予想配当性向は25.9%であり、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・2018年9月期業績は利益横ばいと堅め予想だが、上方修正及び増配が濃厚
・中期経営計画目標(2019年9月期営業利益19億円)は既に達成済みで、新計画を模索中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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