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Iスペース Research Memo(7):EV/EBITDA倍率では同業の中で最も過小評価されている

注目トピックス 日本株
■同業他社比較

アフィリエイト運営会社の大手はインタースペース<2122>のほかファンコミュニケーションズ、アドウェイズ、バリューコマース、リンクシェア・ジャパン(株)(楽天<4755>の子会社)の4社が挙げられる。売上高規模はその他の事業も展開しているため、各社100〜400億円とバラつきがあるものの、同社も含めた5社合計のアフィリエイトサービスにおける業界シェアは6割程度とみられる。

このうち、ファンコミュニケーションズは2017年9月時点でパートナーサイト数が231万サイト、稼働広告主ID数で3,400件を超えており、業界最大規模となっている。中小企業向け広告ビジネスを長くやっており、eコマース向けの依存度が比較的高いのが特徴だ。業績面ではアドネットワーク広告事業が単価下落もあって低迷しており、2017年12月期の営業利益の伸びは8.1%増と伸び悩んでいる。ただ、営業利益率は15%台と最も高く、高収益性は維持していると言える。アドウェイズはモバイル向け比率が約5割(対国内広告売上高)となっており、ゲーム系に強みを持つ。海外事業やアプリ・メディア事業を展開しているが、いずれもまだ収益化していないことから全体の利益率は低くなっているが、2018年3月期はこれら事業の収益改善や新規事業の寄与により大幅増益を見込んでいる。バリューコマースはヤフー<4689>の子会社であり、パソコン向けの比率が約65%(件数ベース)と4社の中では最も高いことが特徴で、2017年9月時点のパートナーサイト数は68万サイト、広告主数は1,549件となっている。金融カテゴリーの中で利益率の低かった大型案件から撤退したため、2017年12月期の売上高は減収見込みとなっているが、利益ベースでは増益となる見通し。従来は金融向けが5割弱を占めていたが、直近四半期では3割強まで低下している。

これら上場企業の中で、インタースペースの営業利益率は2017年9月期で3.9%とアドウェイズに次いで低水準となっている。インターネット広告事業において、提携サイトや広告主開拓のためのコストを積極的にかけていること、モバイル向けの売上比率が約7割と高いことなどが要因と見られる。同社では今後、生産性向上に取り組むことによって利益率を向上していく方針となっている。

なお、株価指標ではEV/EBITDA倍率で6倍台と他3社に比較して最も低い水準となっている。EV/EBITDA倍率とは、企業を買収する場合に、その企業価値(時価総額+有利子負債−現預金及び有価証券)に対して、期間収益(営業利益+償却費)の何年分で回収できるかを簡易的に指標化したものとなる。倍率が低いほど時価総額が過小に評価されていることになる。EBITDAについては今後の成長性も加味する必要があるため、単年度の数字だけで判断するのは早計なものの同社の業績見通しは良好であり、EV/EBITDA倍率の格差は今後縮小していくものと予想される。

■株主還元策

インタースペース<2122>は配当の基本方針として、業績動向や資金ニーズ、将来の事業展開のための内部留保などを総合的に勘案して決定するとしており、配当性向としては連結ベースで15〜20%程度を目安として考えている。2018年9月期は前期比横ばいの14.0円(配当性向13.7%)を予定している。業績が今後も順調に拡大していけば、配当成長も期待できることになる。


■情報セキュリティ対策
情報セキュリティ対策では、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者として当該義務を遵守すべく、個人情報や取引データの取扱いに際し細心の注意を払い、ネットワークの管理や独自のプライバシー・ポリシーの制定・遵守、内部監査によるチェック等により、個人情報保護に関し十分な体制を構築している。

Webサイトやオンライン上の個人情報保護に関する認証制度であるTRUSTeを取得している。その他、個人情報管理責任者とは別に、個人情報取扱従事者の資格を社内の事業部長以上の職員が取得している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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